緑川聖司「晴れた日は図書館へいこう」ポプラ文庫ピュアフル(2013/07).
表紙の彼女は年齢不詳だが,語り手「わたし」は小5という設定.あまり小5らしくない語り口.
裏カバーには「知る人ぞ知るミステリーの名作が,書き下ろしを加えて待望の文庫化」とある.「日常の謎」連作ものだが,ミステリーとしては期待はずれ.小学生だってシャーロック・ホームズくらい読むのだから,もうちょっと なんとか.
でも「消えた本の謎」では,帯にあるように,男の子のある心理を巧みに取り上げている.
「エピローグはプロローグ」(これも短編のタイトル) のなかの
「母子家庭って,なんでも母子家庭のせいにされちゃうのよ」
とか,
「いわないほうがいいことを,全部いわないでおくと,心がどんどん重くなって行くのよ」
という台詞が現れるあたりも,なかなか読ませる.
最後の文庫用書き下ろし短編は蛇足かな.
第一回日本児童文学者協会長編児童文学新人賞佳作に選ばれた作品と小さく書いてあったが,そうした目でみれば優れた作品だ.登場人物もお行儀がよく,このまま国語の教科書に載せてもよさそう.図書館について教育できるし.

上の単行本 (2003/10 小峰書店) のカバーイラストのほうがぴったりくる.
文庫本のほうは,児童ならざる読者に売り込もうという作戦かな.しかしこの数年で図書館ミステリーはずいぶん進歩 ? したので,これで大人向きは辛い.
表紙の彼女は年齢不詳だが,語り手「わたし」は小5という設定.あまり小5らしくない語り口.
裏カバーには「知る人ぞ知るミステリーの名作が,書き下ろしを加えて待望の文庫化」とある.「日常の謎」連作ものだが,ミステリーとしては期待はずれ.小学生だってシャーロック・ホームズくらい読むのだから,もうちょっと なんとか.
でも「消えた本の謎」では,帯にあるように,男の子のある心理を巧みに取り上げている.
「エピローグはプロローグ」(これも短編のタイトル) のなかの
「母子家庭って,なんでも母子家庭のせいにされちゃうのよ」
とか,
「いわないほうがいいことを,全部いわないでおくと,心がどんどん重くなって行くのよ」
という台詞が現れるあたりも,なかなか読ませる.
最後の文庫用書き下ろし短編は蛇足かな.
第一回日本児童文学者協会長編児童文学新人賞佳作に選ばれた作品と小さく書いてあったが,そうした目でみれば優れた作品だ.登場人物もお行儀がよく,このまま国語の教科書に載せてもよさそう.図書館について教育できるし.

上の単行本 (2003/10 小峰書店) のカバーイラストのほうがぴったりくる.
文庫本のほうは,児童ならざる読者に売り込もうという作戦かな.しかしこの数年で図書館ミステリーはずいぶん進歩 ? したので,これで大人向きは辛い.