Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「人類対自然」

2022-05-13 08:40:55 | 読書
ダイアン・クック, 壁谷 さくら  訳,白水社 (2022/4).

ミランダ・ジュライ絶賛! 米作家のデビュー短篇集

出版社による長い紹介*****
配偶者を亡くし自活できない男女が、収容先で再婚に向けて奇妙な再教育を受ける「前に進む」。
大洪水のなか水没をかろうじて逃れた自宅で、助けを乞う人々を追い返して生き延びてきた男が、ある男をボディガードがわりに唯一受け入れたところ……「最後の日々の過ごしかた」。
会議中に襲来した怪物から逃げまどいパニックに陥ったエリート役員たちが、死を前にして思い至ったのは……「やつが来る」。
友人と出かけたボートが遭難し、来る気配のない救助を待つ男が、長年の友情が幻想だったと突きつけられる表題作。
特異な生殖能力を持つため、あらゆる女に追い求められる″みんなの男"が、落ち着いた関係を望みはじめたとたん……「おたずね者」。
抽選で〈不要〉と認定された子どもたちが繰り広げる、一瞬も気を抜けない苛酷な生存競争を描く傑作「不要の森」など。

不条理な絶望の淵で生き残りをかけてもがく人々の孤独と微かな希望を、無尽の想像力で描く、ダークでシュール、可笑しくて哀しい鮮烈な12篇。本書は多数の新人文学賞を受賞、最新長篇The New Wildernessは2020年ブッカー賞最終候補作になり、将来を嘱望されている。*****

さらに訳者あとがきから引用すれば*****
収録作品のおおくは,ディストピア,ポストアポカリプス,奇妙な風習の存在する社会といった,非現実でエキセントリックな世界を描いている.

過酷な設定が目立つゆえか,本書の書評や感想にはダーク,シュール,憂鬱といった言葉が多く見受けられる.*****

こういう小説が好きなつもりで読んだが食傷した.
多くは仮定された状況で登場人物がじたばたして終わる.小説的展開があるのは「不要の森」くらい.
いちばん長い「気象学者デイヴ・サンタナ」だけは,シチュエイションが普通の小説.

木村晴美によるカバーイラストは表題作「人類対自然」を題にとっているらしいが,だとすればバックの木々はおかしい.このタイトル Man v. Nature の意味するところを,訳者あとがきに述べてはいるが,よくわからない.

図書館から借用した.

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