いちど手にした本は最後まで読まなければモッタイナイという強迫観念に囚われた時代も かってはあったが,老い先が短くなったので方向転換している.
レオポルト・フォン ザッハー=マゾッホ,許 光俊 訳「毛皮を着たヴィーナス」光文社(2022/8 古典新訳文庫) .
サド・マゾの「マゾヒズム」の語源となった著者の代表作とあったので,なかば下世話な興味から借用.うちの書棚に読まれずに積まれるわけではないが,かわりに図書館に積まれることだろう.
Amazon に引用された「BOOK」データベースによれば*****
保養地で出会った美しい寡婦ヴァンダと理想の男女関係を築こうとする夢見がちな青年ゼヴェリン。やがて女王と奴隷の支配関係に行き着き、彼女による残酷な扱いに身をゆだねていくが、その嗜虐行為はエスカレートしていき…。*****
著者が実際に奴隷契約を結んだ女性との交際経験に基づいているそうだ.
どう展開するだろう,ページをめくるのももどかしい,という感じには全然ならなかった.どうでもいいやと,中退.
本文に先立って読んだ著者による解説が良かった.
久賀 道郎「ガロアの夢 - 群論と微分方程式」筑摩書房 (ちくま学芸文庫 2023/12).
帯に曰く*****「ガロア理論を視覚化 伝説の名著,復刊 解説 飯高 茂」*****
久賀先生には大学教養課程で数学を教わった.解説の飯高氏も学生として同じ教室にいた,というわけで懐かくて購入.
久賀先生に限らず教養の先生の講義は行き届いていた,と悟ったのは工学部に進学してから.工学の先生は政府の委員会か何かの片手間に研究と講義をやっている感じ,正確に言えば,研究は子分たちにやらせ,講義は自分でやるので適当に,という感じであった.
工学系大学院を中退し助手として就職した研究所では,ぼくが一番若かったので,もっぱら大学院生たちと遊んだ.彼らのひとりが「専門に役に立たないことをやろう」というので,本書「ガロアの夢」日本評論社版の輪講を企てたが,最後まで行かなかった.
今回は...
初っ端の 集合と写像,同値類別,自由群 あたりで,数学の本はどれも同じように始まるな,と思ったら飽きてしまった.でも,最初から通して読まなければならないという思い込みからは逃れることができない.
初っ端の 集合と写像,同値類別,自由群 あたりで,数学の本はどれも同じように始まるな,と思ったら飽きてしまった.でも,最初から通して読まなければならないという思い込みからは逃れることができない.
1ヶ月かけてページ数が 1/3 あたりまで行った状態で休憩中.このまま積んどかれる恐れ 大.
カバー見返しの先生の写真は,1960 年代のものと差し替えていただきたい !!
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