池波正太郎選/日本ペンクラブ編 集英社文庫(1980/05)
目次(順不同)
半七捕物帳『お文の魂』岡本綺堂/右門捕物帖『南蛮幽霊』佐々木味津三/顎十郎捕物帳『捨公方』久生十蘭/貧乏同心御用帳『南蛮船』柴田錬三郎/岡っ引源蔵捕物帳『伝法院裏門前』南条範夫/風車の浜吉捕物綴『風車は廻る』伊藤桂一/銭形平次捕物控『赤い紐』野村胡堂/若さま侍捕物手帖『お色屋敷』城昌幸/明治開化安吾捕物帖『舞踏会殺人事件』坂口安吾/加田三七捕物そば屋『幻の像』村上元三/神谷玄次郎捕物控『春の闇』藤沢周平/耳なし源蔵召捕記事『西郷はんの写真』有明夏夫
地下街広場の古本市で購入.現在は上下二巻に分かれたが,同じ集英社文庫に残っている.
昨今は捕物小説に復活の兆しがあるようだが,これは大正昭和の名作選.捕物帳はシリーズと決まっているが,ここにはシリーズ第一作に近いものが多いようだ.このジャンルを拓いた半七捕物帳では,半七ではなく「 K のおじさん」が語り手.むっつり右門は市川右太衛門の印象が強いが,解説によれば最初に 映画で演じたのはアラカンとのこと.映画でも感じたが,小説でもむっつり右門は意外に良くしゃべる.銭形平次には銭を武器としてばらまく場面がなくて残念.
久生十蘭のはストーリーが大きく広がったと思ったら,この作家らしく腰が砕ける.柴田錬三郎のが枚数も多く展開も複雑で読後感も良かった.坂口安吾のは勝海舟が安楽椅子で馬鹿探偵をつとめるシリーズ.文章のテンポが小気味よい.この坂口安吾以外にも,村上元三・有明夏夫など,時代設定が明治になってから,というのも意外に多かった.有明の耳なし源蔵は大阪弁で調子が狂う.
解説は池波正太郎と伊藤桂一の対談.カバーは山藤章二.
目次(順不同)
半七捕物帳『お文の魂』岡本綺堂/右門捕物帖『南蛮幽霊』佐々木味津三/顎十郎捕物帳『捨公方』久生十蘭/貧乏同心御用帳『南蛮船』柴田錬三郎/岡っ引源蔵捕物帳『伝法院裏門前』南条範夫/風車の浜吉捕物綴『風車は廻る』伊藤桂一/銭形平次捕物控『赤い紐』野村胡堂/若さま侍捕物手帖『お色屋敷』城昌幸/明治開化安吾捕物帖『舞踏会殺人事件』坂口安吾/加田三七捕物そば屋『幻の像』村上元三/神谷玄次郎捕物控『春の闇』藤沢周平/耳なし源蔵召捕記事『西郷はんの写真』有明夏夫
地下街広場の古本市で購入.現在は上下二巻に分かれたが,同じ集英社文庫に残っている.
昨今は捕物小説に復活の兆しがあるようだが,これは大正昭和の名作選.捕物帳はシリーズと決まっているが,ここにはシリーズ第一作に近いものが多いようだ.このジャンルを拓いた半七捕物帳では,半七ではなく「 K のおじさん」が語り手.むっつり右門は市川右太衛門の印象が強いが,解説によれば最初に 映画で演じたのはアラカンとのこと.映画でも感じたが,小説でもむっつり右門は意外に良くしゃべる.銭形平次には銭を武器としてばらまく場面がなくて残念.
久生十蘭のはストーリーが大きく広がったと思ったら,この作家らしく腰が砕ける.柴田錬三郎のが枚数も多く展開も複雑で読後感も良かった.坂口安吾のは勝海舟が安楽椅子で馬鹿探偵をつとめるシリーズ.文章のテンポが小気味よい.この坂口安吾以外にも,村上元三・有明夏夫など,時代設定が明治になってから,というのも意外に多かった.有明の耳なし源蔵は大阪弁で調子が狂う.
解説は池波正太郎と伊藤桂一の対談.カバーは山藤章二.