Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

科学の楽譜 ソノグラム

2007-12-01 17:11:56 | 新音律
先日のコップのぶつかり音
http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/e/0cbfa14c6c3e0815a71267b4190ec355
のソノグラムを取ってみた.その結果をご披露する前に,ソノグラムについて...

楽譜というのは,横軸に時刻・縦軸に音の高さをとったグラフである.ただし縦方向も横方向も音楽の約束でデジタル化されている.音の高さは周波数だから,各時刻の周波数スペクトルを並べれば楽譜のようなものが出来るはず.これは古くはレーダーの軍事研究に使われたグラフだそうで,ソノグラムという.

ピアノのシングルトーンで「ちょうちょ」を弾いてソノグラム化した結果がこの図である.縦方向に何本も線が並んでいるが,例えば一番下の線を横方向すなわち時間に沿って見ていくと,ちょうちょのメロディ通りに上下しているのがわかる.まさに楽譜である.

図の濃淡は音の強弱に対応している.縦方向に等間隔に何本も線があるのは,ピアノである音を弾いても,それに対応する周波数以外に,その2倍3倍4倍...の周波数が出ているためだ.この整数倍波の混ざり方は楽器によって異なる.

ソノグラムさえあれば,どんな楽器を・どのように強弱をつけて・どんなテンポで演奏したかが完璧に再現できる...といいたいところだが,そうでもない.ソノグラムを横軸の任意の点で切れば,その切り口はその時刻の周波数スペクトル(厳密にはパワースペクトル)を現す.しかしそのスペクトルはどの程度の時間幅を対象にしたかで異なる.周波数と時間との不確定性関係である.これは量子力学の不確定性原理と深いところで繋がっているというひともいる.

コップのぶつかり音のソノグラムは次の機会に.
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