Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

素粒子の物理

2008-11-01 09:05:03 | 科学
かってKEK(高エネルギー加速器研究機構)に勤めていた...という理由で,ノーベル賞の対象となった物理について聞かれても,お答えできません.専門外です.小林先生にお会いすれば「こんちわ」くらいは言いましたけど.

もっともノーベル物理学賞では,小生に限らず,たいていの物理 (あるいは,数物系) の先生・学生は同じように当惑したのではないだろうか.

そこで知ったかぶりのネタを仕入れようかと,大学図書館で眺めたら,

南部陽一郎「クォーク第2版―素粒子物理はどこまで進んできたか」 (ブルーバックス1998)

が1981年の旧版とあわせて3册あった.ノーベル賞だから全部貸り出しというわけではないらしい.講談社ではこれを2万部

小林誠「消えた反物質―素粒子物理が解く宇宙進化の謎」 (ブルーバックス1997)

を1万部急遽増刷したとのこと.

南部本を借りた.素粒子の戸籍調べみたいなことが歴史を追って書いてあって,ノーベル賞直後の新聞の解説記事を詳しくした感じ.こうした記述法はこの種の解説書の王道?
しかし数式をひねくりまわすだけで,どうしてそうなるの...という疑問が生じてしまう.ここを置き去りに先に進むのがブルーバックスで,そこを掘り下げるのが専門書なんだろう.
書店でぱらぱらと見た感じでは,ブルーバックスでも小林本のほうは数式が囲みの中にどんどん出てくる.専門書に近いかもしれないが,取っ付きにくそう.

というわけで,核・素粒子を専門としない理工系の学生・卒業生へのぼくのおすすめ本は,

相原博昭「素粒子の物理」東京大学出版会(2006)

初歩の専門書という感じで,量子力学も相対論もストーリーが成り立つ程度に組み込んである.ディラック方程式→負のエネルギー→反粒子 というのが典型的な論法のさきがけらしい.最後から10ページあたりで小林・益川行列が紹介される.
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