Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ハブテトル ハブテトラン

2012-03-19 08:26:51 | 読書
中島京子 ポプラ文庫 (2010/09).

直木賞作家による児童文学.
年齢とともに退行すると言うが,もうややこしい小説は逆卒業(退学?). このあたりがしっくり来るトシになってしまった.J 子と取りっこするように,たちまち読了.

学級委員で登校拒否の 5 年生の男の子が田舎に内地留学して 2 学期を過ごすはなし.
学級委員というのは担任と一般生徒に挟まれた中間管理職というのは,昔も今も変わらないらしい.何十年も前だが,かく言う自分にも学級委員時代は悪夢だった.

舞台の松永は広島県で,尾道と福山の間.転向した女子の学級委員に,しまなみ海道を自転車で会いに行くシーンがカバー絵.ゲタリンピックなど地方色が強調されている.新しいガールフレンドもできたらしい.
瀬戸内は確かにのんびりしているが,東京と対比して,ユートピアみたいに書かれているのはちょっとね.住めば都か・住めば地獄か,それは分からない.
でも,現実を見据えた結末だし,小説としての読後感はとても良いから,良いことにしよう.

カタカナで書くと外国語の活用みたいだが,「はぶてる」は,すねる,ふくれつらをするという意味で,「...てとる」はその現在進行形で「と」にアクセントがある.「...とらん」はその否定でアクセントは「ら」に移る.
言葉の意味を知ったのは広島に住んで十年経ってから.
コメント
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