Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

橋本治「草薙の剣」

2021-03-05 08:19:22 | 読書
新潮文庫(2021/2).単行本刊行は2018/3.

「桃尻娘」以来の橋本文学.この作品については,Amazon HP上のCMを読めば,読まずに一席打てそう.

*****昭生(あきお)62歳、豊生(とよお)52歳、常生(つねお)42歳、夢生(ゆめお)32歳、凪生(なぎお)22歳、凡生(なみお)12歳。この物語の主人公はこの6人ですが、それぞれの親や祖父母の時代から描かれます。
受験があり、学校に行き、働き、異性と巡り会い、家庭が出来、親になる。
そうした人間の営みの輪廻の中、国家総動員法成立、軍事教練、勤労動員、空襲、終戦、学生運動、新幹線開通、オイルショック、バブル景気、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件、神戸連続児童殺傷事件、東日本大震災……といった大きな出来事が起きる。
手前で平凡な人物の平凡な人生を魅力的に描き、遠景には昭和平成を形作った大事件大災害を配し、立ち上がってくるものとは……。
知の巨人にして時代の感性であった橋本治が目指したものとは。*****

しかし,橋本治が目指したものは...読んでも分からなかった.「草薙の剣」というタイトルも分からない.

固有名詞を持つ登場人物は6人だけで,あとは「◯生の父」「◯生の母方の祖母」と言った形で登場する.6人が似たような名前で紛らわしい.いっそ年齢順に一郎・二郎・三郎...とでもしてくれればよかったのに.
6人は冒頭で同時に同じ夢を見るのだが,その後相互の交流は一切ない,

いちばん年長の一郎,ではなく昭生も16トンのひとまわり下である.むしろ自分は常生・夢生の父親あたりに年齢が近い.時代背景はよく理解できた.
思い出したくないことも思い出した.息子が大学に進学したときの父親の困惑を,16トンの父親と重ね合わせたりした...この小説の父母・祖父母の時代は大学生なんてほんのひと握りだったんだな...

何冊かの小説のあらすじをまとめて読んだ感じ.
装幀 平野甲賀+吉良幸子.吉良さんは平賀フォントも制作している.
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