創元推理文庫 山田順子による新訳 (2020) の「ハーリー・クィンの事件簿」を読んでいる.アガサ・クリスティの熱心な読者ではないが,ハーリー・クィンものはこの作家にしては変わっているのではないか.
創元推理文庫では 一ノ瀬 直二による旧訳 (1971) も「ハーリー・クィンの事件簿」というタイトルだったが,嵯峨 静江訳 (2004) ハヤカワ・ミステリ文庫,元をたどれぱ石田英士訳 ポケミスの 1978 の文庫化「謎のクィン氏」というタイトルが内容に沿っている.
原題は The Mysterious Mr. Quin.1930 William Collins and Sons (UK) 版のカバーデザインが右.ハーリー・クィン Harley Quin は Harlequin のことで,英辞郎によれば
*****16-18 世紀のイタリアの即興喜劇に登場する道化役の一つ.黒い仮面を着け,ひし形模様の服を着てタイツをはき,木の剣か魔法のつえを持っている.機敏で賢いキャラクターだが,時には間抜けなこともする*****
*****16-18 世紀のイタリアの即興喜劇に登場する道化役の一つ.黒い仮面を着け,ひし形模様の服を着てタイツをはき,木の剣か魔法のつえを持っている.機敏で賢いキャラクターだが,時には間抜けなこともする*****
12 編の短編集のうち,原題では The Dead Harlequin, Harlequin's Lane と2編に (Harley Quin) ではなく Harlequin が現れる.著者自身「はじめに」で少女時代「ハーリクィンのうた」という詩ではじめて原稿料1ギニーを得たと書いている.
小説については,たぶん後日.
Harlequin という単語を知ったのは MJQ のアルバムからだった.The Comedy はジョン・ルイスのイタリア憧憬の集大成みたいな作品だが,口うるさいサタスウェイト (短編集の狂言回し) が聴いたら何というだろうか...
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