Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

虫の声

2015-03-29 08:24:44 | 新音律
http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/e/3658150ea7ba3c2f295192021efdd376http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/e/50860044cb031ac72a525711410b9c22 に示したように,鳥は鳴道という管を持っているから,その声は管楽器と同様,整数倍音を持つ.では,虫やカエルの声は? 



このコオロギは静止画だが,ちょっと訛ったナレーションが快い.最初の一声のソノグラムを下左に,その右にはスズムシのソノグラムを示す.後者は https://youtu.be/Stbh217TM8A の,やはり最初の一声である.



線スペクトルの幅はスズムシがコオロギに比べてはるかに狭い.どちらも整数倍音が存在する.虫たちが羽をすり合わせて音を出すなら,擦弦楽器に近いかも.羽を方形の面で近似すれば振動モードは三角関数で表現できるから,整数倍音が出ても不思議はない.

とくにスズムシの方は 3.3kHz あたりの成分とその整数倍音,4.6kHz あたりの成分とその整数倍音の二つの系列が見られる.ひとりデュエットだ! ただし残念ながら,音程は完全5度からすこしずれている.

他のスズムシではどうだろう.動画 https://youtu.be/gE1uTtFoUus の第一声のソノグラムが下左で,こちらは基本波と2倍波の間に少なくとも4本の平行線がある.ひとりクインテットだろうか.この動画は高性能マイク使用を標榜しているので,実は先の動画のスズムシの能力は過小評価されていたのかもしれない.
3倍波の上に現れる三角波もあやしい!



右は話のタネですが, https://www.youtube.com/watch?v=cxqbidaUhNU からの,先代猫八師匠のスズムシ.奇数倍波だけらしい !

以上,FFT サイズはどれも 1024 点,Hamming 窓.ソノグラムについては,私たちの CD ブック「視て聴くドレミ」で詳しく解説しています.


2015/4/9 追記
「スズムシの発音メカニズム(翅の振動モード解析に基づく検討)」林巖(東工大),○虎頭保尚,森川広一,岩附信行,香川美仁(カリフォルニア大)
paper no. 113
日本機械学会主催 Dynamics and Design Conference 2001, 東大本郷,2001/8/6-9
http://www.jsme.or.jp/monograph/dmc/2001/data/pdf/113.pdf
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

reading

/Users/ogataatsushi/Desktop/d291abed711d558e554bf7af66ee57d7.jpg