Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

復興の書店

2015-03-16 08:13:15 | 読書
稲泉 連,小学館 (2012/8).

図書館で借りた単行本だが,2014/11 に小学館文庫入り.もともとは週間ポストの連載だったそうだ.

「BOOK」データベースより*****
東日本大震災は、東北の書店員たちを悲観させた。岩手、宮城、福島三県の書店数の約 9 割、391 店舗が被災―。そんななか、仙台の一部の書店が営業を再開させたのは三月末である。そこで書店員が目にしたのは驚くべき光景だった。開店前から長蛇の列が連なり、あらゆる種類の本が買い求められた。同じく、苦難を乗り越えて、開店した多くの店舗で、活字に飢えているとしか言いようのない人々の姿が目撃されている。ネット注文や電子書籍が一般化した現代、街の書店、さらには紙の書籍の存在意義とはなにか? 大宅賞作家・稲泉連氏がルポルタージュする。*****

上記「仙台の一部の書店」は丸善のこと.仙台ジュンク堂も登場するが,街の小さな本屋さんたちの奮闘がこの本のメイン.登場する本屋さんたちの所在が三陸から福島までの地図で最初に挿入されている.野外あるいはテントでの週末だけの移動書店も紹介される.日本中では毎日のように ? 書店が潰れていく中で,震災でふたつの書店がなくなってしまったので,素人集団が新しく書店を立ち上げた町もある.


泥をかき出し,せっかく棚に本を並べたらまた余震.まるで賽の河原.

本屋さんは新学期を控え,学校の教科書を揃えることに使命感を持つ.

ジャンプ,お礼状の書き方,弔辞の本,近隣地図などが望まれ,売れた.

一段落すると,震災前に大切にしていた本を探す人も多い.

......


「人はパンのみにて生きるにあらず」という言葉がなんども現れる.テレビ,パソコン,タブレットなしという状況で活字に飢えるのはわかるが,平常な生活に戻ると,懐中電灯やロウソクが忘れられるように,本というものも忘れられてしまいそうな危うさも感じられた.
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