アントニー・レジューン 小林晋訳「ミスター・ディアボロ 」扶桑社ミステリー(2009/8)
1960年の作品の初訳.この作者の本格ものはこれ一冊だけとのこと.
ディアボロは「悪魔」のことで,このミスター・ディアボロが神出鬼没.まず最初に不可解現象ありきで,次第に人間模様があぶり出されるあたりの上手さに引きずられた.
密室トリック,消失トリックとも前例があるもの.記述はフェアだから最終章の手前で一服して,犯人当てをすることもできそう.
舞台は休暇中の大学を会場とする学会.登場人物による会話もなかなか知的.某教授の「われわれがすべきなのは,若者が現代社会を見通すことができるように教育することで,現代社会に適合させることではない」という発言が記憶に残る.最後のちょっとしたハッピーエンドもいい感じ.
訳者による解説も力作.
浅草オペラ 田谷力三のディアボロ,ディアボロという唄が,読書中バックミュージックみたいに頭の中で鳴り響いた.
1960年の作品の初訳.この作者の本格ものはこれ一冊だけとのこと.
ディアボロは「悪魔」のことで,このミスター・ディアボロが神出鬼没.まず最初に不可解現象ありきで,次第に人間模様があぶり出されるあたりの上手さに引きずられた.
密室トリック,消失トリックとも前例があるもの.記述はフェアだから最終章の手前で一服して,犯人当てをすることもできそう.
舞台は休暇中の大学を会場とする学会.登場人物による会話もなかなか知的.某教授の「われわれがすべきなのは,若者が現代社会を見通すことができるように教育することで,現代社会に適合させることではない」という発言が記憶に残る.最後のちょっとしたハッピーエンドもいい感じ.
訳者による解説も力作.
浅草オペラ 田谷力三のディアボロ,ディアボロという唄が,読書中バックミュージックみたいに頭の中で鳴り響いた.