Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

タイトルは嫌いだが...

2020-08-01 08:56:04 | 読書
沢野ひとし「人生のことはすべて山に学んだ」角川文庫(2020/7).
単行本は 海竜社(2015/11).

人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」ならタイトルになるが,「...山に学んだ」はだめだ.
鈴木みきさん(イラストレーター)はこの本の解説で「人生のことはだいたいワニ眼に学んだのかもしれない.いや,それは困る」と書いている.どうして困るのかな? 「ワニ眼」とは沢野氏のことらしい.

とにかく沢野画伯のヘタウマ絵のファンなので購入した.著者は16とんの3歳年下の同世代で,ここにある山の8割がたは経験している.要するに知人友人の世間話みたいなもので,楽しく読んだ.



Amazon の CM
*****「本の雑誌」のイラストでおなじみの著者が、50年近くの登山歴から厳選した50の山を紹介。遠足での道迷い、若き日の仲間とのテント山行、息子との岩登り……。多種多様な山でのエピソードの端々に、人生の要諦がぎゅっと凝縮されている。山での食事や服装、遭難体験の教訓など、実用コラムも満載。はたまた脱力の四コマ漫画も。200点以上のイラストを眺めていると、さながら紙上登山をしているよう。新たな山岳名著、誕生! *****

目次 ***** 1章 北の山 (北海道の山 以下カッコ内は16トン注)
2章 いつもの仲間との山 (東北の山)
3章 私をつくった山 (高尾山・丹沢・奥多摩など関東の山)/
4章 通いたくなる山 (奥秩父と上越)
5章 宝物が隠されている山 (北アルプス 白馬・剣・常念など)
6章 人生の山 (まだ北アルプスだが,もっぱら槍・穂高)
7章 短い夏の山 (八つ・蓼科.南アルプス.北岳の項は尻切れトンボ)
8章 これぞ日本の山 (富士山・九州ほか,前章までに漏れた山々)*****

単行本には「沢野ひとしの特選日本の名山50」というサプタイトルがついていた.東京の学生・サラリーマンが行く山が多い.文章はどの山でもガイドブック風に始まるが,次第に私情が混じりエッセイと化していく.彼女と結婚し,いっしょに山に行っているうちに息子は山小屋で働いたり,という家族のストーリーも控えめに開陳される.

「山に入ると,都会にいるときはおしゃべりの人が沈黙し,いつもは無口の者が饒舌になる」という観察に,なるほど.
山で食べる記述が多い.「爆弾」というつまみに興味津々.醤油と日本酒に,鷹の爪と煮干しを投入し沸騰させるだけ.煮干しは酒のアテになり,残りの醤油はその後万能調味料となるのだそうだ.

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