ミステリアス学園

覆面作家・鯨統一郎のミステリ．2003/06 単行本．2006/04 光文社文庫．
先日，新聞で某新進ミステリ作家が推薦していた．書店で 平積みの4 刷り目を購入し新幹線で．


内容（「BOOK」データベースより）*****
ミステリアス学園ミステリ研究会、略して「ミスミス研」。ミステリは松本清張の『砂の器』しか読んだことがない、新入部員・湾田乱人が巻き込まれる怪事件の数々。なぜか人が死んでいく。「密室」「アリバイ」「嵐の山荘」…。仲間からのミステリ講義で知識を得て、湾田が辿り着く前代未聞の結末とは!?この一冊で本格ミステリがよくわかる―鯨流超絶ミステリ。*****

「新・日本の七不思議」はイマイチ (イマ三くらい?) だったが，こちらはまぁまぁ．2003 年度には鯨氏はこれを含めて，ミステリを 8 冊も刊行したというのだから恐れ入る．結末は馬鹿ミスそのものだが，例によってそこに至るまでの蘊蓄で読ませる．全体としてマトリョーシカ構造!?を持つ短編集．

巻末にミステリ作家デビュー年表と日本のミステリ作家のミステリ度・論理度マッピング．
解説 (乾くるみ) でまず指摘されるのは，ミステリの体系化・教養化．曰く...綾辻の「十角館の殺人」はそれだけ読んでも悪くはないが，クリスティの「そして誰もいなくなった」を読んでからのほうが楽しめる．
この「ミステリアス学園」も「そして誰もいなくなった」を読んでいたので，すこし楽しみが増したかもしれない．

新入部員・湾田乱人 (ワンダーランド) は数学・物理が専攻らしく，事件解決前にはニュートンがどうの，熱力学がどうのと口走るが，ジョークみたいなもので，この部分は探偵ガリレオには遠く及ばない．E=MC² の C は小文字 c に直していただきたい．


関係ありませんが，
右は，拙著の電子書籍「ドレミの科学」．オーディオファイル・ビデオファイルを駆使して，ドレミ...を物理の視点から解明します．DL-MARKET, http://www.dlmarket.jp/product_info.php/cPath/799_800/page/1/products_id/145552
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