Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

紙の心

2020-09-06 08:52:35 | 読書
エリーザ・プリチェッリ・グエッラ, 長野 徹 訳,岩波書店 STAMP BOOKS (2020/8).

出版社による内容紹介
*****「はじめまして、だれかさん!」少年はある日、図書館でほこりをかぶる本の間にはさまれていた手紙を見つける。顔も名前も知らないまま文通を重ねるうちに、思いをつのらせるふたり。お互いの日常をつづるなか、ふたりが暮らす「研究所」の不穏な実体が暴かれていくが……。紙のようにもろく燃えやすい心を繊細にえがいた青春書簡小説。*****

本書はイタリアの中学生の投票で選ばれるバンカレッリーノ賞受賞作.16トンも10代に帰ったつもりでハラハラドキドキ,たちまち読了.
体制側はまったく無防備,足手まといのデブの大食漢が実はコンピュータと掏摸の天才... ご都合主義のストーリーだが,それを論うのは野暮というものかな.

少年少女の文通 : 書簡体小説というスタイルが効いている.解説によれば作者はデストピア小説と言っているそうだが,それにしては読後感が良すぎる.最後の10ページ弱の書き方 (種明かし) 次第では,もっとラジカルな小説にもなった...

図書館の新着図書の棚から借用.この岩波のシリーズ,STAMP BOOKS は「10代のための海外文学」をテーマに世界各国から選りすぐりの文学作品を集めたシリーズだそうだ.もと10代としては可及的速やかに返却しよう.

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