Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

荊棘の冠

2019-10-05 08:38:45 | 読書
里見弴,講談社文芸文庫(2012/3)。図書館本。
美貌の天才バイオリニスト、諏訪根自子をピアニストに置き換えた小説。荊棘(いばら)の冠は彼女の名声のことだろう。ただし音楽のことは何も出てこない。いきなり梅毒が出てきて面食らう。周りの大人たちの愛憎が中心。とくに父親は売れない小説家で、娘を持て余した挙句頭がおかしくなる。実際にあった母娘の家出のスキャンダルが後半の中心。
この作家は初めてだが、理屈が多い風俗小説という感じ。著者は音楽のことは何も知らないらしいが、生半可に音楽通ぶるよりはマシかもしれない。
志賀直哉の序文がある。
1934年から3つに分けて中央公論に発表され1935年に出版された。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 広島から小諸へ | トップ | 百福センター »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事