Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

カッコウの音程 (1)

2006-02-11 11:33:46 | 新音律
つくばに就職したとき,東京生まれ東京育ちの母親がやってきて,カッコウが鳴いていると感心した.実は身障者用の交通信号だった.

さて,カッコウが鳴くのを楽譜に書くとどうなるだろうか.ウェブにいくつかある「野鳥の声」サイトから5データをスペクトル解析してみた.

もちろんどの個体でも「カッ」が高く「コウ」が低い.
始めの「カッ」音の絶対音程は770-860Hzに分布していて,GとAの間になる.
スペクトルには高調波がほとんどない.
「カッ」と「コウ」の周波数比は4/3が2例,5/4が3例.

というわけで,相対的な音程は長三度か完全四度.カッコウは(移動ドで言えば)ミドあるいはファドと鳴いている.ちなみに,Johnasson作曲の「郭公ワルツ」の出だしは長三度,ミドだ.

ミとド,あるいはファとドというふたつの音は協和する,すなわち同時にならしたときに響きがよい.ただしこれはそれぞれの音に高調波が存在するからである.しかしカッコウの場合スペクトルに高調波はほとんどない.それに,カッコウの歌?はそもそも単旋律だ.こう考えると,「カッ」と「コウ」の音程が音楽の理論に従わなければならない,物理的な理由はない.
なぜカッコウは純正律を知っているのだろうか.


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3 コメント

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進化論? (みなが仙人)
2006-02-12 11:56:51
スペクトル解析がご自宅でできたんですか?



純正律がちゃんと分かっているわけではありませんが、それは人間さまの理論。

カッコウの脳神経系の方が先に存在したので、純正律の1部品が、カッコウにすでに生じていたのかも(笑)。

遅まきながら、最近、「共感覚」の科学を知って、そんなことを空想しました。
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スペクトル解析 (16トン)
2006-02-13 09:06:19
オーディオ領域の信号のスペクトル解析専用ですが,Amadeusというソフトを使っています.15日の無料使用期間があるのですが,もう10日たってしまったので,どうしようかと.
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続きあり (16とん)
2014-02-04 09:08:15
http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/e/231c870e54fd4e53bf6d9542ff364b81
に続きます.
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