Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

フランス人は「枯葉」が嫌い?

2006-08-11 16:30:47 | ジャズ
暑いので晩秋の話題.タイトルは正確に言うと「フランス人はジャズの枯葉が嫌い」です.

フランスから来た物理屋さんは,シナトラやN・K・コールの autumn leaves が気にくわなかった.
-訳詩の甘ちょろい内容は深淵で哲学的な原詩を冒涜している.
-イントロ(verse)を省略するのも気にくわない.
-そもそものタイトル les feuilles mortes は「死んだ葉っぱ」で,それだけでイメージをかき立てる.日本人だって「上を向いて歩こう」を「スキヤキ」にされたら腹が立つだろ (確かに!!).

歌なしの,マイルスやビル・エヴァンスの枯葉は?
-あれは別な曲だ.どうこう言うのはスマートじゃないね.
-でもアメリカ流は,もと歌と譜割りが違う.延ばすところが長すぎて間がぬけている.

ですって.要するにフランス語の「語り方」ともとの譜割りとは密接に関係しているので,これをいじってもらいたくないらしい.日本人のシャンソン歌手の「枯葉」は,何をいっているのか分からないが,なかなか良いのだそうです.

かってこんなご託宣を聴いたせいで,セッションでもなんとなく枯葉が演奏しづらい.かってシャンソンに忠実に演ってみたこともあるが,なんだかしっくりこなかった.

french lyrics by Jacques Prvert 有名な詩人だそうな.
English lyrics by Johnny Mercer 作詞は Moon River, Satin Doll, Skylark 等々. Dream では作詞作曲.シンガー・ソングライターの元祖.彼の単純な訳詩だから枯葉がアメリカ人に受けたという側面もありそう.
Music by Joseph Kosma
印税は世界一と聞いたことがある.

http://www.johnnymercer.com/FAQ/Autumn%20Leaves.htm
にJohnny Mercerの詩ではない,フランス語の直訳英語が出ている.「死んだ葉っぱをシャベルで掻き集める」なんて確かに意味ありげ.
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 旅日記 - 仙台・那須・東京 | トップ | 博士論文 進駐軍クラブから... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ムード音楽としての枯葉 (たーぎ)
2006-08-13 09:12:18
ロジャー・ウィリアムスの演奏でアメリカでは枯葉がポップチャート1位になっています。当時でいうムードミュージックですが、これがスタンダードになるきっかけでしょう。
返信する
ロジャー・ウィリアムス (16トン)
2006-08-14 09:06:09
あのきらきらピアノは覚えています.

アメリカでは歌の方が早く出たようですが,あまりぱっとしなかったのでしょうか.フランスの16小節/コーラスを32小節にしたのはロジャー・ウィリアムスですか.
返信する
枯葉年表 (たーぎ)
2006-08-15 10:58:20
http://plaza.rakuten.co.jp/xxjazz/diary/200511160000/

に詳しい経緯が掲載されています。

これをまとめると



1945 作詞作曲 ただし登録は1947

1946 イブ・モンタンが映画「夜の門」でうたう

1950 ジョニー・マーサの英語詩 ビング・クロスビーが録音

1955 ロジャー・ウィリアムスの大ヒット

1958 Something Else でキャノンボール,マイルスが録音
返信する
Re 年表 (16トン)
2006-08-16 07:02:29
たーぎさん 年表ありがとうございます.



今では枯葉はジャズのスタンダードですが,ぼくにとっては越路吹雪や芦野宏の枯葉が出発点でした.イブ・モンタンは雲の上.英語で初めて聴いたのはパット・プーンで,これで英詞を覚えました.
返信する

コメントを投稿

ジャズ」カテゴリの最新記事