Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

小沢昭一の句集

2021-02-16 09:14:54 | 読書
小沢昭一「俳句で綴る 変哲半生記」岩波書店 (2012/12).

Amazon の CM *****「私にとって俳句は遊び。だから真底楽しい」と語る著者。東京やなぎ句会発足の折に、初めて俳句と出会い、はや四十年余。東京やなぎ句会のほか、さまざまな句会にも参加し、詠んだ俳句はなんと四千にものぼる。本書ではその全てを、俳句にまつわるエッセイと共に収録する。俳句と句会・句友への愛と感謝に満ちた、変哲句集の決定版。*****

古書店で800円.
全体が4章で,各章それぞれ原則として十年分で.逝去した平成24 (2012) 年まで.章の終わりにエッセイが原則2編ずつ.年毎に,そこでは月毎に数句ずつ並んでいるのだが,平成に入ると20句/月を超えることもある.
最初の句は

 スナックに煮凝りのあるママの過去

と,出だしは好調だが,続きはあまりおもしろくない.ことに最初の方はシュレッダー行きみたいなのが多い.黙読といえども頭の中では音読したくなるので,読むのに時間がかかる... 最初から通して読むものではないんだろうが.
でも中ほどから共感できる句が目立ってくる.俳句の良い・悪いって,結局共感する人が多いか・少ないか ではないだろうか.個人的共感句を,適当にめくった中から並べてみると...

 棟梁の焚火のなかの思案かな
 残菊や癌らしき女(ひと)化粧する
 鮟鱇や金馬の口も大きくて
 落第や吹かせておけよハーモニカ
 春の風邪うどんなるもの旨きかな
 春の風邪もらう覚悟の接吻す
 借金を言い出せずしてビール飲む

バレ句も少しはあるが,それより志ん生・柳橋なども登場する寄席の句が多い.横長の版形が句集向き.箱と表紙の猫のイラストが良い.装丁 桂川潤.

ベッドでパラパラとめくっているとすぐ眠くなるという効用あり.

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