田中慎弥「ひよこ太陽」新潮社 (2019/5)
Amazon より
*****道理で女が出てゆくわけだ――。妄想に取り憑かれた作家の姿を描く新しい私小説。今日も死ななかった。あの帽子を見たために、今日も死なずにすんだ――。一緒に住んでいた女に出ていかれ、切り詰めた生活でひたすら小説を書く40代の男。書けない日々が続き、いつしか死への誘惑に取り憑かれた男に、ある日人探しの依頼が届くが……。虚実のあわいで佇む作家の日常を描く連作小説集。芥川賞作家の新境地作。*****
図書館で借用.2012 年の芥川賞作は途中でギブアップしたか,この作品は泉鏡花賞作というので読む気になった.
7篇からなる短編集と思って読み始めたが,同じ人物が繰り返し登場するので連作とわかった.
最初の 1-2 作は読みやすかったが,次第に泉鏡花っぽく,というよりやはり田中慎弥っぽくなる.
辛うじて生活できるレベルの作家が語り手なのが,なんだか胡散臭い.
「茹で卵を潰してマヨネーズと胡椒で和えたやつを,焼いたパンの上に塗って昼食」
「ビールとウイスキーと日本酒と焼酎は買い物かごに入れる.重みで,私は生きている実感を,別になくしていたわけでもないだろうが,取り戻した気分になる」
といった,本筋とは関係のない文章に頷いてしまう.
Amazon より
*****道理で女が出てゆくわけだ――。妄想に取り憑かれた作家の姿を描く新しい私小説。今日も死ななかった。あの帽子を見たために、今日も死なずにすんだ――。一緒に住んでいた女に出ていかれ、切り詰めた生活でひたすら小説を書く40代の男。書けない日々が続き、いつしか死への誘惑に取り憑かれた男に、ある日人探しの依頼が届くが……。虚実のあわいで佇む作家の日常を描く連作小説集。芥川賞作家の新境地作。*****
図書館で借用.2012 年の芥川賞作は途中でギブアップしたか,この作品は泉鏡花賞作というので読む気になった.
7篇からなる短編集と思って読み始めたが,同じ人物が繰り返し登場するので連作とわかった.
最初の 1-2 作は読みやすかったが,次第に泉鏡花っぽく,というよりやはり田中慎弥っぽくなる.
辛うじて生活できるレベルの作家が語り手なのが,なんだか胡散臭い.
「茹で卵を潰してマヨネーズと胡椒で和えたやつを,焼いたパンの上に塗って昼食」
「ビールとウイスキーと日本酒と焼酎は買い物かごに入れる.重みで,私は生きている実感を,別になくしていたわけでもないだろうが,取り戻した気分になる」
といった,本筋とは関係のない文章に頷いてしまう.
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