goo blog サービス終了のお知らせ 

Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ミスター・ディアボロ

2009-09-12 09:46:53 | 読書
アントニー・レジューン 小林晋訳「ミスター・ディアボロ 」扶桑社ミステリー(2009/8)

1960年の作品の初訳.この作者の本格ものはこれ一冊だけとのこと.
ディアボロは「悪魔」のことで,このミスター・ディアボロが神出鬼没.まず最初に不可解現象ありきで,次第に人間模様があぶり出されるあたりの上手さに引きずられた.
密室トリック,消失トリックとも前例があるもの.記述はフェアだから最終章の手前で一服して,犯人当てをすることもできそう.

舞台は休暇中の大学を会場とする学会.登場人物による会話もなかなか知的.某教授の「われわれがすべきなのは,若者が現代社会を見通すことができるように教育することで,現代社会に適合させることではない」という発言が記憶に残る.最後のちょっとしたハッピーエンドもいい感じ.
訳者による解説も力作.

浅草オペラ 田谷力三のディアボロ,ディアボロという唄が,読書中バックミュージックみたいに頭の中で鳴り響いた.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続 西安にて...

2009-09-11 08:28:24 | エトセト等
Workshopというと,テーマごとに少人数に分かれてごちゃごちゃやるのが主流かもしれないが,今回のは単一会場で次々にしゃべるという,Conferenceスタイル.英語の苦手な中国ではこうなるのだろうが,日本人にとってもありがたい.

会場にはずらりと花が並んでいて,テーブルには蓋付きの湯のみに入ったお茶が並んでいる.
初日こそ満席だったが,しだいに中国人は減少.三日目となると残っているのはエスケープしたくても,公共交通機関の乗り方すら分からない外人ばかり.食事も遠足もバスで出かけるので,外人の参加者はほとんど外の空気に触れていないのだ.

写真はバンケットだが,宴途中にして はやくもややもてあまし気味.このように遠足とバンケットは充実しているが,日程が急に短縮されたり,プログラムが直前まで分からなかったり,ポスターを貼るための画鋲・テープの類いが用意されていなかったり...と,Workshopそのものの運営は大雑把.朝830に始まるが,コーヒーブレイク,ランチブレイクがたっぷりすぎて,会場のホテルに宿泊していれば,部屋でネットしたり (回線は遅い!) 昼寝をしたりできるが,外のホテルの人は時間を持て余している.

タイトルはInternational Workshop on Ultra-Short Electron & Photon Beams: Techniques and Applications.
話題の主流は電子線回折,FEL,レーザーコンプトン,テラヘルツ光,モノサイクル的レーザーといったところ.韓国のレーザー加速の講演を聴いて,この分野では日本は追い抜かれたと感じた.救いは,実質的なリーダーのNasr君がかって東大・上坂研で学んだことだろう.
あのころは日本がこの分野のトップランナーだったのだ.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

TeX on Mac

2009-09-09 08:14:11 | エトセト等
MacBook Pro の TeX 不調.

かってのTeXのインストールでは,ターミナルからずいぶんややこしいことをした記憶があった.今回はあっさり行ってしまった.またどうすれば良いかと,ネットを漁らなくても良いように,記録しておこう.

要するにMacTeXという巨大パッケージをダウンロードすれば良いのだ.

英文ならそれで十分だが,日本語作成のためには小川弘和さんのページに行き,旧パッケージpTeX(sjis) + JMacros package for MacOSX (ppc/intel) をダウンロードする.

くわしいやり方が LeopardでTeX というページに親切に書いてあるのを後から発見した.試行錯誤をして損した気分になった.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西安にて...

2009-09-08 07:15:27 | エトセト等
物理のワークショップで西安に来ている.

参加費が350ドル/4日で高いと思ったが,3食付きで 毎食おいしくて食べきれない.朝昼は会場のホテルだが,夕食はダウンタウンに繰り出す.
初日は西安飯荘.ウェイトレスがアルコールをどんどんついでくれる.青島ビール・赤ワイン・白いどぶろくのような甘酒のような暖かいお酒の三種類.日本で食べなれた中華料理とはかなり違うものも出てきた.甘いものが出てもう終わりかと思うとこれが中休み.餃子の種類が多い.
食欲旺盛なはずの若い人がいても盛大に食べ残した.
今晩のバンケットが楽しみ...というより,恐ろしい.

ここはかっての唐の都 長安.地下に文化財が埋もれているためとかで,地下鉄がない (只今工事中).そのかわり?主要道路は片側3車線.ここでタクシー・バス・乗用車plus自転車・その他よく分からない乗り物がレースを展開している.車線なんてあってなきがごとし.逆走するものもある.ナンバープレートのない車も!
横断歩道はあるが歩行者要信号はなし.どこでも自己責任で渡っているらしい.道の真ん中でたち止まって携帯でわめいているやつの両脇を車がどんどん通り過ぎたりする.

バス・タクシーでは最前列に座ってスリルを楽しんでいるのだが,4時間ほどの経験では事故を見かけたことは一度もない.
すごい運転技術とすこい歩行技術!
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

玉葱たち 裏から・表から

2009-09-07 08:57:07 | お絵かき
すぐに吊るせるように縛った玉葱をいただいた.軒先にぶら下げて,透明なアクリル板 (すなわち CD ケース)の両面に,光の当たる側と影の側から描いてみた.こっちからは見える個体が,反対からは部分的にしか見えなかったりするところがおもしろい.

この絵をみた方の反応.
「わーきれい.すごーい.でも,なに? これ.」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サラサーテ10月号

2009-09-05 08:29:48 | 新音律
9月1日に発売になったサラサーテ10月号の特集が「音程の秘密」で,ここに依頼されて書いた物理の記事が出ている.
本に書いたことのダイジェストを...というお話だったので,2/3はその通りだが,初めの1/3にはあまり音程に関係のないことも書かせていただいた.実はすでにブログに載せた
弓で弾く
ボウイングのメカニズム
ボウイングとピチカートのスペクトル
その他の内容を流用した.とは言え,紙面の関係で,ブログのほうが詳しく書いてある.

平島達司「ゼロビートの再発見」復刻版(株)ショパン(2004 原版は東京音楽社 1983) は
「ヴァイオリンやトランペットは平均律で鳴っているか」
という小見出しで始まっている.
サラサーテはヴァイオリンをはじめとする,弦楽器を弾く人の雑誌.記事を書いてみて,平均律だの古典音律だのという議論は鍵盤楽器 でなければ切実ではないことを実感した.

本の中で「鍵盤楽器やフレットがある弦楽器はデジタル楽器」と分類したら,ご不満な方が多かった.
それはそれとして,アナログ弦楽器では,調弦の許す範囲ならどんな音律も可能なはず.でも日常音楽に慣れているためか,16音律とか17音律とかを弾くつもりでも,12音律に近似して弾いてしまうように思う.インドやアラブの音律でフレット弦楽器が主流なのは理由があるのかもしれない.

横書きの原稿を提出したが,印刷された活字は縦組みで,自分が書いたんじゃないみたい.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コード進行のエントロピー?

2009-09-03 06:44:26 | 新音律
この切手のお方はボルツマン.どこまでが髭でどこまでが顎てあろうか.でもこの先生は本文と関があるような ないような.熱力学のエントロピーと情報理論のエントロピーの関係は,ぼくには難しすぎる.

情報理論のエントロピー (シャノンのエントロピー) は,平たく言えばニュース性の尺度である.
「犬が人に噛み付いてもニュースにならないが,人が犬に噛み付けばニュースになる」というが,前者に比べて後者のエントロピーは大きい.

これを作曲 (と行きたいが,あまり大風呂敷を広げると具体性に欠けるので,話題をせばめて) 例えばコード進行にあてはめると,II-V-I みたいなありふれたものはエントロピーが小さいが,テンションを多用したり,コード進行そのものを崩したり・無視したりするとエントロピーが大きくなる.エントロピーが小さい音楽は良く言えば癒し系・悪く言えば退屈で,エントロピーが大きいのは劇的で,行き過ぎると頭が痛くなったりする.

エントロピーを音楽に持ち込もうとすると,相手は時間芸術なので,「時系列解析」が必要である.ネットを探したら,10年以上前にエントロピー時系列による音楽の解析とその変曲・作曲への応用(音楽情報科学15-7,1996 : 無料でダウンロード出来た!) という論文が書かれていた.著者は鹿児島大学理学部物理学科(当時)の井上政義先生で,ご専門は複雑系.この論文で採り上げられているのは,ジャズではなくてバッハである.

曲にはリズムもハーモニーもあるし,微視的には音符のつながりでも,大きな構成として反復とか変奏とかがある.例に採り上げた曲をどのような切り口で簡単化して解析するかが問題だ (複雑系を応用するには簡単化が必要!).井上論文は主旋律を作る高さの系列だけに注目して「音楽の秘密はカオスの縁のまわりの 1/f ゆらぎ」という説得力のある結論を導いている.

この手法でジャズを解析したら...とも思うが,そんな暇があったらジャズを聴くなり,演るなりしたほうがましか...という気もする.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

節だらけの額縁

2009-09-01 11:04:32 | お絵かき
J 子の新作用に額縁制作.ホームセンターに節だらけの角材を発見.これも面白い,第一安いと購入.J 子の好みに合わせて黒く塗ったら,火事場から焼け木杭を拾ってきたような風情.

安いだけあってまっすぐでない.微妙に曲がった4本を組み合わせた結果は,4辺がすべて外側にたわんだ,樽最中 (西条銘菓です) 状の額縁に四角い絵が納まる結果となった.こちらが全容だが,たわみぶりが残念ながらこの写真ではわからない.


9/1-6 広島二紀展 東広島市立美術館に,出品しています.

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

reading

/Users/ogataatsushi/Desktop/d291abed711d558e554bf7af66ee57d7.jpg