Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

珈琲屋の人々

2013-09-12 08:13:06 | 読書
池永 陽,双葉文庫 (2012/10).

内容(「BOOK」データベースより)*****
物語は「初恋」で始まり「再恋」で終わる―。東京のちいさな商店街にある喫茶店『珈琲屋』の主人・行介は、あることで人を殺した。当時、行介の恋人だった冬子は別の男性と結婚したが、行介が出所すると冬子は離婚していた。冬子に何があったのか…。商店街に暮らす人々が『珈琲屋』で語った人間ドラマを七編収録。情感溢れる連作短編集。*****

補足すると,「初恋」「再恋」には.行介,冬子の他に,殺した相手の妻子が登場.それ以外の5編では商店街の人たちがメインで,行介はもっぱら人生相談の相談役.
この,主人公の行介 (カッコ良過ぎ) が.ランプの炎で手をあぶるという行為を繰り返すところも,その生き方同様自虐的.
どの短編もハッピーエンドではないが,それなりに含みがある終わり方.
ちょっと人情時代劇を思わせる部分があり,そう思ってみると,果たし合いらしい場面もある.

コーヒーの淹れ方にひとこと.
珈琲屋 (これが喫茶店の名前) では,火傷しそうに熱い珈琲を出すのだが,熱過ぎると雑味が出て美味しくない,というの常識じゃないかな.
カバーイラスト (中川 学) ではサイフォンで淹れているし,炎で掌をあぶるにはサイフォンの道具立てが好都合だが,味にこだわるならドリップじゃない.
そもそも,サイフォンでは熱々のコーヒーはできない.加熱してから供している ?

でも熱いコーヒーを時間をかけてちぴちぴ飲むと,冷めるほどに味が変化するのが楽しめる.
コメント (3)
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