雨穴 Uketsu 「変な家 文庫版」飛鳥新社 (2024/1).
ダブルカバーの,映画化を謳った外側のほうによれば,2023 年に 80 万部,最も売れた小説だそうだ.2021/7 刊行の単行本の,間取り図をあしらったカバー に惹かれたのを覚えているが,文庫版 (内側のカバーは単行本のと大同小異) が出たので買ってみた.
トップ画像のように,登場人物たちの会話でストーリーが進み,間取り図が間断なく挿入されていて,あっという間に読了.ただし間取り図は途中で手描きのものになり,さらにラストの 1/3 ほどでは間取り図皆無となる.この部分は横溝正史を思わせる因縁話.
間取り図 (建物の平面図) が出てくるミステリで,隠し扉や隠し地下室があるのは邪道だと思っている.
でも童心に帰って,小一時間は楽しませていただいたので,この本は,おとなが読む本じゃないと非難するつもりはない.
もともとはウェブメディア記事で,YouTube動画になり,その動画と連動した不動産ミステリ小説が出版され.これから映画化,という運びらしい. Youtube を漁ったら 2023/12/23 にアップされた「行先のない廊下」という 30 分弱の動画にたどり着いた.カオナシ的な仮面の女声が語るだけで動画としての面白さはないが,ストーリーはこの本に比べればよりもずっと要領が良い.ただし「変な家 2」を買わされそうになる.
不動産屋の広告の類から実際に変な間取りを集めたと称する,20 年以上前の本
佐藤和歌子「間取りの手帖」リトル・モア (2003/4)
がおもしろかったと記憶している.でも残念ながら紛失したらしい.しかしちくま文庫に入っていることがわかった.
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