Wikipedia には「サイマティクス(英: Cymatics)はかつて,特定の周波数の音が膜や界面に作り出す形状やパターン(固有振動)について研究された学問である」とある.「かって」という副詞が気になるし,「学問」というほどでもないと思う.この動画はショーだが,クラドニ・パターンや,ファラデー波はりっぱな実験技術.研究所の一般公開で,つきっきりで,疲れ果てた記憶がある.
水面の波動については,シンギングボウル (チベットボウル) に関して先日紹介した論文
D. Terwagne and J. W. M. Bush, "Tibetan Singing Bowls", Nonlinearity 24 (2011) R51
に実験が紹介されている.ここでは波がおとなしい方から,capillary waves, Faraday waves, jumping droplets と分類している.この分野で最初の一歩を踏み出したのは,あの,ファラデーの法則の Michael Faraday さんなんですね.
水を入れたグラスハープでも波を立てようと試みた.水量が大きいほど綺麗なキャピラリー波ができるのだが,iPhone 動画では追随しきれない部分があるらしく,自分の目で見たときに比べ映像はぼやけてしまう.
グラスハープやシンギングボウルとは実験条件が微妙に異なるけれど,冒頭の動画のように,スピーカーを平置きしてその上に平たいシャーレを置くのがデモには簡単そうだ.片栗粉などで水に粘性を加えると面白くなるとのことで,理工系大学の学園祭の出し物になりそう.でも,下の動画の最後の方はかなり気色悪い.