ローレンス・ブロック,田口俊樹 他 訳,ハーパーコリンズ・ ジャパン (2019/6).
ハーパーコリンズは世界第2位の総合出版社だそうだ.
この本は17人の作家がそれぞれエドワード・ホッパーの絵にちなんだ短編を捧げたもので,発起人がローレンス・ブロック.各編の冒頭にはフルカラーで絵が挿入されている.
エドワード・ホッパーなんて知らないよ...と思ったが,絵は見たことがあることを知った.Wikipedia の表現を借りれば,彼の作品は「都会の街路・オフィス・劇場・ガソリンスタンド・灯台・田舎家などアメリカ人には見慣れた都市や郊外の風景を,単純化された構図と色彩・大胆な明度対比・強調された輪郭線で描く」もので,そこには「彼の孤独な雰囲気が漂」っている.
ブロックの序文には「ホッパーはイラストレーターでも物語作家でもない.彼の絵は物語ってはいない.ただ,絵の中に物語があることを,その物語が語られるのを待っていることを,強く抗いがたく示唆している」とある.うまい企画を思いついたものだ.
個々の作品については,項を改めて...
翻訳書なりのあとがき・解説の類はない.翻訳者をどのように割り振ったか,知りたいところ.
冒頭の写真では下半分が帯のように見えるが,帯のように印刷してある.カバーに使われたタイトルは Hotel Lobby,1943 年の作品.
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