路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【HUNTER2021.12.06】:日本維新の会のおかしな「規約」|代表選は大阪偏重

2021-12-14 06:24:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【HUNTER2021.12.06】:日本維新の会のおかしな「規約」|代表選は大阪偏重

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.12.06】:日本維新の会のおかしな「規約」|代表選は大阪偏重 

 大阪市長である松井一郎代表の続投か、新しい代表選出かで揺れていた日本維新の会が28日、大阪市内のホテルで臨時党大会を開催し、代表選についての賛否を募った結果、松井氏の続投支持という形で決着した。

 日本維新の会の規約は、国政選挙や統一地方選挙などの大型選挙ごとに代表を見直すことを定めており、松井氏の任期が来年1月に迫る中、代表選の行方に注目が集まっていた。その日本維新の会の「規約」には、他に例のない大阪偏重の条項がある。

◇  ◇  ◇

 10月の総選挙で41人もの当選者を出した際、松井氏は「代表選挙をやってほしい」と述べ身を引く姿勢をみせていたが、後継の「本命」でとみられる副代表で大阪維新の会代表の吉村洋文大阪府知事は「松井氏に継続して代表をやってほしい。だが松井氏も頑固なので難しい。ただ自分が日本維新の会代表選挙には出ません。私も頑固なので」と話し、次期代表の座は混とんとしていた。

 混沌といっても、代表候補は「大阪維新」の意に沿う人間に限られる。大阪以外から選出されている日本維新の会の国会議員が、こう解説する。
「まあ、代表選といっても大阪組しか立候補できないんですがね。日本維新の会には、他の党にはない変わった規約の条項がありますから、大阪以外の人が簡単に代表選挙に出馬することはできません」

 規約の問題の項目というのが『立候補にあたっては、第23条で定める地域政党の推薦を要するものとする。なお、地域政党の推薦が複数となることを妨げるものではない』という一文だ。つまり、日本維新の会の代表選挙に出馬しようとすれば、大阪維新の会の推薦がなければ立候補できない仕組みなのだ。(下が日本維新の会の規約。赤いアンダーラインはハンター編集部)

 地域政党が、国政政党の代表選挙にかかわり、しかも推薦が必要という摩訶不思議。さすがに臨時党大会では、代表選挙を実施するか否かの採決前の議案で問題の「推薦」条項は改正された。しかし、副代表についての『少なくとも1名の副代表を、大阪維新の会の中から選任するもの』という条項は残っており、さらには『常任役員会は、常任役員と非常任役員で構成し、常任役員は、代表、代表代行、副代表、幹事長(中略)大阪府議会議員団の長、大阪市会議員団の長、堺市議会議員団の長及び大阪府内市町村議会議員・首長団の長の職にある者』といわば「大阪が一番や!」という条項もそのままとなっている。

 その点について、ずばり語っているのが維新を全国区に押し上げた橋下徹元大阪市長だ。11月21日から22日にかけて、橋下氏はツイートを連発していた。

 “大阪維新の感覚を維新国会議員団に注入しないと。笹川さん(維新所属の大阪府議)世代が維新の中核。維新の先輩として維新国会議員団を指導してください!”

 “維新国会議員団が大阪維新の下部組織であることが崩れていないか?国会議員は赤絨毯を踏んで勘違いしてきたのでは?僕が代表の時は大阪維新が維新国会議員団の上部・指導団体であることは当然のことだった。国会議員は上部団体に行きたいなら国会議員を辞めて大阪の地方議員になれ!”

 “維新国会議員団の中に大阪維新の会の価値観の優位性に疑問を持っている国会議員がいるようなので、大阪維新はこのような国会議員をしっかり指導して欲しい。大阪維新の価値観や実績が維新国会議員団より上回るのは当たり前そこに疑問を持つなら維新を辞めるべき”――「大阪が一番や」が持論なのは分かるが、ここまで激しいと他県の人は引いてしまうだろう。

 前出の国会議員はこう嘆く。

 「橋下さんは『代表選挙はすべきである』という内容をツイートしていた。だが、大阪維新の人間が他県の国会議員よりも上と断定するツイートを連発したことで、『松井市長か吉村知事に代表をやってほしいんだろうな』と感じました。もし代表選挙をやるべきと意思表示したら、松井代表や橋下さんにケンカを売っているとみられてしまいますよね」

 国政政党も地方政党も上下はない、フラットな組織と提唱してきたのは維新ではなかったか。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治 【政局・日本維新の会】  2021年12月06日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【交通費問題】:「税金のシロアリ」「やる気なし」は維新!/12.06 足立康史が橋下徹とのバトルで “セルフ領収証OK”は「松井代表の決定」と証言

2021-12-14 06:24:00 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【交通費問題】:「税金のシロアリ」「やる気なし」は維新! 足立康史が橋下徹とのバトルで “セルフ領収証OK”は「松井代表の決定」と証言

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【交通費問題】:「税金のシロアリ」「やる気なし」は維新! 足立康史が橋下徹とのバトルで “セルフ領収証OK”は「松井代表の決定」と証言

 またも日本維新の会文書通信交通滞在費文通費)をめぐって吠え散らかしている。

 発端は3日、自民党が文通費の支給にかんして臨時国会での法改正を見送る方針であると報じられたこと。この報道に、維新の副代表である吉村洋文大阪府知事はさっそくTwitterにこう投稿した。

文通費問題で「税金のシロアリ」「やる気なし」は維新! 足立康史が橋下徹とのバトルで セルフ領収証OKは「松井代表の決定」と証言の画像1

日本維新の会HPより

〈こんなの国民の税金に群がるシロアリだよ。なんで税金から支給される経費の「文通費」に領収書つける程度の法改正すらできないの?自分達は特権階級。国民が納税する時も領収書不要の経費を認めよ。滅茶苦茶だ。〉

 この投稿には「吉村知事の言うとおり」「日本を良くできるのは吉村知事しかいない」などと絶賛する意見が寄せられていたが、よくもまあ吉村知事は「国民の税金に群がるシロアリだよ」などと言えたものだ。

 本サイトでは繰り返し指摘しているように、吉村知事は衆院議員時代、月はじめに辞職届を提出したことにより在職期間たった1日で文通費を満額100万円受け取っていた。しかも、文通費をもらったと思われる前後に、橋下徹松井一郎を前にして吉村氏は文通費に言及して「もうちょっと内緒にしといてもらったら(笑)。あれ、完全に第2の財布ですからね」などと語っていた(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2021/11/post-6077.html)。さらに、吉村知事や維新・党本部はいまだに吉村氏が受け取った問題の100万円の使途を公開していない。「国民の税金に群がるシロアリ」なのはどこのどいつだ、という話だろう。

 だが、どこまでも面の皮が厚い維新の連中は、吉村知事と同様、ここぞとばかりに攻撃を開始。維新の代表である松井一郎・大阪市長は〈結局、自民党も立憲共産党も文通費改革やる気無しって事です〉と投稿し、党人事で政調会長となったばかりの音喜多駿・参院議員もブログで〈採決や改革をしたくない野党第一党・立憲民主党も与党とは共犯関係〉〈自民党と立憲民主党にやる気なし〉と主張したのだ。

 まったく、どいつもこいつも維新の連中は恥知らずとしか言いようがない。そもそも、自民党が法改正を見送る方針を固めたと報じられたのは、3日に自民の高木毅・国対委員長が立憲民主党の馬淵澄夫・国対委員長、維新の遠藤敬・国体委員長とそれぞれ会談をおこない、馬淵・遠藤両氏が文通費の使途公開を求めたことに対し、高木氏が「まず日割りで法改正し、使途公開などはそれから議論すればいいと提案したが、理解を得られなかった。臨時国会は断念せざるを得ない」と述べたためだ。つまり、自民党が使途公開を義務付ける法改正を蹴ったというのに、松井代表や音喜多政調会長は与党・自民党だけを槍玉に挙げるのではなく、なぜか野党の立憲まで「やる気なし」「共犯」だと攻撃したのだ。

 こちらも本サイトでは繰り返し指摘してきたが、ようするに維新は結局、文通費問題で自民と真正面から対決するのではなく、野党攻撃をしたくてたまらないだけだというのが浮き彫りになったかたちだが、はっきり言って「やる気なし」なのは維新のほうだ。

 ◆維新はセルフ領収書への批判を認識したうえで、残金の国庫への返納を拒否

 まず、吉村知事をはじめ維新の議員は「領収書つける程度の法改正すらできないの?」などと言い、維新が使途を公開していることを盾にして、自分たちがさも「クリーン」であるかのように振る舞っているが、馬鹿も休み休み言え。

 たしかに「領収書の公開」は公費の流れを透明化するという意味で当然おこなわれるべきものだ。だが、維新がHP上で公開している文通費の使途報告書を見ると、議員が自分が代表を務める政党支部や資金管理団体に寄付するという「セルフ領収書」が平然と横行。そして、維新議員の2020年分の政治資金収支報告書を見ると、文通費を横流しした先の政治団体では新興宗教団体への講習会費や飲み食い代、維新の地方支部・議員への会費・寄付に流れていた。

 また、音喜多政調会長にかんして言えば、2020年10月分の文通費の使途報告書では10月31日に58万6590円を自身が代表の資金管理団体「音喜多駿後援会」に寄付しているが、一方、「音喜多駿後援会」の政治資金収支報告書を見ると、10月31日の音喜多氏自身からの寄付は41万3590円となっており、寄付されたはずの17万3000円が消えている。無論、実際には寄付していながら収支報告書に記載していないのならば、政治資金規正法違反の不記載に当たる可能性がある(詳しくは過去記事参照→https://lite-ra.com/2021/11/post-6085.html)。

 つまり、「領収書つける程度の法改正すらできないの?」などと言いながら、維新は吉村氏の疑惑の100万円の使途も公開せず、さらには「セルフ領収書」によって文通費が実際にどんな使われ方をしたのかを見えなくさせているのが実態なのだ。

 しかも、絶句することに、維新はいまだにこの「セルフ領収書」を改めようとせず、改正案でも「セルフ領収書」を是認しているのだ。

 実際、3日に維新が衆院議院運営委員会理事会に提示したという「文書通信交通滞在費の改革について」という文書では、維新は自ら「セルフ領収書」について〈「残金がある」なら自分の政治団体に寄付するのでなく国庫に返納すべきではないかとのご批判があるのは承知しています〉と記述したうえで、こうつづけている。

〈政治団体に寄付をするのは「残金がある」からではありません。文通費が想定する使途の範囲が法文上明確になっていない中、当該政治団体と一体性が高いと考えられる支出を広く団体に寄付し団体それぞれの収支報告書を通じて「国民の不断の監視と批判の下に」(政治資金規正法1条)置くことが同法の求める義務(罰則付き)だからなのです。〉
〈今後は、新たに創設する文通費専用の政治団体に全額を寄付し、文通費の使途が見えなくなるという問題を解消したいと存じます。そして年ベースで残金がでれば、歳費のカット分と同様、党本部を通じて医療関係者等への寄付に充てる所存です。〉

 批判があるのを承知しているのなら、そして「身を切る改革」を掲げるのであれば、当然、「セルフ領収書」を禁じ、残金は国庫に返納すればいいだけだ。だが、維新はそれをしようともせず、この期に及んでも自前の政治団体への還流を認めようというのだ。

 繰り返すが、前述したように維新の議員は自分の政治団体に文通費を横流しして政治資金に化けさせ、その政治資金を新興宗教団体への講習会費だの飲み食いだのといった支出に使っている。こんな金の使い方をしている連中が文通費専用の政治団体に寄付したところで、同じような不適切な支出が起こる可能性は十分考えられる。ようするに、維新の改正案というのは、結局は文通費という自分たちの既得権益を守ろうとしているだけのシロモノなのだ。

 ◆足立康史は政治団体寄付=セルフ領収書の是認を「党(国会議員団←松井代表)の決定です」と開き直りコメント

 しかも、問題なのは、この「セルフ領収書」を禁じようとしないのは、どうやら松井代表の方針だということだ。

 というのも、立憲の小西洋之・参院議員がTwitterで〈維新案は批判の多い「文書交通費の政治団体への寄付」ができるままになっている。これでは「余ったお金」は殆んど生じないだろう。(全部、政治団体に寄付すればいい)国民を欺く骨子案ではないかと思う〉と指摘したところ、維新の東徹・参院議員が〈小西さん、政治団体への寄付はありませんよ。ご確認下さい〉とツイート。すると、この投稿を橋下徹が引用リツイートし、こうコメントしたのだ。

 〈東さん、足立議員が政治団体への寄付を認めるように猛抵抗していますよ。彼はこれまで誰にも注目されなかった自分の支持者ばかりのネットの世界で政治団体への寄付を正当化し続けてきたので、今更格好悪くて修正できないのでしょう。典型的な官僚気質です。〉

 橋下氏といえば、この間、維新の足立康史・衆院議員とTwitter上でバトルを繰り広げてきたが、足立議員は過去に文通費を自身の政治団体に寄付し、その政治団体では橋下氏の講演料約200万円を支出していたことも判明。このように、両氏のバトル自体「どっちもどっち」としか言いようがないのだが、ともかく橋下氏は「セルフ領収書」を死守しようとしているのは足立議員だと批判したのだ。

 だが、この橋下氏の批判に対し、足立議員は4日、こうツイートしたのだ。

 〈視聴者を気にして判断が鈍ってるのは、橋下さんです。私が気にしてるのは党の未来。視聴者を気にしてるのは橋下さんだけ。今更格好悪くて引けないのは橋下さんの方ですね。 それから、丁寧に教えて差し上げますが、政治団体寄付は党(国会議員団←松井代表)の決定です。〉

 つまり、足立議員のツイートによると、問題の「セルフ領収書」を是認したのは、「身を切る改革」を掲げ、立憲を「やる気なし」などと攻撃していた松井代表その人だと言うのである。

 松井代表はくだんの〈結局、自民党も立憲共産党も文通費改革やる気無しって事です〉というツイートに対し、立憲の泉健太代表が〈うーん、むしろ①国庫返納 を打ち出さず、国会内での本気度を感じられないのは維新さんでは?〉〈立憲民主党の文通費改革は①国庫返納②使途の報告③日割化 で、来週からの臨時国会で法案提出予定〉と反論すると、〈泉さん、逃げないで下さいね。徹底的にやりましょう〉〈泉さん、万が一自民党に拒否された場合は維新、立憲、所属議員は自ら領収書公開だけでも実施しましょうね。ご返事待ってます〉などと投稿。このように松井代表はあたかも改革の先頭に立つのは維新だと強調してばかりいるが、その実態は「セルフ領収書」を是認するようなシロモノでしかないのだ。

 だが、松井・吉村両氏は我が身を振り返ることもなく、ブーメランが刺さっても恥を恥とも思わず野党攻撃を繰り出し、「国民の税金に群がるシロアリ」などと扇情することで大衆の支持は得られると踏んでいる。そして、吉村氏や松井氏の主張をメディアが大々的に報じ、「維新は改革政党」などという虚偽のイメージだけがどんどん強化されていく一方だ。維新のこの茶番劇を、メディアは一体いつまでアシストしつづける気なのだろうか。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 社会 【社会問題・日本維新の会文書通信交通滞在費文通費)をめぐって吠え散らかしている】  2021年12月06日  10:42:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【東京地裁・12.05】:伊藤詩織氏への名誉毀損は敗訴したはすみとしこ氏だけじゃない、杉田水脈議員も! ■維新・足立康史議員は山口敬之氏と…

2021-12-14 06:23:50 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【東京地裁】:伊藤詩織氏への名誉毀損は敗訴したはすみとしこ氏だけじゃない、杉田水脈議員も! ■維新・足立康史議員は山口敬之氏と…

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東京地裁】:伊藤詩織氏への名誉毀損は敗訴したはすみとしこ氏だけじゃない、杉田水脈議員も!  ■維新・足立康史議員は山口敬之氏と…

 ジャーナリスト・伊藤詩織氏が、ツイッターに投稿されたイラストなどが名誉毀損にあたるとして、漫画家のはすみとしこ氏らを提訴していた訴訟で、11月30日東京地裁は、はすみ氏に88万円、リツイートした2名に11万円ずつの賠償支払いを命じた。

 伊藤さんは、安倍首相と昵懇の元TBS記者・山口敬之氏から意識がないなかで性行為を強要されたとして訴えるが、山口氏に対する逮捕状は直前で取り消され、書類送検されるも不起訴処分となっていたが、1100万円の損害賠償を求めた民事訴訟で2019年12月に勝訴している(山口氏は控訴)。

伊藤詩織氏への名誉毀損は敗訴したはすみとしこ氏だけじゃない、杉田水脈議員も! 維新・足立康史議員は山口敬之氏と…の画像1

伊藤詩織『Black Box』より

 その際の会見で、伊藤さんが被害を実名顔出しで告発して以降、自身に向けられた「セカンドレイプ」の誹謗中傷について、今後の法的措置を検討すると明言し、昨年6月にはすみ氏らを提訴していた。また昨年8月に誹謗中傷ツイートに「いいね!」をした杉田水脈衆院議員も名誉毀損で提訴している。

 はすみ氏は、一連のイラストについて「風刺画はフィクション」「伊藤さんとは無関係」などと主張していたが、本サイトでも指摘してきたように、イラストは明らかに伊藤さんを誹謗中傷したもの。しかも、そこに書かれた文言は山口敬之氏が「Hanada」(飛鳥新社)2017年12月号で展開した伊藤さんへの悪意ある攻撃を下敷きにしたものだった。

 また、はすみ氏は山口氏が不起訴処分になったことなどを挙げ、伊藤さんの訴えが虚偽にあたると信じる相当の理由があると主張したが、裁判長は「(不起訴の)理由が明確ではないことを踏まえると、性被害の不存在を認めるに足りる事実とは言えない」と指摘、名誉毀損にあたると判断した。

 近年の名誉毀損の高額判決に比べれば金額が低いところは気になるが、名誉毀損との判断は当然だろう。

 日本では、女性が性被害やセクハラ被害を訴えると、必ずと言っていいほど、SNSなどで「ハニートラップだ」とか「売名行為」などというレッテル貼りが行われる。「そんな服を着ているからレイプされてもしかたない」というような、愕然とする言葉すらまかり通るほどだ。そうした「セカンドレイプ」の暴力によって、被害者は傷つき、沈黙を強いられ、社会も性被害の問題をタブー化してしまう。そんななか伊藤さんの告発は、この現状に一石を投じ、社会を改善へと向かわせるものとして、本サイトはその勇気を全面的に支持したい。

 ◆はすみ氏に同調して伊藤氏を攻撃、山口敬之擁護していた杉田水脈議員ら自民党・安倍親衛隊議員の責任

 しかし、伊藤さんに対してこうした卑劣な攻撃・二次加害を仕掛けてきたのは、はすみ氏だけではない。

 じつは国会議員までが山口氏を擁護し、はすみ氏と同様の論理で攻撃してきたことを忘れてはならないだろう。

 その典型が、「性的マイノリティには生産性がない」論文で知られる極右性差別主義者の杉田水脈・自民衆院議員だ。杉田議員は、伊藤さんに対する誹謗中傷ツイートに「いいね!」を押したことが名誉毀損にあたるとして、昨年8月に提訴されており、その裁判の行方にも注視したいが、杉田議員の伊藤さんに対する攻撃はそれだけではない。

 杉田議員は、はすみ氏に当選運動に協力してもらい、ブログTwitterはすみ氏に謝辞や誕生日祝いのメッセージを送っている昵懇の仲だが、BBCの番組に出演した際、「彼女の場合はあきらかに、女としても落ち度がありますよね」と伊藤さんを貶める発言をしている。

 また、杉田議員は2018年2月にも、『日本の病巣を斬る!』なるネット番組で、そのはすみ氏と共演し、「私はああいう人(伊藤さんのこと)がいるおかげで、本当にひどいレイプ被害に遭っている人たちのことが、おろそかになってしまうんじゃないかっていうようなことをね、(BBCに)言いました」などと自慢げに語っていた。

 この『日本の病巣を斬る!』には同じく自民党長尾敬・前衆院議員が出演して、その主張に同調していた。長尾・前議員といえば、例の「泉放送制作デマ」のフェイクニュースを拡散するなど、これまた筋金入りのネトウヨ議員だが、杉田議員から「これね長尾先生、国会でやるでしょ?」と振られると「ハハハ、これね(笑)。おかしいよね」と応じていた。

 しかも、長尾・前議員は会社員時代に「60代ぐらいの女性はしょっちゅう抱きついていた」などと笑みを浮かべて語り、「だんだんスキンシップの仕方が変わってきて、相手次第でゾッとするようなやりとりになるっていうのは世知辛い」「受けている側の恣意的なことで全部それが進んでいきますから法的に」などとセクハラの正当化とも受け取れる問題発言まで繰り出していた。

 ◆維新・足立康史、ネトウヨ議員・和田政宗は、山口敬之氏の「不起訴相当おめでとう会」に…

 グロテスクな対応をした国会議員はほかにもいる。

 山口敬之氏は『日本の病巣を斬る!』と同じ「文化人放送局」の『報道特注』の準レギュラーだったが、2017年9月に伊藤さんが検察審査会に申し立てていた審査について「不起訴相当」の議決がなされた翌10月、『報道特注』の「第一回ファンクラブ公開収録」なる企画に参加して“復帰”した。

 その会で山口氏を出迎えたのが、同番組で山口氏と共演していた自民党の“安倍チル”ネトウヨ議員・和田政宗参院議員と、維新の会足立康史衆院議員、経済評論家の上念司氏、自民党のネット番組のレギュラーも務めていた生田よしかつ氏だった。
 
 この「第一回ファンクラブ公開収録」で、山口氏が「僕、人前に出るのすごい久しぶりなんで」とあいさつすると、会場からは気持ちの悪い笑いと拍手がわいた。続いて司会の生田氏がこう呼びかけると、詰め掛けた「ファン」は一層大きな拍手を送ったのだった。 

 「はからずもですけど、今回の公開収録はですね、もちろん足立さんの当選記念と、めでたく日の目をみられるようになった山口さんの"おめでとう会"でもございますので、もう(一度拍手を)お願いします」

 確認しておくと、この時点で山口氏は伊藤さんと民事で係争中である。そんな人物を「めでたく日の目を見られるになった」とか「おめでとう会」などと言って持ち上げる神経を疑うが、山口氏もこれに乗っかって「もし、知らない方がいたら、ネットなど検索しないでおいていただけると(助かる)」などと話し、会場のグロテスクな笑いを誘っていた。

 2019年12月に民事訴訟で伊藤さんの主張が認められると、上念氏はTwitterに〈私も山口さんをこれまで擁護してきたことについて責任があるので、アベプラ出演前にコメントしておきます。結論から申し上げて、この判決を受けて山口さんを擁護するのは難しいと思いました〉などと投稿。足立議員も〈山口氏とは、2016年7月東京地検、17年9月検察審査会を経て不起訴が確定したため、その翌月に番組をともにした経緯がありましたが、本判決を踏まえ、当面、同番組への出演は自粛することといたします〉と投稿した。しかし、そこに伊藤氏への謝罪なし。さらに、和田議員にいたっては、完全に知らんぷりを決め込んでいた。

 そう考えると、はすみとしこ氏のイラスト問題は、彼女個人の問題ではないことがよくわかるだろう。与党の政治家までもが、はすみ氏のような漫画家に同調しているという事実を重く受けとめなければ、人々が性犯罪に苦しむ社会を変えることなどできないのは間違いない。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【差別・ジャーナリスト・伊藤詩織氏が、ツイッターに投稿されたイラストなどが名誉毀損にあたるとして、提訴していた訴訟】  2021年12月05日  09:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【吉村大阪府知事】:“文通費”改正見送りに怒り「国民の税金に群がるシロアリだよ」/12.03

2021-12-14 06:23:40 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【吉村大阪府知事】:“文通費”改正見送りに怒り「国民の税金に群がるシロアリだよ」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【吉村大阪府知事】:“文通費”改正見送りに怒り「国民の税金に群がるシロアリだよ」 

吉村大阪府知事(東スポWEB)(東京スポーツ)

 元稿:東京スポーツ新聞社 東スポ WEB 主要ニュース 社会 【話題・国会議員に月100万円支払われる文書通信交通滞在費(文通費)の改正事案】 2021年12月03日  21:33:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大阪府】:「在職1日で100万円」に続き吉村知事にまたブーメラン!/12.03 ■パソナに丸投げでコロナ協力金大幅遅れの税金無駄遣いを棚上げし、岸田クーポン批判

2021-12-14 06:23:30 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【大阪府】:「在職1日で100万円」に続き吉村知事にまたブーメラン! ■パソナに丸投げでコロナ協力金大幅遅れの税金無駄遣いを棚上げし、岸田クーポン批判

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪府】:「在職1日で100万円」に続き吉村知事にまたブーメラン! ■パソナに丸投げでコロナ協力金大幅遅れの税金無駄遣いを棚上げし、岸田クーポン批判

 文通費問題では火付け役になりながら、自身も「在職期間1日で100万円」を受け取っていたことが判明するという特大ブーメランが刺さったばかりの吉村洋文大阪府知事。だが、最近もまたブーメラン発言をおこない、ツッコミが殺到している。

「在職1日で100万円」に続き吉村知事にまたブーメラン! パソナに丸投げでコロナ協力金大幅遅れの税金無駄遣いを棚上げし、岸田クーポン批判の画像1

大阪維新の会公式サイトより

 岸田政権は18歳以下の子どもに対する10万円相当の給付を決めたが、そのうち5万円分をクーポンで支給するのに967億円の事務費がかかることが判明。一方、現金給付の事務費は280億円で、「クーポンにかかる967億円が無駄すぎる」「その金で生活に困っている人を支えることもできるのに」「全部現金で給付すべき」と非難の声があがっているが、問題は吉村知事も口を挟み、「完全な愚策だ。やめてもらいたい」と言い出したことだ。

 「政策の理念が見えず、クーポンにする必要がよく分からない。それだったら現金10万円の一括給付にして、900億円は経済的に厳しい人に給付するほうがいい」
「巨額の財源、みなさんの税金を使うわけだから、納得感はいると思うが、その納得感が得られない。考えなくてはいけないのは、どれだけ財源を使っているのかという感覚だ」

 たしかに吉村知事が言っていることは正論だ。しかし、ネット上では「それをお前が言うか」というツッコミが入ったのだ。

 というのも、吉村知事自身も、税金や市民から集めた寄付金を到底納得できないような使い方をしてきたからだ。

 その最たる例が、コロナ下で営業時間の短縮に応じた飲食店などに対する「時短協力金」をめぐる事務費と支給の大幅な遅れだ。

 大阪府は今年1月に時短協力金の支給業務についてパソナと随意契約し、当初の予算額は3月末までで約6億8000万円だった。しかし、緊急事態宣言の期限が延びたことで予算も膨れ上がり、今年6月末までで20億8000万円に増額。もちろん、7月以降も費用が発生している。

 だが、これほどの予算をかけながら、大阪府では「時短協力金が来ない!」という声が続出。今年6月に朝日新聞が調査したところ、1~3月に出された緊急事態宣言の対象となった11都府県のうち、福岡県の99%をはじめ、愛知県や京都府、兵庫県などは90%以上の支給率だったが、一方、大阪の支給率はわずか64%。もちろんこの数字は、11都道府県のなかで最低だった。

 ◆パソナ丸投げのせいで大阪の時短協力金支給はワーストの遅さ!「パソナはノウハウなかった」と内部告発も

 数十億にものぼる事務費をかけているにもかかわらず、支給のスピードは全国で最低……。しかも、この支給の遅れの原因は、パソナに丸投げしたことにあった。大阪商工団体連合会(大商連)が6月23日に大阪府と交渉をおこなった際、府側は遅れの原因について「審査現場を担当する府の職員が2月当初2、3人しかいなかった」と説明。さらに府の担当者は、パソナに委託しているため「(パソナ側に)直接指導することは偽装請負になるためできない」「私たちは委託業者からの相談を受けて判断するという配慮をしている」と述べたという(しんぶん赤旗2021年7月1日付)。

 さらに、この時短協力金の支給業務にかかわっていたパソナの元契約社員が、府に対して意見書を提出。この元契約社員は当時の状況について「2月に書類不備とされた協力金の申請書が、4月になっても放置されていた。3月分の不備書類は手が付けられていない状態だった」「連絡が来ないという業者さんの声もあるが、放置していたから連絡が無かったといえる」とし、また書類放置の背景について「パソナ側が協力金支給のノウハウ(包括電算処理業務の経験)を持っていなかったことが大きな理由」と指摘。そして、「ノウハウが無いのにどのように積算(委託にかかる費用の算出)をしたのか」と、パソナへの委託費用の積算根拠自体にも疑義を呈したというのだ(前出・しんぶん赤旗)。

 業務にあたったスタッフ自身が「パソナ側にノウハウがなかった」「ノウハウがないのにどうやって委託費用は積算されたのか」と疑問を投げかける──。これを税金の無駄遣いと言わずして何と言おうか。

 だが、吉村知事に突き刺さったブーメランはこれだけではない。吉村知事は岸田政権のクーポン事務費問題について、「政策の理念が見えず、クーポンにする必要がよく分からない」と言ったが、吉村知事も現金で支給すればいいものを「メッセージ付きQUOカード」という意味不明の政策を実行した前科がある。

 吉村知事は昨年4月、「(コロナの)最前線で戦っている人を応援したい」と言い出し、ふるさと納税を活用して全国から集めた寄付で基金を創設、コロナ患者に対応する医療従事者やホテル従業員らに「応援金」を配布すると発表した。だが、同年5月からの支給で配られたのは、現金や電子マネーではなくQUOカードやQUOカードPay、そして謎のメッセージカード。そこには「大阪府知事 吉村洋文」の署名で、〈皆様への感謝の気持ちを形にできないかと、大阪府で寄付を募りました〉〈お送りするのはお金ではなく、感謝の気持ちです。ありがとう。感謝です〉などと書かれた吉村知事直筆のメッセージも印刷されていた。

 金券よりも現金のほうがありがたいのは当たり前だが、そもそも人々の寄付で支援金を支給するというのに、まるで吉村知事のPRのようなメッセージカードまで付けるとは……。当然、この贈呈方法の決定には「なぜ現金ではないのか」という疑問の声があがったが、対して吉村知事は「(QUOカードのほうが)早く処理できる」と説明していた。

 ◆自分PRの直筆メッセージ同封するために医療従事者への応援金配布を「QUOカード」に!

 しかし、現金ではなくQUOカードになった理由は、それだけではなかった。毎日新聞の今年5月8日付記事によると、府内の30代女性会社員が情報公開請求で入手した資料には〈「迅速な給付」や「事務負担」と並んで「感謝メッセージ力」というキーワードが決定打として記されている〉というからだ。

 この女性は「note」でこの資料を公開しているが、支援金の贈呈方法を比較・検討した際の資料には、「現金」は〈感謝メッセージ力は小さい〉とし、一方、「金券(QUO等)」は〈メッセージカード同封により、効果大〉と書かれていた。つまり、現金ではなくQUOカードにしたのは、「早く処理できる」だけではなく、吉村知事の成果をPRする例のメッセージカードを同封できるかどうかも決定打になっていたのである。

 支給される側の使い勝手よりも「自分アピール」を優先する。そんな愚策を打った当事者が、よくもまあ5万円クーポン問題で「完全な愚策だ」などと言えたものだ。

 だが、こうした「ブーメラン発言」は吉村知事にかぎったものではない。たとえば松井一郎大阪市長も、日本共産党志位和夫委員長の在任期間の長さを問題にしてきたが、維新は結党以来、代表選を一度もおこなっておらず、先日も松井氏の再選を決めたばかり。

 いや、もっと言えば、松井市長や吉村知事、さらには維新の生みの親である橋下徹も「身を切る改革」を掲げ、“まずは自ら率先して国会議員の既得権益を改革する”ことを強調してきたが、「政党にとって最大の既得権益」「税金の無駄遣い」とも言われ、全国民1人あたり年250円、年間約300億円という文通費以上の税金が投じられている政党交付金については問題視せず。さらに、2020年の政治資金収支報告書によると、維新の収入総額約23億円のうち8割が政党交付金となっており、政党のなかでもっとも政党交付金=税金頼りであることが判明した。つまり、政党本体の存在理由自体にブーメランが刺さっているのだ。

 だが、維新や吉村知事、松井市長らの強みは、こうして数々のブーメランが刺さっても図太く平然とし、自分たちのことは棚に上げて他党を攻撃することでメディアにネタを与え、大衆の歓心を買ってきたことだ。そして、この厚かましいにもほどがある恥知らず集団がいまや勢いを増し、実際には政権与党対決する姿勢など微塵もないというのに反自民受け皿になりつつある。反吐が出るとはこのことだろう。編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 社会 【社会問題・地方自治・大阪府】  2021年12月03日  10:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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【疑惑・11.29】:橋下徹が「れいわ」大石あきこ議員に粘着攻撃で「大石パニックおじさん」の異名!

2021-12-14 06:23:20 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【疑惑】:橋下徹が「れいわ」大石あきこ議員に粘着攻撃で「大石パニックおじさん」の異名!  ■吉村知事の文通費問題を暴いた因縁の相手

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【疑惑】:橋下徹が「れいわ」大石あきこ議員に粘着攻撃で「大石パニックおじさん」の異名! ■吉村知事の文通費問題を暴いた因縁の相手 

 自分たちこそが税金の私物化をしていながら、連日、文通費問題で“身を切るアピール”を喧伝しまくっている維新。“創業者”である橋下徹・元大阪市長も一緒になって、メディアで文通費問題をやたらと取り上げ、維新を持ち上げる一方で、自民党ではなく野党を攻撃し続けてきた。

 だが、その橋下氏がここにきて醜態を晒している。

橋下徹が「れいわ」大石あきこ議員に粘着攻撃で「大石パニックおじさん」の異名! 吉村知事の文通費問題を暴いた因縁の相手の画像1

攻撃を受けた大石あきこTwitter

 橋下氏が自らのの責任や偏向ぶりを指摘されないようアリバイ的に維新の国会議員に対しても批判を始めたところ、橋下氏を維新所属の足立康史衆院議員がツイッターで〈コメンテーターの筋違いの批判〉〈大阪維新の会の応援だけをするとテレビに出れなくなるから、党国会議員団の批判をしてバランスを取ってるのでしょう〉などと、まさにその意図を暴露。これに対し橋下氏が〈世間のことを何も知らない国会議員〉などと応戦し、足立議員が〈経験不足はお互い様。このコメンテーターの限界は〉と反撃する舌戦に発展したのだ。

 さらに、このバトルには元維新の丸山穂高・元衆院議員も入ってきて、〈政党交付金と立法事務費の違いも分からず取り敢えずツイートしてる元知事に言われてもなw はいはい、文句あるなら国会議員の一回でもやってから文句言えよ〉と、橋下氏の口癖を使ってからかっていた。

 丸山・元議員は暴言で維新を除名されているし、足立議員も過去にも橋下氏とバトルになったことがあるうえ、今回は自分たちにふりかかっている交付金の使い方やセルフ領収書の問題をごまかしたいという意図があったのだろうが、元身内の議員に痛いところを突かれ、こんな低レベルなバトルを繰り広げるとは、橋下氏も落ちたものである。

 しかし、橋下氏はその少し前に、もっとひどい醜態をさらしていた。れいわ新選組の大石あきこ衆院議員の維新批判に対し、過剰反応としか思えない攻撃を執拗に繰り返し、ネット上では、橋下氏のことを「大石パニックおじさん」とからかう声まであがるほどの状態になっていたのだ。

 大石議員は先日の総選挙で当選したばかりの新人議員だが、実は、橋下氏とは浅からぬ因縁がある。

 大石議員は元大阪府職員で、2008年橋下氏が大阪府知事に就任し初登庁した日の朝礼で、選挙中から繰り返していた公務員叩きをぶったのに対し、「サービス残業どれだけしていると思っているんですか」と声を上げ、橋下氏の言動について府民と職員の分断だと厳しく批判したことでも知られる。

 その後、大石氏は2018年に大阪府職員を辞め、翌年、府議会議員選挙に立候補して落選するが、その後も維新や橋下氏を批判し続けてきた。そして、今回の衆院選でれいわから立候補して初当選を果たすと、文通費問題でも、維新の“身を切る”アピールにメディアが躍らされるなか、大石氏はツイッターなどで維新や橋下氏への批判を展開。孤軍奮闘を続けていた。

 ◆橋下徹が因縁の相手・れいわ大石議員に執拗な攻撃!公職選挙法無視のデタラメ批判も

 まず、橋下氏が〈立憲民主も国民民主もれいわも共産も起きてまっか?山本太郎さんも4時間で200万円相当の収入を丸取りでっか?丸取りならあんたらの言うこと信用ならんで!〉などと野党を挑発したのに対し、大石議員は〈維新を倒すための戦費として私は100万円でも何でも使います〉と挑発返し。

 さらに、吉村知事自身が「衆院議員在職1日で文書費100万円」を受け取っていた問題の裏を取って、告発したのだ。

 大石議員は15日、ツイッターで〈吉村知事が衆議院議員を退職した2015年10月1日。10月の文通費100万円を受け取ったか、衆議院担当部署に問い合わせたら「100万円受け取った」「返金してない」との回答でした。〉と投稿、維新の姿勢についても〈吉村さんと維新はこの6年間、何をやってたんですか?「やる気がないのに騒いでいるだけ」なのが明らかになりました〉〈吉村知事が1日で文通費100万円もらった件、「6年も前」「記憶があいまい」とおっしゃるんですが、維新HPの文通費報告ページに吉村さんの当該月がありません。小さな話と言うのならば、この件、他党ディスりと本質そらしが目的だったのでしょう〉と喝破した。

 ところが、こうした大石氏の維新へのカウンター、デタラメ暴きに橋下徹は16日になって、常軌を逸しているとしか思えない攻撃を始める。

 吉村氏の「1日で文通費100万円」を大石氏が最初に指摘したという都合の悪い事実には一切触れないまま、前述の〈維新を倒すための戦費〉ツイートだけをあげつらって、〈これがれいわ新選組国会議員の実態〉〈あんたらが使うそのお金、誰が負担してるの?もっと納税者に対して謙虚になれよ!この人、元公務員。こういう人たちは、府市民のことよりも自分たちの待遇向上が第一の傾向あり〉などと秒刻みで反論。

 また〈維新以外の野党はどうなってんの?れいわ新選組の大石議員は100万円は丸々いただくんだって。れいわの非常識度が炸裂!〉と分刻みで同じことを2回連続でツイートした。

 そのあとも、「立民、文書交通費の日割り支給目指す 法案作り議論へ」という「大石」も「れいわ」もまったく出てこない産経の記事をリツイートし、〈法案作りだけ?今回の100万円は丸々ポケットに入れるの?こんな状況で100万円を悪びれもなく丸々いただくと宣言するれいわ新選組の大石議員の異常さ、非常識さが際立つ〉と大石議員を名指しでディスるなど、とにかくなんでもかんでも“大石憎し”で個人攻撃に結びつけようとしているのが誰の目にも丸わかりの状態になっていた。

 しかも、橋下氏は一連の大石攻撃で、完全なデタラメまで垂れ流していた。同じ16日夜ツイッターでこんな投稿をしたのだ。

〈しかも、このれいわ新選組の大石議員。比例でギリギリの当選で、10月31日には当選が確定していない。1日未明に当選が確定。それなのに10月分の文通費100万円を丸取り。0日で100万円!れいわ新選組とその議員の非常識は異常。しかも元公務員。〉

 改めて説明するまでもないが、議員の任期開始はマスコミの打つ当確時間や選管の得票数確定のタイミングとはまったく関係なく、全員一律で選挙期日あるいは前任者の任期満了日翌日と決まっている。

 当たり前だろう。誤報もありうるメディアの報道や地域ごとの開票作業の進捗状況によって、個々の議員の任期期間開始がいちいち左右されていたら、議員の任期制度がめちゃくちゃになってしまう。ところが、公党の代表も務めたことのある橋下氏は大石憎しで、公職選挙法、いや、普通の社会人でもわかるような理屈を無視して、あたかも当確の時間により任期スタートが違ってくるようなデマを平気で拡散したのだ。

 ◆『めざまし8』は大石議員をVTRでだけ出演させ、橋下徹に後出しで批判させ放題

 こうした卑劣で執拗な大石攻撃はツイッター上だけではない。11月18日、橋下氏がレギュラーコメンテーターを務める『めざまし8』(フジテレビ)に大石氏が出演した際のこと。番組では「橋下徹氏と応戦“文通費問題”めぐり」「橋下氏とれいわ議員が応酬」などとテロップが打たれ、ネットニュースなどは、あたかも番組でバトルが起きて、橋下氏が大石氏を論破したかのように報じていたものもあったが、この日の『めざまし8』はバトルでもなんでもなかった。

 橋下氏がリモート生出演しているのに対し、大石氏はVTR出演のみ。大石氏が文通費について「小さい政党なのでお金は必要」「使途を広げたうえで、公開すべき」などと話す映像を見て、リモート生出演していた橋下氏が「制度をわかっていない。もっと勉強しないと」などと、まともな反論ができないときに使ういつものセリフで、一方的に断罪したのである。 

 生出演していれば大石議員は、橋下氏の「勉強しろ」に反論しただろうし、この日番組では一切取り上げられなかった吉村知事の「1日で100万円」問題など橋下氏に都合の悪いことも話しただろうが、そうした機会はもちろん全く与えられなかった。

 実は、当の大石議員も放送の前日夜、こういう一方的な内容になることを予告するツイートをしていた。

〈今日、めざまし8のテレビ取材を受けました。明朝(11/18)、放映予定。取材者によれば「たまたま橋下徹も出演する日」とのこと。たまたまちゃうやろ。笑 質問は「文通費100万円、日割り返金になったらどうする?」など、大政党の腐敗には目を向けてくれなさそうでした。さて明日は何が起きるかな!〉
〈一応補足しておきますと、明日11/18朝8時からの「めざまし8」では、私の出番は今日収録したVTR出演です。スタジオ生放送はダメとのことでした。番組は、大石あきこのVTRを観て、「日本のオピニオンリーダー」橋下徹さんが、スタジオで好き放題パニクる、みたいなものだと思います。〉

 ようするに、大石議員はスタジオ生出演したいと申し入れたが、拒否されたらしい。生放送での大石氏との直接対決を避けたのが、制作側の判断なのか橋下氏の希望なのかはわからないが、そのやり方を見れば、番組サイドがあらかじめ、橋下氏に一方的に大石議員の批判をさせる仕掛けにしようとしたのはみえみえだ。

 しかも橋下氏は、この『めざまし8』での大石議員とのやりとりを「橋下氏は「制度知らない、しっかり勉強を」」とあたかも橋下氏が論破したかのように報じる記事をわざわざリツイート。〈れいわの大石議員は小選挙区ではボロ負け。比例でかろうじて当選。しかも投開票日10月31日の翌日11月1日にやっと当選。これで10月分の経費100万円を受け取る異常さ〉と、前述のデマを繰り返したのだ。

 ◆橋下徹は関係のない企業主催の講演会でも山本太郎・大石あきこ批判

 さらに、橋下氏は最近、なんの関係もない企業の講演会でも、れいわ攻撃、大石攻撃を行なっていた。

 野村不動産ソリューションズのオンライン講演会でのこと。橋下氏は「コロナ禍を乗り越えて日本経済が進む道」というテーマで、11月中旬に1時間程度オンライン講演を行っているのだが、それは岸田政権の新しい資本主義を批判し、竹中平蔵新自由主義を擁護して、“既得権”を批判するといった内容。いまの日本社会は既得権益がはびこっており、一部の人の懐にお金が貯まる仕組みになっているとし、「お金をばらまくにしても血管の中の目詰まりを取ってから、血液を流さないと血管の中を通らない」という。そして橋下氏が言うには、その目詰まりの象徴こそが、なんと「文書通信交通滞在費」だというのだ。

 この人、何を言っているのか。文通費を仮に全面的に廃止したところで、日本の財政改善はもちろん、維新が総選挙で掲げていた給付金の財源にすら足らない。それがどういう理屈で「文通費がなくなれば日本経済がよくなる」ということになるのか。「○○すれば、がんが治る」「○○のおかげで、結婚できました」のようなオカルトレベルの話じゃないか。

 これだけでも意味不明なのだが、さらにこんなことを言い出した。

「あの、山本太郎だけはね、高額所得者からもっと税金取ってそれで困った人に配るんだー!大企業からグーンと税金とってもっと困ってる人に配るんだー!ワンワン言ってるわけですよ。もちろんね、富んでる人が経済的に苦しい方に富を移すっていうのは、所得の再分配政策として当然のことですよ。やらなきゃいけませんよ。それだったら、まずお前からやれって言うんですよ」
「この人たちがですよ、4時間分でもらう100万円、困った人たちに配分しなきゃいけないのに、れいわ新選組の大石っていう国会議員は『100万円、きっちりと使わさせていただきます』と平気で言ってるんですよ。」

 言っておくが、この日の講演は不動産会社のビジネス向け講演会だ。橋下氏の講演料は1時間100万円以上といわれるが、そんな講演でまさか「文通費がなくなれば日本経済がよくなる」とか「山本太郎や大石あきこが金払え」とか安いワイドショーみたいな話を聞かされるとは……。

 しかも、その根拠はめちゃくちゃ。文通費100万円の寄付を「分配」って、この人は国の機能と寄付の違いもわかっていないらしい。

 だいたい、山本太郎に「お前から分配をやれ」と言うなら、橋下氏も講演料を寄付したらいい。今回は民間企業主催の講演会だが、橋下氏は維新の議員から依頼を受けた講演会でも同じく100万円以上の講演料を取っていることが明らかになっている。だとしたら、セルフ領収書によって維新議員の政治団体に流れた文通費が橋下氏の講演会の原資になっている可能性だって十分あるのだ。

 ◆実は、橋下徹と維新は、「れいわ新選組」をもっとも恐れている

 いずれにしても、何の関係もない企業の講演会でまで、わざわざ名前を持ち出して攻撃するほど、橋下氏は大石議員という存在に苛立っているようだ。
 
 いや、大石議員だけではない。橋下氏はこの文通費問題で大石議員から鋭い指摘をされる前から、れいわ新選組山本太郎代表のことを蛇蝎のごとく嫌ってきた。

 総選挙当日の特番でも、山本代表に対して、インタビュー相手なのに話すスキを与えず、所得税率やインボイス制度をめぐって事実とは異なるデタラメを主張しながら、山本氏に対して「詐欺師」と名誉毀損まがいの攻撃を繰り広げていた(山本氏が橋下氏なら名誉毀損で訴えていたかもしれない)。

 これはおそらく、それだけ橋下氏が「れいわ」や山本太郎代表のことを「維新にとって脅威」と考えているからではないか。

 周知のように、公共サービスを削って市場原理主義的な社会をめざす維新にとって、所得の再分配や弱者への社会保障充実を謳う「れいわ」は、政策的に真逆の存在だ。

 ところが、国民に対するポピュリズム的なアプローチは維新と非常に似ていて、橋下氏や吉村知事ら維新系の政治家に共通する「攻撃に負けない強度、図太さ」をもっている。
 
 実際、橋下氏にこれだけ攻撃されても、大石議員はまったく負けていない。

 たとえば、前述の『めざまし8』出演後も大石議員は、橋下氏が自身の「制度知らない、しっかり勉強を」という発言を報じた記事をリツイートしたうえで、大石議員の当確が出たのが11月1日未明だったことをあげつらった橋下氏に対し、〈もうウケるwww 橋下徹選挙制度しっかりべんきょせえ!〉と逆に笑い飛ばした。さらには、〈橋下徹が私に粘着するせいで、すごく注目浴びてしまった。もう、粘着するなよ!絶対に粘着するなよ!〉と、ダチョウ倶楽部風にツイートしてみたり、橋下氏のパニックぶりを完全にネタにしている。

 こうした強度は山本氏も同様で、その姿勢に惚れ込んで「維新を食い止められるのは、れいわだけ」という無党派層も徐々に増えている。

 実際、昨年の大阪都構想をめぐる住民投票で、維新が進めていた都構想が否決されたが、この結果は、山本氏、大石氏が中心となって都構想反対の街宣を盛んに行なっていたことが大きく影響したといわれた。

 そして、維新の一人勝ち、リベラル政党が全て退潮したといわれた今回の衆院選でも、れいわは議席を増やした。

 大衆の空気を読むのが天才的にうまいといわれる橋下氏のことだから「放置しておいたら、れいわは維新を脅かす存在になる」と察知し、「いまのうちに潰しておけ」と必死になっているのではないだろうか。わずか5議席の政党にあんなヒステリックな対応をしているのも、その危機感表れだとすれば、たしかに納得がいく。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【不祥事・トラブル】  2021年11月29日  12:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大阪府】:吉村知事が府の施設に「表現の不自由展」使用許可を取り消すよう圧力! /11.24 ■自分のネトウヨ趣味のために憲法違反強行の独裁体質

2021-12-14 06:23:10 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【大阪府】:吉村知事が府の施設に「表現の不自由展」使用許可を取り消すよう圧力!  ■自分のネトウヨ趣味のために憲法違反強行の独裁体質

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪府】:吉村知事が府の施設に「表現の不自由展」使用許可を取り消すよう圧力! ■自分のネトウヨ趣味のために憲法違反強行の独裁体質

 文書通信交通滞在費(文通費)問題の火付け役として、吉村洋文大阪府知事がまたもメディアから脚光を浴びている。野党攻撃をおこなえばそれがそのまま記事となり、さらにインスタグラムに「紅葉が、綺麗だぜぃ」とメッセージを添えて紅葉をバックにした自身の写真を投稿しただけで「吉村知事 カジュアルコーデのオフショットに「カッコイイ」「イケメン」の声」だの「吉村知事、紅葉を楽しむ休日ショットを公開し黄色い声殺到」だのというくだらない記事がYahoo!ニュースになる始末。

吉村知事が府の施設に「表現の不自由展」使用許可を取り消すよう圧力! 自分のネトウヨ趣味のために憲法違反強行の独裁体質の画像1

吉村洋文公式サイトより

 まったくどうかしているとしか言いようがないだろう。本サイトでは繰り返し指摘してきたが、吉村知事は過去に文通費を在職日数1日で100万円を受け取りながら、その使途をいまだに公開しようともしていない「疑惑の渦中」にある人物だ。 

 にもかかわらず、メディアは追及をしようとせず、平然と「改革者」然と振る舞いつづける吉村知事を無批判に取り上げて、吉村知事を「改革を進める若きリーダー」「イケメン知事」だと喧伝するPR係に成り下がっている。

 今回だけではない。コロナ対応の失政をごまかすために、「うがい薬が効く」だの「大阪産ワクチン」だのといった妄言を撒き散らし、コロナの最中に党勢拡大のためだけに巨額の税金を費やして2度目の「大阪都構想」住民投票を強行するなど、めちゃくちゃなことを繰り返してきたが、メディアはほとんど批判しようとせず、ひたすら持ち上げつづけてきた。

 だが、吉村知事を「改革を進める若きリーダー」「イケメン知事」などと褒めそやすことは、「自分の問題棚上げ」「失政ごまかしの詐欺的手口」を放置するというだけではすまない。もっと危険な事態を招くことになる。

 なぜなら、吉村知事が、安倍晋三・元首相とも通ずる、民主主義を破壊する強権的体質をもっているからだ。じつはつい最近も、そのことがあらわになった。

 それは、今年7月に大阪府が所有する施設である大阪府立労働センター「エル・おおさか」で開催された、「あいちトリエンナーレ2019」で一時中止に追い込まれた「表現の不自由展・その後」の出展作品を集めた展覧会「表現の不自由展かんさい」をめぐる問題だ。まず、経緯を説明すると、施設の指定管理者は今年3月に「表現の不自由展かんさい」の実行委員会に対して施設の利用を許可したが、6月25日になって一転し、抗議のメールや電話が相次いでおり安全管理上に問題があるとして施設利用の許可を取り消した。吉村知事は当時、記者団に対して「取り消しには賛同している」「安全な施設管理運営が難しい」と語っていた。

 本来、施設を所有する行政の長ならば、不当な抗議をおこなう者たちを徹底非難し、市民と「表現の自由」を守ると宣言するのが当然だ。ところが、吉村知事は施設が使用許可を取り消したことに「賛同」し、市民と「表現の自由」を守る責任をあっさり放棄したのだ。

 ◆「表現の不自由展」に吉村知事が裏で圧力! 施設使用許可を取り消すようしつこく介入

 だが、吉村知事はこのとき、たんに施設側の判断に「賛同」しただけではなかった。舞台裏では、吉村知事こそが施設の使用に反対し、使用許可を撤回するように職員を動かしていたことが、毎日新聞の検証報道によって明らかになったのだ。

 毎日新聞の大阪版は、「表現の不自由展「施設使用許可取り消し」の舞台裏 知事や府が積極的関与」という記事を22日に掲載。毎日新聞が情報公開請求で入手した文書によると、使用許可を取り消した6月25日の約2週間前である同月7日に、大阪府の担当者らが展覧会についての状況を吉村知事に報告したところ、吉村知事はこう発言していたというのだ。

「府は利用承認に関与できるのか」
「保育所がある施設で大丈夫なのか。安全管理において差し迫った危険が生じ、取り消し事由に該当するのではないか」

 言っておくが、この時点で「差し迫った危険」などは生じていないし、府は安全管理を徹底すればいいだけの話だ。事実、後述するが、この使用許可の取り消しは裁判となり、大阪地裁・高裁および最高裁は使用許可の取り消し処分を執行停止とし会場使用を認め、高裁は「主催者が平穏に行おうとしているのに、思想・信条に反対するグループが実力で阻止しようとして紛争を起こすおそれがあることを理由に施設利用を拒むのは憲法の趣旨に反する」と言及している。

 にもかかわらず、吉村知事は「府は利用承認に関与できるのか」「取り消し事由に該当するのではないか」と職員に迫り、指定管理者による使用許可の取り消しを促すかのような発言をおこなっていたのだ。

 しかも、毎日新聞と同様に情報公開請求をおこなったTwitterユーザーが、吉村知事と府の担当者らのやりとりが記された「知事レク議事概要」を公開しているのだが、それによると、この6月7日の面談時に、吉村知事はこうも発言しているのだ。

「指定管理者はしっかりと対応を検討し、申込者に対して、言うべきことは言えばよい」
「今後、指定管理者から利用承認を取消したいとの報告があった場合に、大阪府の態度をすみやかに示すことが出来るよう、今回の論点も踏まえ、改めて弁護士の意見を聞いておくこと」

 さらに、6月16日の議事概要でも、吉村知事は「指定管理者は、現在どう考えているのか」「指定管理者が自ら判断するとのことだが、府に取消しの権限はあるのか?」「運営上、多大の支障が生ずることが予測されるのであれば、指定管理者は取消すべきだと思う」と言及している。

 つまり、大阪での「表現の不自由展」の使用許可を施設の指定管理者が取り消した背景には、こうした吉村知事の執拗かつ強い意向があり、その上で実行されたものだったのだ。

 ◆「あいトリ」でも「反日プロパガンダ」と攻撃、大村知事リコール運動に「応援します!」…吉村知事のネトウヨ体質

 このような吉村知事の強硬な姿勢の背景には、もちろん「表現の不自由展」の開催を大阪で認めたくないという思いがあったことは容易に想像できる。ご存知のとおり、吉村知事は「あいトリ」で「表現の不自由展」が問題になった際、「平和の少女像」を「反日プロパガンダ」と非難したばかりか、「反日政治活動である展示」「裏で大きな力がかかっている」などとネトウヨ陰謀論まで振りまき、実行委員会会長だった大村秀章・愛知県知事に対して「知事として不適格」「辞職相当」などと攻撃をしていた。

 挙げ句、高須クリニック高須克弥院長らがはじめた大村知事のリコール運動に対しても、吉村知事は「僕は応援します。賛同するということです」と支持を表明。周知のとおり、その後、リコールの署名が偽造されていたことが判明し、先の衆院選で維新の公認予定候補者だった田中孝博氏らの逮捕や高須院長の秘書が偽造に関与した疑いで書類送検されるなどの事件に発展している。つまり、吉村知事は「表現の不自由展」への攻撃のみならず、「表現の不自由展」が端緒となった歴史修正主義者たちの運動をネトウヨ丸出しで応援していたのだ。

 しかし、自分がネトウヨ体質の歴史修正主義者だからといって、行政の長が表現の自由をないがしろにし、使用許可を取り消させるなんてことは、絶対に許されない。実際、「表現の不自由展」の再展示は名古屋市が所有する施設でも開催されたが、「あいトリ」では攻撃派の先頭に立って大村知事のリコール運動まで展開した河村たかし・名古屋市長は「ルールにのっとって公共施設を使うのは構わない。トリエンナーレで反対したのは公共事業だから」と語っていた。もちろん、公共事業だろうがなんだろうが、差別扇動を目的としたものでもないかぎり、表現に政治が介入することは許されない。だが、あれだけ「表現の不自由展」を目の敵にしていた河村市長でさえ、市の施設を使用することは認めていたのだ(ただし、会期中に郵便物のいやがらせ行為が起こり、市は施設を臨時休館する措置をとった)。

 ところが吉村知事は、あの河村市長でさえも原則として手は出さなかった市民による公共施設での展示にまで介入し、指定管理者による使用許可の取り消しに追い込んだのである。

 しかも、吉村知事は、前述したようにこの使用許可の取り消しに対して実行委員会が提訴し、大阪地裁が施設の利用を認めると、「決定内容に不服があるので抗告する」と宣言。挙げ句、この問題について繰り返し質問をおこなった毎日新聞の記者に対して「それだけ表現の不自由展を推すんだったら、毎日新聞の会議室を使ったらどうなんですか」と言い放ったのだ。

 この発言には当時、「公共施設の使用許可の話なのにマスコミ攻撃か」「まるでネトウヨ」とネット上でツッコミが起こったが、吉村知事がいかに道理の通らない主張で「表現の自由」を侵害しようとしていたかがよくわかるだろう。

 そして、今回毎日新聞が報じたことで公になった、吉村知事による政治的介入の実態──。この報道に対し、「あいトリ」の芸術監督を務めた津田大介はこのようにツイートした。

〈完全に表現の自由の敵じゃないですか〉
〈ある意味これは自明な話で、吉村知事は元々ジャーナリストへの言論封じ目的の高額訴訟を仕掛けた武富士の代理人の一人(武富士はその後倒産)。元々表現の自由に関心ないばかりか、裁判で攻撃をしかけて敗訴した過去があり、大阪不自由展騒動はそれの焼き直しでもあるのです。〉

 ◆歴史修正主義丸出しで「慰安婦像」を攻撃しサンフランシスコとの姉妹都市を解消した吉村知事

 吉村知事が弁護士として武富士の犯罪行為を隠蔽するために、告発したジャーナリストをでっちあげで訴えたスラップ訴訟を担当していたことについては、被害にあったジャーナリストの山岡俊介氏をインタビューした過去記事をお読みいただきたいが(https://lite-ra.com/2020/06/post-5452.html)、もうひとつ、「表現の不自由展」をめぐり吉村知事が積極的に介入していたこの問題を受け、いま一度、問題視されるべきは、前述したように、吉村知事がネトウヨ体質の歴史修正主義者であるという点だ。

 実際、吉村知事は大阪市長時代の2017年、米サンフランシスコ市がイギリス人彫刻家が製作した「慰安婦」像の設置を承認したことに反発し、大阪市との姉妹都市関係の解消をぶち上げ、その翌年にはサンフランシスコ市長に慰安婦像の市有化撤回や撤去を求める書簡まで送付。結局、同年10月、期限までに回答がなかったとして60年以上に及んだ姉妹都市の関係を解消してしまった。 

 だが、こうした慰安婦像や「あいトリ」および大村知事への攻撃といった歴史修正主義的態度により、吉村氏は百田尚樹らをはじめとする極右界隈から一目置かれ、ネトウヨ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)にもたびたび出演。同時にネトウヨの支持も取り付けてきた。もちろん、大阪における「表現の不自由展」の施設使用許可の取り消しや「抗告」宣言を吉村知事がおこなった際も、ネット上ではネトウヨによる「吉村支持」の声があがっていた。

 そして、前述した、「あいトリ」のときの “表現の自由は公共の福祉で制限される”“税金が投入された国の補助事業なんだから介入するのは当然”という「表現の自由制限」主張。さらには、大阪で、税金が投入されているわけでもない市民による展覧会にまで卑劣なやり口で介入していたのである。

 吉村知事といえば、コロナ対応では自身の失策を「私権制限できないせい」だと責任転嫁して個人の権利を奪おうとする改憲や法改正につなげようとしたことも記憶に新しい。こんな男をこれ以上のさばらせたら、国民の権利はいつの間にかどんどん制限され、民主主義は完全にとどめを刺されてしまうだろう。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 社会 【社会問題・日本維新の会と大阪府・大阪市を巡る諸問題】  2021年11月24日  10:56:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【政局】:吉村知事「自民党がビビる野党」が笑わせる!/11.22 維新は自民党の“アシスト係”、あの最悪の残業代ゼロ法案や検察庁法改正案にも賛成

2021-12-14 06:23:00 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政局】:吉村知事「自民党がビビる野党」が笑わせる! ■維新は自民党の“アシスト係”、あの最悪の残業代ゼロ法案や検察庁法改正案にも賛成

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:吉村知事「自民党がビビる野党」が笑わせる! ■維新は自民党の“アシスト係”、あの最悪の残業代ゼロ法案や検察庁法改正案にも賛成

 自分も在職日数1日で満額100万円を受け取っていたことが判明したというのに、メディアの追及がないことをいいことに使途を公開しようともせず、“国会改革の切り込み隊長”として振る舞っている吉村洋文大阪府知事。挙げ句、立憲民主党の代表選の告示日だった19日には、またぞろお得意の野党攻撃を繰り広げた。

吉村知事「自民党がビビる野党」が笑わせる! 維新は自民党のアシスト係、あの最悪の残業代ゼロ法案や検察庁法改正案にも賛成の画像1

日本維新の会HPより

 「立憲民主党もとにかく何でも反対、とにかく批判、官僚を吊るし上げる、スキャンダル追及……そういったことから脱却してもらいたい。自民党、与党が非常に強いので、われわれ維新としては自民党と勝負できる野党を目指していきたい」

 「自民党が本当にビビるような野党が必要」 

 吉村知事は衆院選直後にも「なんでもスキャンダル追及したり、官僚を吊し上げたりするとか、ああいったパフォーマンスは僕は大嫌いですから」「スキャンダル追及で日程闘争ばかりしたりすることに国民も辟易している」と立憲を批判。こうした発言を逐一メディアが見出しに立てて報じ、その結果、立憲をはじめとする共闘野党が「何でも反対ばかりで国会に不要な存在」であるかのようなイメージが世間にも固定化しつつある。

 だが、こうした吉村知事の発言は、何から何までバカ丸出しの言いがかりでしかない。

 本サイトでは繰り返し指摘してきたが、大前提として野党の役割には権力の監視があり、さらに立法府である国会の大きな役割のひとつに「行政監視機能」がある。吉村知事は「スキャンダル追及」「官僚の吊し上げ」などと言うが、森友・加計問題や「桜を見る会」などの問題追及は権力による不正や税金の無駄遣いを問いただすものであり、その真相を明らかにするのは野党の責務だ。むしろ、自分もちゃっかり受け取っていた文通費の問題をがなり立てながら「政党にとって最大の既得権益」と言われる政党交付金の問題に切り込もうともせず、税金の無駄遣い案件だというのに森友・加計・「桜」の追及を非難する維新は、自分たちの既得権益を守り、さらには権力の不正は隠蔽したいと考えているとしか思えない。

 その上、「自民党が本当にビビるような野党が必要」って、へそで茶を沸かすとはまさにこのことだ。

 実際、維新は「自民党をビビらせる」どころか、政権が重要法案と位置づける問題法案の審議では完全に自民党の補完勢力に成り下がり、「何でも賛成ばかりの維新」となってきたからだ。

 そして、維新が自民党のアシスト係となって可決・成立した法案により、いま国民の生活が危険にさらされているのが実態なのだ。

 ◆データ捏造が発覚、残業代なしで働かせ放題「高プロ創設」法案にも賛成した維新

 その最たる例が、2018年に当時の安倍晋三首相が通常国会で最重要法案に掲げた働き方改革一括法案だ。

 そもそも、この一括法案に組み込まれていた「裁量労働制の対象拡大」と「高度プロフェッショナル制度の創設」は、「残業代ゼロで働かせ放題」にするもので過重労働を助長し過労死を招きかねないとして維新を除く野党は反対の姿勢を示していたが、審議入りする前に「裁量労働制の対象拡大」の法案の根拠のひとつとなる調査データに捏造や虚偽データが発覚。立憲や共産党といった野党は国会審議はもちろんのこと、維新が攻撃を繰り返している「野党合同ヒアリング」でのしぶとい調査、追及をおこない、安倍首相は追い詰められ、ついには「裁量労働制の対象拡大」を法案から削除、断念せざるを得ない事態となった。

 だが、このとき問題となった捏造データは、そもそも「高プロの創設」を議論した厚労省の労働政策審議会で「議論の出発点」として提出されていたものであり、当然、「高プロの創設」も法案から直ちに取り下げ、過労死を助長させることはないのかをイチから労政審で審議をやり直すのが筋だった。にもかかわらず、安倍政権は「高プロの創設」を残したまま法案を審議入りさせ、挙げ句、維新と希望の党(当時)が衆院での審議終盤になって「高プロ適用への同意を本人が撤回できる」という規定を加える修正案で与党と合意。これによってこの問題法案を衆院で通過させたのだ。

 言うまでもなく、会社側は「残業代なしで働かせ放題」となる高プロを労働者に適用したがるし、日本における雇用主と労働者の力関係を考えれば、労働者側が撤回したいと考えても言い出せない事態となることは容易に想像がつく。にもかかわらず、この程度の修正案で維新は手打ちして、法案を押し通そうと安倍政権をアシストしたのである。

 しかも、この修正案が不十分であることは、当の維新の議員も認めていた。実際、維新の東徹議員は参院厚生労働委員会で、「全国過労死を考える家族の会」の代表世話人である寺内笑子さんの話を受けて、「(労働者側が)なかなか撤回しにくいという状況もあるというふうなことで、それもそうだなというふうに思っている」と発言。維新が合意した修正内容では高プロの危険性を取り除けないと認めたのだ。

 それだけではない。参院の審議では、それまで安倍首相や加藤勝信厚労相(当時)は高プロの創設を「労働者のニーズに応えるもの」として法案の必要性があると言い張ってきたにもかかわらず、実際には聞き取り数はたったの5社12名でしかなく、厚労省が依頼した企業側が選定・同席するという“ヤラセ”調査だったことが発覚。その上、法案要綱が示される以前に労働者に聞き取りをおこなった件数はなんとゼロで、法案の根拠は後付けのでっち上げだったことが露呈したのだ。

 当然、これらの問題を維新も無視するわけにもいかず、参院での採決直前におこなわれた参院厚労委員会では東議員が「なぜ高プロが必要なのか納得できる説明が不十分」「実態は12人からしか聞いていない。もっと実態を把握しておくべき。厚労省に腹立たしさを感じる」などと批判。

 ところが、維新は過労死遺族による反対の声も数々の問題も認識しながら、それらを全部無視し、委員会および本会議での採決では堂々と賛成に回り、法案を成立させてしまったのだ。

 ◆“官邸の番犬”黒川検事長を検事総長にするための検察庁法改正案にも賛成しようとしていた維新

 これは維新の生みの親である橋下徹と同じ手口だが、ようするに維新はアリバイ的に批判をするだけで、問題があることをわかっていても最終的には政権の方針にお追従し、自民党と結託して危険法案を国会で押し通してきたのである。

 そして、このように維新が問題を無視して補完勢力としての務めを果たし成立させた「高プロの創設」は、いま現実に国民を危険に晒している。今年6月、厚労省は高プロの導入後はじめて高プロ適用者の働く時間の集計を公表したが、今年3月末時点で高プロを導入していた17事業所のうち6事業所で「健康管理時間」(在社時間と社外での労働時間の合計)が月300時間以上の長時間労働となった従業員がいたことが判明。これは残業にあたる時間が「過労死ライン」を超えている可能性があるもので、立憲や共産党などの野党の懸念が現実化してしまったと言えるだろう。
 
 だが、維新がこうして危険法案・問題法案のアシストに回ったのは、当然ながらこれだけではない。とりわけ維新の露骨なアシストぶりが目についたのが、昨年大きな問題となった検察庁法の改正案だ。

 ご存知のとおり、検察庁法の改正案は“安倍政権の守護神”と呼ばれた黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を後付けで正当化し、さらには検察に対する政権の恣意的介入を許すシロモノで、きゃりーぱみゅぱみゅ小泉今日子、井浦新、浅野忠信、秋元才加、いきものがかり・水野良樹など多くの芸能人らも反対の声をあげ、批判が高まった結果、安倍政権は採決見送りに追い込まれた。だが、その見送り直前まで、維新はこのデタラメ法案に賛成しようとしていた。

 いや、そもそも検察庁法改正案をめぐって反対の声があれほど高まった原因をつくったのは、じつは維新の国会対応にあった。

 というのも、Twitter上での抗議が広がる原因となったのは、昨年5月8日に安倍自民党が検察庁法改正案の審議を衆院内閣委員会で強行したことにあった。この日、立憲や共産などの野党は森雅子法相出席のもとでの衆院内閣委・法務委の連合審査を求めていたが、それを自民党が拒否。このあり得ない自民党の対応に立憲や共産などは抵抗のために当然ながら審議を欠席したが、ところが維新が出席したことで審議が進められ、翌週には採決がおこなわれる見通しとなってしまった。それを受けてTwitter上では「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグが生まれ、またたく間に反対の声が上がったのだ。

 しかも、維新は審議を欠席する他の野党を腐していたくせに、国民からの批判が高まったあとは改正に慎重な姿勢を見せ、改正案から検察庁法改正部分を分離するよう与党に提案。だが、与党がこれを拒否すると、維新は態度を一転させた。足立康史・国会議員団幹事長代理が「改正案は言うほど悪くない」などと表明し、インターネット番組でも「党内の決裁で、賛成の判断になった」と発言。さらに、自民・公明との間で「内閣の判断で検事総長らの定年延長をする場合、経緯や理由を行政文書として残す」という附帯決議を条件に、検察庁法開改正に賛成することに合意したのだ。

 ちなみに、このとき吉村知事や橋下徹も検察庁法改正案に賛成を示し、松井一郎大阪市長にいたっては維新が賛成に回ったことを批判した共産党の志位和夫委員長に対して〈志位さん、自公は圧倒的な議席を持っているんです。政局ごっこしても可決成立するので有れば、付帯決議を付け権力を牽制するのが少数野党の役割です〉などと上から目線で“プラグマティック自慢”をはじめるという「維新しぐさ」を炸裂させていたが、「理由を記録する行政文書を残す付帯決議」に何の意味もないことは明々白々。ようするに、吉村知事も松井市長も橋下氏も維新の国会議員団も、安倍政権がやろうとすることには絶対に真っ向から批判してこなかったのだ。

 ◆「自民に賛成ばかり」維新の実態を報じず、吉村の「立憲は批判ばかり」発言に乗っかるマスコミ

 無論、これらは維新の「何でも賛成」事例の、ほんの一部にすぎない。特定秘密保護法や安保法制共謀罪TPP、入管法改正……あらゆる問題法案で維新は政権の無理筋法案に「やってますアピール」の適当な附帯決議や修正案でエクスキューズをつけながら賛成に回り、強行成立に全面協力。そして、その見返りとして、安倍政権からカジノ法案制定、大阪万博誘致など“金のなる木”利権拡大を後押ししてもらってきたのである。

 これらの事例からもよくわかるように、維新というのは危険法案を自民党と一緒になって国会で可決させる「何でも賛成ばかり」の補完勢力でしかなく、挙げ句、問題を指摘して慎重な審議を求める野党の足を引っ張り、「税金の無駄」「野党は反対ばかり」などとほざいているだけのお手軽政党なのだ。

 だが、この「野党は反対ばかり」という、維新の責任放棄を示すものでしかないフレーズを無批判にメディアが取り上げるせいで、あたかも反対することは悪いことのように定着してしまった。そして、維新こそ実態は野党攻撃だけの集団でしかないくせに、あたかも改革政党であるかのように振る舞うことを許してしまっているのである。

 しかし、繰り返すが、批判されるべきは野党の責務を放棄して「何でも賛成ばかり」に成り下がっている維新であり、本来は「有害無益」「税金泥棒」と呼ばれ、国民から唾を吐きかけられるべき存在なのだ。こうした認知の歪みを助長させているメディアは、その犯罪的な報道をあらためるべきだと言っておきたい。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【不祥事・トラブル】  2021年11月22日  11:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【疑惑】:自民党・維新がコロナを口実に「改憲=緊急事態条項の創設」に動き始めた!/11.21 ■自分たちの失政を憲法にスリカエ、火事場泥棒を許すな

2021-12-14 06:22:50 | 【憲法問題「護憲・改憲・違憲論争・緊急事態条項・九条の改正、自主憲法制定論議他】

【疑惑】:自民党・維新がコロナを口実に「改憲=緊急事態条項の創設」に動き始めた! ■自分たちの失政を憲法にスリカエ、火事場泥棒を許すな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【疑惑】:自民党・維新がコロナを口実に「改憲=緊急事態条項の創設」に動き始めた! ■自分たちの失政を憲法にスリカエ、火事場泥棒を許すな

 自民党がいよいよ火事場泥棒に乗り出そうとしている。そのことがよくあらわれているのが、岸田文雄首相が安倍晋三・元首相への忖度甘利明氏の後任に据えたとされる自民党の茂木敏充幹事長の読売新聞インタビューだった。

自民党・維新がコロナを口実に「改憲=緊急事態条項の創設」に動き始めた!自分たちの失政を憲法にスリカエ、火事場泥棒を許すなの画像1
自民党HPより

 茂木幹事長は「新型コロナウイルス禍を考えると、緊急事態に対する切迫感は高まっている。様々な政党と国会の場で議論を重ね、具体的な選択肢やスケジュール感につなげていきたい」と発言。自民党が提示している改憲4項目のなかでも「緊急事態条項の創設」を優先的に目指す方針を示した。

 安倍・菅政権で重要閣僚として政権中枢に鎮座していた人間がよくもまあ「コロナ禍で緊急事態に対する切迫感が高まっている」などと言えたものだ。この間、「GoToキャンペーン」や東京五輪の強行開催によって感染拡大を引き起こし、一方、病床確保も検査体制の拡充もおろそかにして医療崩壊を繰り返させてきたのは、憲法ではなく、お前たちの失策だろう。

 無論、自民党がこのような厚顔無恥を晒すのは、今回にはじまった話ではない。実際、コロナが流行し始めた2020年1月末の段階から当時の安倍自民党は「改憲議論が必要だ」「憲法改正の大きな一つの実験台」などと言い出し、同年の憲法記念日には安倍晋三・元首相が、日本会議が主体となった団体が開催した改憲集会に送ったビデオメッセージで「今回のような未曾有の危機を経験した今、緊急事態において国民の命や安全を何としても守るため、緊急事態に国家や国民がどのような役割を果たし、国難を乗り越えていくべきか。そのことを憲法にどう位置付けるかは極めて重く大切な課題だ」と主張。

 これは菅義偉・前首相も同様で、今年の憲法記念日にも同じ憲法集会でのビデオメッセージのなかで「新型コロナへの対応を受けて、緊急事態への備えに対する関心が高まっている」と述べ、安倍元首相と同じ主張を繰り返した。

 ふざけるのもいい加減にしろ、と言うほかない。当然ながら、緊急事態条項がなくても医療や検査の強化・拡充はできるし、人流を抑えたいのならば十分な補償や給付金の支給によって国民の生活を支えればいい。つまり、この国がコロナ対応で失敗してきたのは、そうしたやるべきことをやらなかった政治の責任にほかならないのだ。それを「緊急事態条項がないからだ」などと憲法改正に話をすり替えるのは、はっきり言って犯罪的な悪質さだ。

 だが、事あるごとに自民党政権は、コロナ対策をやらないことの言い訳として憲法の問題を持ち出してきた。たとえば、デルタ株の水際対策の重要性が明らかになっていた局面でも、変異株の流行地域からの入国者に対する宿泊施設などでの待機期間の延長を国会で野党から要求されても、菅政権は「憲法の制約がある」「私権制限の法律がない」などと言い張って拒否。しかしその後、遅れに遅れるかたちで菅政権は待機期間の延長を決定。「憲法の制約」という主張が真っ赤な嘘だったことを自ら証明した。

 ◆自民党の火事場泥棒的改憲に、日本維新の会と「改憲勢力」が結託の動き

 このように、コロナによって改憲緊急事態条項の必要性が高まっているなどというのは完全なデタラメでしかないのだが、しかし、この茂木発言に代表される「緊急事態条項の創設を突破口にした改憲」の動きはかつてないほど、リアリティを帯び始めている。

 それは言うまでもなく、先の衆院選で躍進した日本維新の会という「改憲勢力」が結託の動きを見せているからだ。

 実際、維新の松井一郎代表は、衆院選が終わるや否や「来年の参院(選挙)までに改正案を固め、参院選と同時に国民投票を実施すべきだ」と主張。また、国民民主党玉木雄一郎代表も「憲法の議論をするだけで袋叩きにするようなスタイルが忌避されていることに気づかないと、野党が多くの国民、特に若い世代に支持されることはないでしょう」などと発言している。

 もちろん、こうして秋波を送られた自民党も俄然前のめりとなっており、茂木氏は幹事長就任会見でも、先の衆院選で日本維新の会が議席を増やしたことに絡んで、改憲について「維新も含めてさまざまな政党とも議論を重ねて進めていきたい」と明言。今回の「緊急事態条項の創設を優先的に目指す」という方針を示したのも、維新と国民民主党の議席増を踏まえての発言だった。

 つまり、岸田自民党は、維新と国民民主党という改憲勢力と手を結ぶことにより、「いよいよ改憲をゴリ押しできるチャンスがやってきた」と睨み、一気に改憲を押し切ろうとギアを入れているのだ。

 言っておくが、安倍・菅政権とまったく同じで、維新の吉村洋文大阪府知事も自身の失策をごまかすために私権制限を叫んできたような下衆野郎だ。大阪府といえば第4波で人口が2倍近い東京都よりも多いコロナによる死者を出すなど東京の2倍近い致死率でし、ヨーロッパ並の致死率であることが報じられているが、第4波の最中だった今年4月に吉村知事は「社会危機が生じたときに個人の自由を大きく制限する場合があると国会で決めていくことが重要だ」などと発言。こうした私権制限の拡大の先にあるのが、憲法が保障保証する個人の権利を制限することを可能にする「緊急事態条項」の創設であることは明々白々だ。

 ◆野党共闘批判の空気を使って火事場泥棒の改憲を推し進めようとする自民・維新

 ようするに、現在の権限のなかでやろうと思えばできることをやらず、責任転嫁のために「私権制限ができないせい」などと改憲に問題をすり替えてきた連中が、「改革政党」を印象づけるために改憲を利用し、その旗振り役となることで存在感を高めようとしているのだ。そしていま、たんなる党勢拡大、党利党略のために、維新と国民民主党自民党と野合しようとしているのである。

 自民はもちろん維新も国民民主党も、立憲民主党や日本共産党野党共闘批判に躍起になっているが、その際に「立憲と共産が憲法審査会をボイコットするために議論が進まない」などと攻撃を繰り広げている。だが、コロナ禍を理由に「改憲議論を進めるべき」だの「感染症対策のためには緊急事態条項が必要だ」などと嘘八百を並べ立てる連中に、そんなことを言う資格はまったくない。

 しかし、維新の勢いを考えれば、こうした道理なき改憲勢力に対して世論の追い風が吹く可能性は高い。この危険な改憲キャンペーンを、市民の力でなんとしても押し返すしかない。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 社会 【社会問題】  2021年11月21日  09:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本維新の会】:橋下徹氏の文通費“移し替え”追及が緩い理由/11.20 ■寄付された一部から講演料支出の可能性

2021-12-14 06:22:40 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【日本維新の会】:橋下徹氏の文通費“移し替え”追及が緩い理由 ■寄付された一部から講演料支出の可能性

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日本維新の会】:橋下徹氏の文通費“移し替え”追及が緩い理由 ■寄付された一部から講演料支出の可能性

 今まで何度もムダが指摘されていたにもかかわらず放置され続け、今回、やっと見直し議論が出始めたのが、国会議員1人当たりに月額100万円が支給されている文書通信交通滞在費(文通費)問題。問題提起のきっかけを作り、一躍、存在感を発揮しているのが、「日本維新の会」だろう。

 副代表の吉村洋文・大阪府知事(46)は18日、自民党などが12月召集予定の臨時国会で、文通費の日割り支給法案提出を検討していることに対して「ごまかしだ」と猛批判。自身が国会議員時代に文通費をちゃっかり得ていた「ブーメラン」を忘れてしまったかのような物言いだったが、吉村知事の言う通り、ごまかされてはいけない文通費のもう一つの問題が、維新議員の使い方。文通費の残額を毎月、自分が代表を務める政治団体や関連の後援会に「寄付」する“移し替え”だ。

橋下徹氏(C)日刊ゲンダイ

          橋下徹氏(C)日刊ゲンダイ

 政治資金問題に詳しい上脇博之・神戸学院大教授(63)は日刊ゲンダイの取材に対し、文通費の“移し替え”を違法行為と指摘しているが、維新議員はそろって馬耳東風。例えば、維新の足立康史議員(56)は、こうした指摘について、ツイッターにこう投稿している。

 <正しいことを、印象操作に負けて改めるのは最悪です。団体寄付に何の問題もありません。セルフ領収書に何の問題もありません。それを確認した上で、どうすべきか、を議論すべきです>

 <経費性のない余った文書通信交通滞在費を返還する=いただかない、には賛成ですが、団体寄付=セルフ領収書の趣旨をひん曲げて印象操作を組織的に展開してきた赤旗・共産党のキャンペーンにのるような論旨には賛成できません>

 ◆極論すれば「マネーロンダリング」と変わらない

 なんともトンチンカンな反論としか言いようがないが、不思議なのはこの維新の寄付問題について、維新創設者でもある元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(52)の歯切れがよくない事だ。

橋下徹講演料の文字が…(C)日刊ゲンダイ

 橋下徹講演料の文字が…(C)日刊ゲンダイ

 橋下氏はツイッターで、<政治団体なんかに入れずにきちんと管理すればセルフ領収書批判など受けずに済みます。いくら説明しても余ったものの精算を避けるためのものなので世間に響きません>と見直しを促しつつも、<今回の文通費改革の問題提起は本気だから世間に響き、政治を大きく動かしました。これが真の維新だと思います>と投稿している。

 自分が立ち上げた古巣をぶった切るのはさすがに難しいのだろうが、橋下氏にしては何だか奥歯に物が挟まったような物言いだ。

 ちなみに、足立議員は約5年前にも文通費の寄付問題で、メディアに大々的に取り上げられていた。過去の政治資金収支報告書をみると、「あだち康史後援会」の寄付欄に「文書通信交通滞在費より」と但し書き付きで記入(現在は別団体へ)しているのが確認できるが、驚くのは政治活動費の記述に「橋下徹講演料」として216万円の支出があったことだ。

 記述のママ受け取れば、文通費の一部が政治団体に寄付され、それが講演料となった可能性もあるわけで、こうした使い方が違法でないのであれば、何でもOKになってしまう。極論すれば「マネーロンダリング」と変わらないだろう。

 橋下氏の追及がいつもより緩んでしまうのも、無理はないということか。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしのニュース】  2021年11月20日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本維新の会】:「パソナ丸投げ」病!/11.20 ■21億円の時短協力金業務で大幅遅れとデタラメ発覚したのに新しい仕事発注 橋下時代から竹中崇拝が

2021-12-14 06:22:30 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【日本維新の会】:「パソナ丸投げ」病! ■21億円の時短協力金業務で大幅遅れとデタラメ発覚したのに新しい仕事発注 橋下時代から竹中崇拝が

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日本維新の会】:「パソナ丸投げ」病! ■21億円の時短協力金業務で大幅遅れとデタラメ発覚したのに新しい仕事発注 橋下時代から竹中崇拝が

 メディアによる醜い報道によって、「文書通信交通滞在費」(文通費)の問題が吉村洋文大阪府知事を筆頭とした日本維新の会の「手柄」になりつつある。

 本サイトでは、吉村知事が衆院議員辞職時に在職日数1日で100万円を受け取っていた問題や、いまだにその100万円の使途を吉村知事および維新が非公開にしている問題、維新の議員が文通費を自身の政治団体などに寄附して政治資金に化けさせている「セルフ領収書」問題、さらに橋下徹が維新最高顧問時代に国庫への返還を約束していた政党交付金の還流問題など、維新の「身を切る改革」という謳い文句がいかに看板倒れであるかを追及・検証してきた。 

維新は「パソナ丸投げ」病! 21億円の時短協力金業務で大幅遅れとデタラメ発覚したのに新しい仕事発注 橋下時代から竹中崇拝がの画像1

日本維新の会HPより

 ところが、ほとんどのメディアが吉村知事の問題をスルーし、その一方で維新の代理人でしかない橋下氏は公の電波で文通費の問題を維新の成果であると強調。また、橋下氏は政策活動費の使途公開を維新に迫るポーズをとることで“是々非々”“中立”の立場であるかのように振る舞っているが、これも結局は「最大の税金の無駄遣い」「政党の既得権益」とも呼ばれる政党交付金を守ろうとしているにすぎない。

 ようするに、維新は「身を切る改革」「既得権益の打破」を掲げながら、そのじつ、自分たちの既得権益を手放す気など、さらさらないのだ。

 だが、維新が守ろうとするのは自分たちの既得権益だけではない。それは、竹中平蔵が取締役会長を務めるパソナグループの既得権益だ。

 実際、文通費の議論が加熱していた最中の今月15日、日本経済新聞電子版がこのようなニュースを短く報じた。

 「大阪の国際金融都市窓口、パソナが運営へ」

 「国際金融都市構想」は菅政権が実現を掲げ、東京や福岡、神戸・大阪などが名乗りを上げて金融機関の誘致や都市再開発などに取り組むとしてきたものだが、大阪府は15日に「金融や生活面での相談にワンストップで応じる窓口の運営事業者」をパソナグループ子会社である人材派遣大手のパソナに決定した、というのである。

 ご存知のとおり、“政商”たる竹中氏は安倍晋三・元首相や菅前首相のブレーンとして影響力を持ちながら政府の有識者会議のメンバーとして政権中枢に食い込んでパソナなどの自身が関係する大企業に恩恵を与えるという利益相反・利益誘導を繰り返し、さらには昨年の「持続化給付金」事業をはじめとしてパソナは省庁による公共事業を巨額で請け負い、コロナ下であるにもかかわらずパソナグループが7月に発表した2021年5月期連結決算は純利益が前期比で約11倍となる67億円を記録。2022年5月期の連結純利益も過去最高になりそうだとしている。だが、パソナの重用は政府にかぎった話ではなく、パソナは大阪にも食い込み、食い物にしているのだ。

 ◆パソナ丸投げのせいで大阪の時短協力金支給は最低の遅さに!「パソナはノウハウなかった」と内部告発

 たしかに、パソナ大阪にかぎらず地方自治体への派遣業などで事業を展開しているが、そんななかでも大阪の行政におけるパソナの食い込みは特異なものがある。そして、パソナへの丸投げが横行した結果、大阪の行政サービスは著しく低下し、さらには大きな問題も数々起こってきた。

 それを象徴するのが、コロナ下で営業時間の短縮に応じた飲食店などに対する「時短協力金」の支給の大幅な遅れだ。 

 大阪府は今年1月に時短協力金の支給業務についてパソナと随意契約し、当初の予算額は3月末までで約6億8000万円だった。しかし、緊急事態宣言の期限が延びたことで予算も膨れ上がり、今年6月末までで20億8000万円に増額。もちろん、7月以降も費用が発生している。

 だが、これほどの予算をかけながら、大阪府では「時短協力金が来ない!」という声が続出。今年6月に朝日新聞が調査したところ、1~3月に出された緊急事態宣言の対象となった11都府県のうち、福岡県の99%をはじめ、愛知県や京都府、兵庫県などは90%以上の支給率だったが、一方、大阪の支給率はわずか64%。もちろんこの数字は、11都道府県のなかで最低だった。

 しかも、この支給の遅れの原因は、パソナに丸投げしたことにあった。

 というのも、大阪商工団体連合会(大商連)が6月23日に大阪府と交渉をおこなった際、府側は遅れの原因について「審査現場を担当する府の職員が2月当初2、3人しかいなかった」と説明。さらに府の担当者は、パソナに委託しているため「(パソナ側に)直接指導することは偽装請負になるためできない」「私たちは委託業者からの相談を受けて判断するという配慮をしている」と述べたという(しんぶん赤旗2021年7月1日付)。

 さらに、この時短協力金の支給業務にかかわっていたパソナの元契約社員が、府に対して意見書を提出。この元契約社員は当時の状況について「2月に書類不備とされた協力金の申請書が、4月になっても放置されていた。3月分の不備書類は手が付けられていない状態だった」「連絡が来ないという業者さんの声もあるが、放置していたから連絡が無かったといえる」とし、また書類放置の背景について「パソナ側が協力金支給のノウハウ(包括電算処理業務の経験)を持っていなかったことが大きな理由」と指摘。そして、「ノウハウが無いのにどのように積算(委託にかかる費用の算出)をしたのか」と、パソナへの委託費用の積算根拠自体にも疑義を呈したというのだ(前出・しんぶん赤旗)。

 大阪府の職員が支給の遅れを「パソナへの丸投げ」にあったことを認め、挙げ句、業務にあたったスタッフ自身が「パソナ側にノウハウがなかった」「ノウハウがないのにどうやって委託費用は積算されたのか」と疑問を投げかける──。もはや異常事態としか言いようがないだろう。

 ◆橋下徹は「竹中さんの考えに大賛成」「基本的な価値観、哲学、ぼくは竹中さんの考え方」

 しかも、こんなデタラメな仕事ばかりしているのに、維新が牛耳る大阪府は今回、またまた「国際金融都市構想」の窓口運営事業をパソナに丸投げしたのだ。いったいなぜパソナにばかり依存するのか。

 背景にあるのは、維新、そして維新の創始者である橋下徹氏とパソナを率いる竹中氏の思想的な親和性だ。そもそも竹中氏は、橋下氏を小泉純一郎になぞらえて称賛し、それを受けて橋下氏は2012年に国政政党として日本維新の会(旧)を立ち上げ、次期衆院選に擁立する候補者を選定する委員会の委員長に竹中氏を抜擢。その理由について、橋下氏はこう語っていた。

「竹中さんの考えにぼくは大賛成ですから。小泉元首相のときの竹中さんの考え方についてはいろいろと意見があることは承知していますけれども、基本的な価値観、哲学は、ぼくは竹中さんの考え方ですね」
(佐々木実『竹中平蔵 市場と権力──「改革」に憑かれた経済学者の肖像』講談社文庫)

自分の基本的な価値観・哲学は竹中さんの考え方と同じ──。つまり、竹中氏というのは橋下氏と並ぶ「維新の生みの親」「維新政治を体現する存在」なのだ。

 竹中氏はこの候補者選定のための討論会でも「自由と規制緩和という意味で、TPPに本当に心から賛成しているかどうかが、ものすごく重要な試金石になる」と語ったというが、橋下氏から綿々とつづく大阪の維新政治では、今回のように「公金の無駄遣い」を槍玉に挙げて攻撃する一方、規制緩和と民間の活用という「行政改革」によって、パソナが深く食い込んでいった。

 そもそもコロナによって大阪府では突出して多い死者を出したが、その原因は維新政治のツケによるものだった。橋下氏は大阪府知事・市長時代に医療福祉を切り捨て、公立病院や保健所を削減したほか、医師・看護師などの病院職員、そして保健所など衛生行政にかかわる職員を大幅に削減。もちろん、こうした医療福祉の削減は大阪にかぎったことではなく、小泉政権における竹中平蔵の新自由主義路線により日本全体で起きたことだが、「竹中氏と価値観・哲学は同じ」だと言う橋下氏、そして維新政治のなかで大阪は突出してこうした行政サービスを削減してきたのだ。

 そして、大阪はコロナで国内最多の死者を出しただけではなく、行政サービスを数十億でパソナに丸投げという維新政治によって、コロナ対策に身を削って協力した飲食店をも苦しめたのである。

 ◆大阪は生活保護申請業務までパソナに発注、保護廃止に持ち込めばパソナに報酬

 だが、維新政治とパソナ大阪の行政サービスを破壊している例は、これだけではない。とくに酷いのは、生活保護申請業務の問題だ。

 昨年11月には、大阪市内の保健福祉センターが生活保護申請者に対し就労指導として渡した履歴書の見本に「パソナ太郎」「大阪市立パソナ中学校卒業」などと書かれていたことが話題となり、「大阪太郎」ではなく「パソナ太郎」という見本が作成されているほどにパソナが行政サービスに食い込んでいることが浮き彫りになった。だが、問題が深刻なのは、パソナへの委託が生活保護の受給抑制する仕組みになっていることだ。

 大阪市では生活保護受給者などを対象にした「総合就職サポート事業」を実施しているが、この事業もパソナをはじめとする民間企業に委託。そして、この「総合就職サポート事業」では、「生活保護受給者が支援によって就職し、保護廃止となった場合、1人当たり6万1111円を委託料に加算する」という特約条項があるというのだ(しんぶん赤旗1月28日付)。逆に、「支援を受けた人の就職率が50%未満であれば、基本委託料から割合に応じた減額」がおこなわれるという。

 生活保護の廃止に持ち込めば「報酬」が与えられ、「成果」が挙げられなければ減額される──。生活保護を受けることは当然の権利で、それぞれの事情に照らし合わせた対応が細やかになされるべきものであり、受給抑制を目標としてこうした「成果主義」を持ち込むことは本人の意に反する強引な就職支援や尊厳の毀損をも招きかねない危険なものだ。

 実際、現場では〈民間職員が「何でもいいから(求職活動を)」と強要したり、「求職活動をしなければ、保護が受けられなくなる」などの強い言葉で、利用者に実質的な「指導」を行ったりする事例も報告〉されているというから、事態は深刻だとしか言いようがない。だが、これこそが橋下・竹中両氏が目指す行政のあり方であり、同時に竹中氏が会長を務めるパソナにどんどん税金が流れていくのである。もちろん、そうして民間に丸投げすることで行政サービスは低下していく一方だ。 

 「身を切る改革」を叫びながら実際には維新がまるで身など切っていないことは、吉村知事の文通費100万円受け取りと使途公開の拒否、さらには政党交付金という最大の既得権益を手放そうとしない維新や橋下氏の姿勢からも明らかだが、それは大阪という維新政治の舞台で繰り広げられてきた問題でもある。そして、維新は「生みの親」たる竹中平蔵という「既得権益者」に甘い汁を吸わせ、コロナであれほどの悲惨な結果をもたらしたのである。

 だが、こうした問題をまったくメディアは指摘せず、そのためにいまだに「コロナ対策失敗の戦犯」である吉村知事が「改革の旗振り役」だともてはやされるという地獄絵図が繰り広げられている。こうした報道が来年の参院選でのさらなる躍進につながれば、いよいよ全国に維新政治が広がり、大阪のように行政サービスが壊されていくのは必至。つまり、ますます竹中氏の高笑いが止むことはないだろう。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【告発・維新の会と大阪府・大阪市を巡る諸問題】  2021年11月20日  09:48:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.11.19】:文通費問題で維新に突き刺さるブーメラン

2021-12-14 06:22:20 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【HUNTER2021.11.19】:文通費問題で維新に突き刺さるブーメラン

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.11.19】:文通費問題で維新に突き刺さるブーメラン 

 10月の総選挙で初当選した日本維新の会の小野泰輔衆院議員が、たった1日でも月額100万円が満額支払われる文書通信交通滞在費(以下文通費)について問題提起した。

 すぐさま反応した大阪府の吉村洋文知事は、野村議員のツイートに賛同する形で「維新の新人議員、小野さんから。なんと10月分の文書通信交通滞在費100万円が現金で満額支給されたとのこと。10月分?選挙の投開票日が10月31日なんだけど。どうやら1日だけでも国会議員の身分となったので、10月分、100万の札束、満額支給らしい。領収書不要。非課税。これが国会の常識。おかしいよ」と投稿、文通費問題に一気に火が付いた。ところが……。

 ■ブーメランは吉村知事に

 じつは、吉村知事自身が2015年10月1日付で大阪市長選出馬のために衆院議員を辞職した際、100万円を受け取っていた。文通費問題に油を注いだ吉村知事自身が、たった1日の在籍で100万円を手にしていたことがバレたのである。

 日本維新の会では、国会議員が受領した文通費を当該議員の政治団体に寄附。それを日本維新の会のホームページでまず公表し、後に政治団体の政治資金収支報告書に記載することで使途の透明性を図っていると主張してきた。11月16日の会見で吉村知事は、同様の話を繰り返しながらも2105年10月の100万円について聞かれると「細かいことは覚えていない。6年前ですから何に使っていたか覚えてない。維新の定めたルールでやっていた」。しかし、問題となっている2015年10月の吉村知事の文通費については、何故か日本維新の会のホームページに記載がない。

 さらにその点を追及されると、「文通費に細かく対応したわけではない。細かく考えるなら、(もらえる)権利がある国会議員を続けていた。それを放棄して市長選に挑戦した。なにかネットなどでは日程操作して(文通費を)もらったという話もあるが、こすいこと考えるなら市長選に出ていない」と自己の正当化を図り、続けて「追及しないメディアもおかしい」とメディアに責任転嫁してしまった。

 最後は、「実際ブーメランが僕に刺さっています。これに僕が大きく火をつけた、大拡散した、これでもかと発信。ブーメランだがよかった。われわれが大騒ぎしたから、自民党も幹事長が寄付などと言い出した。社会のおかしいところ正すのが政治だ」――牽強付会と言うしかない。正すべきは、吉村知事自身の政治姿勢だろう。

◇  ◇

 吉村知事は、2015年10月6日のニコニコ生放送【大阪維新の会特番】に出演。橋下徹元大阪市長との間でこんなやり取りを交わしていた。

橋下:毎月100万円、経費をもらうわけね、文通費。

吉村:いや文通費の公開、あれは市長と幹事長いいところに目を付けたなと。ウイークなところついていただいて(笑)。もうちょっと内緒にしてもらったら。あれは完全に第二の財布ですからね。維新の党はは公開してますけど、あれ公開しない(党)は、本当に第二の財布で、飲みしろやなんやに消えてるでしょうね。

橋下氏:税金もそこ、かかっていないですからね。

 吉村知事は、この時点で文通費の問題を十分把握していたということだ。

 16日の会見では「日本維新の会では文通費の公開、国会で法改正を求めていく」「領収書をもらい、精算し、あまれば返金すべき」と述べる一方で、問題の100万円については「覚えていない」で逃げ切りを図ろうとする吉村知事。だが、よく考えてほしい。吉村知事は大阪弁護士会に登録されている弁護士でもある。そういう立場であれば、「細かいことは覚えていない」と強弁する前に自身がもらっていた100万円の使途をまず確認し、公開するべきではないのだろうか。

 ■維新にさらなるブーメラン

 吉村知事と維新には、さらなる「ブーメラン」が突き刺さる可能性もある。11月16日、かつて維新に所属していた丸山穂高元衆院議員はこうツイートした。
「維新は、税金なんだから使い道を公開すべきと主張するなら、本部の政党交付金から国会議員団へ税金が流れて、掴み金で馬場議員や遠藤議員が毎月何百万もじゃぶじゃぶ使っている組織活動費の件も、使い道全て公開すべきでは?税金アジャースというなら別ですけどね〜」――日本維新の会の本部から国会議員に支給されている『組織活動費』の明細を公開するように求めたのだ。

 丸山氏のツイートを受けた橋下氏も、「毎月何百万というのは誇張だとしても年間で数千万円も何に使う?維新国会議員団は文通費だけでなく活動費にもメスを入れるべき。新人議員たちは先輩を突き上げよ!それが維新」と書き込んでいる。

 丸山氏の指摘する組織活動費の原資は政党交付金であり、つまりは税金。2019年の日本維新の会国会議員団の政治資金収支報告書を見ると、約6千万円が、馬場伸行幹事長、遠藤敬国対委員長らに渡っていた。

 日本維新の会の代表を務める松井一郎大阪市長は「組織活動費は国会議員幹部のみで消費している訳ではなく、大阪維新の会含めて全ての地方議員の活動費として使用しています。維新の会の地方議員が全国で活動する時の旅費、滞在費に支給しており、国会議員執行部の飲食経費が全てではありません」とツイートしているが、活動費の一部が国会議員執行部の飲食に使用されていることを認めているようにも読める。

 政党交付金は、自由な政治活動という観点から使途の制限はないが、飲食経費に使われるというのは理解に苦しむところ。吉村知事や維新は、新たなブーメランに対して、どう対処するのだろうか。

 ■過去にはペーパー団体使って「交付金ロンダリング」

 ちなみに維新による政党交付金の扱いを巡っては、旧「維新の党」が分裂した2015年、橋下元大阪市長が「解党して政党交付金を国に返す」と主張。ところが、新たに設立された「おおさか維新の会」に参加した議員らの政党支部が受け取っていた交付金の残額を、ペーパー団体「なんば維新」に入金した後、年を越してから各議員側に還流させる方法で「交付金ロンダリング」を行っていたことが分かっている。

 ※参照記事⇒《おおさか維新 “交付金ロンダリング”の実態 》・《日本維新の脱法行為 ペーパー団体使って交付金ロンダリング

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治・1日でも月額100万円が満額支払われる文書通信交通滞在費(以下文通費)の問題】  2021年11月19日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政局】:維新の「身を切る改革」どこへ?/11.16  ■横行する文通費“移し替え”に専門家が違法性を指摘

2021-12-14 06:22:10 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【政局】:維新の「身を切る改革」どこへ?  ■横行する文通費“移し替え”に専門家が違法性を指摘

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:維新の「身を切る改革」どこへ? ■横行する文通費“移し替え”に専門家が違法性を指摘

 <立憲民主も国民民主もれいわも共産も起きてまっか?山本太郎さんも4時間で200万円相当の収入を丸取りでっか?丸取りならあんたらの言うこと信用ならんで!>

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 国会議員に支給されている月額100万円の文書通信交通滞在費(文通費)に対し14日、自身のツイッターにこう投稿した元大阪府知事の橋下徹氏(52)。文通費をめぐっては、衆院選で初当選した「日本維新の会」の小野泰輔衆院議員(47)がSNSで疑問を呈し、大阪府の吉村洋文知事(46)もツイッターで<維新の新人議員、小野さんから。なんと10月分の文書通信交通滞在費100万円が現金で満額支給されたとのこと(略)どうやら1日だけでも国会議員の身分となったので、10月分、100万の札束、満額支給らしい。領収書不要。非課税。これが国会の常識。おかしいよ>とツイートしたことから拡散する事態となった。

橋下徹氏(左)と吉村洋文日本維新の会副代表(C)日刊ゲンダイ

 橋下徹氏(左)と吉村洋文日本維新の会副代表(C)日刊ゲンダイ

 ネット上では<これが『身を切る改革』だよな><まさに野党の本領発揮。他は何やってんの?>などと絶賛されているが、ちょっと待ってほしい。そもそも「日本維新の会」の議員は、これまで文通費適正使用しているのか。

 ◆「身を切る」ではなく「身を肥やしている」

 確かに維新はホームページ上で各議員が文通費の使途を公開している。だが、よくよく確認すると、毎月、文通費の一部を政党支部などに「移し替え」「流用」している議員が少なくないのだ。

 例えば、馬場伸幸幹事長(56)の7月の文通費の使途を見ると、自身が支部長を務める「日本維新の会大阪府第17選挙区支部」に72万4543円を寄付している。つまり、言い方を変えれば財布の中身を「移し替えた」だけ。ある意味流用だ。

 それでも維新は使途を公開することが「身を切る改革」と思っているようだが、こうした「移し替え」について「違法行為」と指摘するのが、政治資金問題に詳しい上脇博之・神戸学院大教授(63)だ。

神戸学院大教授の上脇博之氏(C)日刊ゲンダイ

 神戸学院大教授の上脇博之氏(C)日刊ゲンダイ

 「文通費というのは、政党支部などの私的活動には使ってはいけない費用です。国会法などでも公のもの以外への支出を禁じている。維新は使途を公開しているから問題ない、という姿勢ですが、公開目的は本来、使い方適正なのかどうかを判断するため。違法行為でも公開すればいいというのは本末転倒です。議論の本質を理解していません。これは『身を切る』ではなく、『身を肥やしている』と言っていいのです」(上脇教授)

 維新は「特別党費」として集めて寄付することを検討ーーなどと報じられているが、維新はこれまでも散々、所属議員の使い方をめぐる問題を指摘されながら放置してきただけに、どうなることか。本気で「身を切る」のであれば、前のめりになっている憲法改正議論同様、与党である自民党、公明党に廃止法案を呼びかければいいではないか。

 ■トリックスターに誤魔化されてはいけない。

*この記事の関連【動画】もご覧いただけます。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 芸能 【芸能ニュース・「日本維新の会」の記事は芸能ニュース程度?】  2021年11月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本維新の会・11.14】:吉村知事や橋下徹の「国会議員の“文通費”批判」に盛大ブーメラン… ■所属議員は文通費公開と言いながら不適切流用や使途隠しだらけ

2021-12-14 06:22:00 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【日本維新の会】:吉村知事や橋下徹の「国会議員の“文通費”批判」に盛大ブーメラン… ■所属議員は文通費公開と言いながら不適切流用や使途隠しだらけ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日本維新の会】:吉村知事や橋下徹の「国会議員の“文通費”批判」に盛大ブーメラン… ■所属議員は文通費公開と言いながら不適切流用や使途隠しだらけ 

 先の衆院選で議席を増やして勢いに乗っている日本維新の会が、大キャンペーンを展開しはじめている。問題視しているのは、国会議員に毎月100万円が支給され、領収書の届け出が不要な「文書通信交通滞在費」だ。

 ことの発端は、今回の選挙で初当選した元熊本県副知事の小野泰輔・衆院議員の指摘だった。小野議員は12日、「note」に〈文書通信交通滞在費の額がどうにもおかしいのです。10月31日に当選したということで、歳費(いわゆる給料)は日割り計算(約3万円)となっているのですが、文書通信交通滞在費は満額の100万円が支払われました〉と投稿。

吉村知事や橋下徹の「国会議員の文通費批判」に盛大ブーメラン…維新議員は文通費公開と言いながら不適切流用や使途隠しだらけの画像1

吉村洋文公式サイトより

 これに反応したのが、維新の副代表である吉村洋文大阪府知事だった。吉村知事は昨日13日、このようにツイートした。

〈維新の新人議員、小野さんから。なんと10月分の文書通信交通滞在費100万円が現金で満額支給されたとのこと。10月分?選挙の投開票日が10月31日なんだけど。どうやら1日だけでも国会議員の身分となったので、10月分、100万の札束、満額支給らしい。領収書不要。非課税。これが国会の常識。おかしいよ。〉
〈しかも、その任期って10月31日の投開票日のこと。1日で1ヶ月分、満額の100万の札束支給。僕は記者会見場でカツサンドの支給。うまかったけど。〉

 この投稿が大きな反応を集めると、吉村知事は本日このように畳み掛けた。

〈このお金、経費と言いながら、領収書が要らないのは、やっぱりおかしいよね。文書通信交通滞在費とかまどろっこしい名前をつけてるけど、領収書は要らない。領収書不要の経費ってある?〉
〈維新の新人議員は、国会のおかしいと思う所をどんどん外に向けて発信して欲しい。内に向けて縮こまる必要はない。賢く無難に小さくまとまった所で巨大自民党には対抗できない。〉

「国会の非常識」「経費と言いながら領収書が要らないのはおかしい」──。こうした問題提起に対し、ついにはあの人も参戦。本日放送の『日曜報道THE PRIME』(フジテレビ)では、橋下徹がこの問題をぶち込み、こう憤ってみせた。

橋下「たった4時間、10月は4時間の在職時間でね、100万円の現金もらうって、どうですかこのいまの国会の仕組み!」
司会者「いままで問題になってなかったんですかね」
橋下「いや、たぶん維新の会は問題提起してきたのに、みんな黙っちゃうの国会議員」

 そして橋下氏は、「こういうこと正さないと、分配だとか国民への負担なんてね、国民納得しないですよ! 国会議員ちゃんとしっかりやってくれ!」とカメラ目線で吠え、番組は終了した。

 たしかに、吉村知事や橋下氏の言うとおり、「文書通信交通滞在費」が日割りされずに満額支給されるというのは問題があるかもしれない。「身を切る改革」を訴える維新にとっては、この問題提起によって、さらに全国知名度をあげようという目論見なのだろう。

 だが、はっきり言って、この問題を維新が取り上げることは、まったくもってちゃんちゃらおかしい。いや、まさに盛大なブーメランとしか言いようがない。

 ◆維新議員の文通費の64%、1億8千万円が、議員本人の政治団体に流れていた

 そもそも、「文書通信交通滞在費」がもっとも問題なのは、吉村知事が指摘したように「経費と言いながら領収書が要らない」という点だ。公費は金の流れが透明化されるべきであるというのに、領収書が不要であるため、その使途はまったくわからないのだ。

 実際、橋下氏が言ったように維新は「領収書なしはおかしい」と問題提起し、2014年、当時維新の代表だった橋下氏が使途公開を表明。さらに維新は、2017年の特別国会に「文書通信交通滞在費」の使途公開を義務付ける歳費法改正案を提出している。

 このように、自ら「身を切る改革」を実践しているように見える維新だが、しかし、実態はあまりにも杜撰なものだった。いや、杜撰どころか、その使途は不適切なものだったことが明るみに出たのだ。

 というのも、維新が「文書通信交通滞在費」の使途公開を義務付ける改正案を提出した2017年に公開された維新所属25人の国会議員の2016年分の使途報告書や政治資金収支報告書を朝日新聞が分析したところ、以下のような事実がわかったのだ。

〈前年からの繰り越しを含む総額2億8千万円のうち、64%にあたる1億8千万円が、議員本人の政治団体に寄付されていた。25人中8人は寄付が80%以上で、うち3人は90%を超えていた。〉
〈16年分の政治資金収支報告書を確認したところ、各政治団体の資金の使途には、維新が内規で禁じる飲食費や政治資金パーティー券の購入、贈答品の支出がある。議員が団体に貸した現金の返済や、別の団体への寄付もあった。〉

 ようするに、「文書通信交通滞在費」が領収書もなく支給されるのはおかしい!と維新は吠えていたのに、公開された使途を確認すると、ほとんどが議員の政治団体に寄付として流すことで実際は何に使ったのかがわからない状態になっていた。そして、金を流した先では内規で禁止している飲食費やパー券、贈答品の購入がズラズラと並んでいた……というわけだ。

 ◆松井市長は「共産党は使途公開していない」とデマ攻撃、逆に志位委員長に「維新議員の“セルフ領収書”」を突きつけられ

 一体これのどこが「身を切る改革」かという話だが、恥知らずな維新はその後も「文書通信交通滞在費」の使途について厳格なルールを設けることもなく、議員自身が自分の政治団体や資金管理団体宛てで領収書を切り、寄付をおこなってきた。その結果、維新が2015年10月〜2019年3月に受け取った「文書通信交通滞在費」の総額約7.6億円のうち、なんと約5.7億円が議員が代表を務める政党支部や資金管理団体などに寄付されていたのだ(日刊ゲンダイ2019年7月19日付)。

 しかも、開いた口が塞がらないのは、このように不適切な使い方をしておきながら、維新はその事実を伏せたまま「俺たちは使途を公開している!」と大手を振ってきたことだ。

 そのことを示す、象徴的なシーンもある。それは2019年の参院選の日本記者クラブ主催・党首討論会でのこと。維新の松井一郎代表は「文書通信交通滞在費」の見直しを自分が訴えたことを誇らしげに語り、日本共産党志位和夫委員長に「志位さんは『(領収書の公開を)やる』とはっきりと言った。2年が経過しているが知らぬ存ぜぬで実行されていない。志位さんの公約はそういう軽いものなのか」などと絡む一幕があった。

 だが、その場で志位委員長は「あの共産党ウオッチャーの松井さんがご存知ないとは驚きましたが、私たちはホームページで文書通信交通滞在費の使途をすでに公開している」と反論。さらには、維新の杉本和巳・衆院議員の使途報告書では、100万円の文書通信交通滞在費の全額を杉本氏が支部長を務める政党支部に入れ、領収書の発行も受け取りも杉本氏自身であることを突き付けたのだ。

 ものの見事に返り討ちにあった松井代表は「ぐぬぬ」と言わんばかりの表情を浮かべ、その様子はTwitter上でも大きな話題を集めたが、今回も性懲りもなく維新はブーメランを飛ばしているのである。

 しかし、悪質なのは、維新の連中は揃いも揃って、ブーメランが返ってくることをわかっていてもこうして大きな声で平然と「維新は身を切る改革をしている!」「自分たちに厳しい政治をやってきた」と叫びまくることだ。

 ◆吉村、松井、橋下のマスコミ利用と大声で、維新の無駄遣いの実態は隠されていく

 維新が主張する、公費である「文書通信交通滞在費」の使途を公開しよう、法改正をしようというのはもっともな動きだが、しかし、その実態はほとんどが政治資金となり使途がわからなくなっているのは本末転倒であり、大きな問題がある。だが、吉村知事や松井知事、さらには橋下氏の声はあまりに大きく、発信力も圧倒的であるため、維新の問題を指摘する声はかき消されてしまう。

 ましてや、テレビ番組で橋下氏が「維新の会は問題提起してきた」などと主張したとき、「でも、維新の議員は“セルフ領収書”を切っているのが実態では?」と志位委員長のように切り返せる司会者やコメンテーターがいるわけもなく、結局、「維新の指摘は正しい」「維新は『身を切る改革』を進めている」というイメージだけが醸成されていくのだ。

 これは「文書通信交通滞在費」にかぎった話ではない。維新はすぐに「国会・国会議員の無駄遣い」を叫ぶが、維新政治の舞台となっている大阪では、ろくなコロナ対策も打たないまま大阪都構想住民投票に邁進し、2013年以降、都構想関連に公金を100億円以上も費やしてきた。その事実ひとつをとっても、維新は大衆の「無駄遣いは許せない」という劣情を煽ることで党勢拡大を図ってきたにすぎない。

 しかも、維新所属の音喜多駿・参院議員は昨年3月、れいわ新選組舩後靖彦・参院議員がコロナ感染防止のため国会を欠席したことに対して歳費返納を要求したが、これは明らかに「国会議員の無駄遣いは許せない」という感情に付け込もうとしただけではなく、「障害者は特権を享受している」という妄想を抱く層に対する「障害者にも容赦はない」というアピールだった。つまり、自分たちの「身を切る改革」「改革政党」を強調するためには、どんな下劣な手でも平気で打ってくるのが維新なのだ。

 今回の「文書通信交通滞在費」を足がかりに、参院選に向けて維新はさらに「国会・国会議員の無駄遣い」問題を喧伝していくはずだ。だが、その前に維新は、不適切な使い方が指摘されている自身の「文書通信交通滞在費」のあり方についてどう考えるのか、しっかり説明をおこなうべきだろう。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【不祥事・トラブル】  2021年11月14日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【話題】:坂上忍『バイキング』打ち切りはフジ上層部による政権批判潰しだ! 

2021-12-14 06:15:50 | 【新聞社・報道・公共放送NHKの功罪・マスコミ・雑誌・世論調査】

【話題】:坂上忍『バイキング』打ち切りはフジ上層部による政権批判潰しだ! ■安保法制反対から東京五輪批判まで安倍・菅政権に異を唱え続けた軌跡

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【話題】:坂上忍『バイキング』打ち切りはフジ上層部による政権批判潰しだ! ■安保法制反対から東京五輪批判まで安倍・菅政権に異を唱え続けた軌跡 

 打ち切り報道が出ていた『バイキングMORE』(フジテレビ)だが、本日13日、来年3月いっぱいで番組終了すると一斉に報道。本日放送の番組内でも、MCの坂上忍が「本当にみなさんにかわいがっていただいて8年も続けられたことに感謝しかない」と述べた。

坂上忍『バイキング』打ち切りはフジ上層部による政権批判潰しだ!安保法制反対から東京五輪批判まで安倍・菅政権に異を唱え続けた軌跡の画像1

番組HPより

 スポーツ紙などの報道では、「坂上が動物の保護活動にあてたいと局側に「卒業」を申し出た」とされ、坂上本人の〈2年ほど前からでしょうか。どこかで“区切り”をつけなくてはと思い始めたのは〉とコメントも掲載されていたが、これはいわゆる“大人の決着”でしかない。

 本サイトでも過去に何度か記事にしてきたが、フジテレビ上層部は以前から坂上忍を降板させようと、さまざまな形でプレッシャーをかけていた。

 「フジのドンである日枝久フジ・メディアHD相談役に近い上層部がとにかく坂上をやめさせたがっていたらしい。ところが、『バイキング』は視聴率が安定しているうえ、いきなりやめさせると坂上に何を言われるかわからない。それで、いろんなかたちで外堀を埋めて、慎重に事を運んで、坂上が自分からやめると言うように仕向けていったようです。実は、パワハラ報道なども、坂上をやめさせたいフジ上層部の仕掛けという説が濃厚です」(フジテレビ関係者)

 実際、今回、番組終了をいち早くスクープした「週刊ポスト」(小学館)12月17日号も、「『バイキング』来春打ち切り内定 坂上忍の姿勢にフジ上層部が難色か」というタイトルで、番組スタッフの「打ち切りの理由については、局の上層部の強い意向だったと聞いています。スタッフの間では政治から芸能人まで好き放題に噛みつく坂上さんの姿勢を上層部が気にしていたからではないかと囁かれています」というコメントをしていた。

 ただし、上層部が坂上忍を切った理由は、坂上の“芸能人叩き”ではなく、やはり、自民党政権批判にあった。

 「そもそも芸能ネタで坂上さんが叩くのは不祥事を起こしたタレントだけ。現役の芸能人や大手プロにはむしろ擁護的なのでほとんどクレームはついていない。フジの上層部が気にしていたのは明らかに自民党政権の批判ですよ。『バイキング』は途中から扱うニュースも坂上さんが決めるようになったんですが、自民党の不祥事をどんどん取り上げてきましたからね。しかも、坂上さん本人が政権も野党も徹底的に批判する。自民党から番記者を通じてクレームが入ったという報道もありましたが、それ以前に自民党べったりのフジテレビからしたらありえない番組なんですよ」(前出・フジテレビ関係者)

 ◆『モーニングショー』にも負けない『バイキング』の政権批判、坂上忍は安倍応援団も撃退

 実際、番組をきちんと見たことのない視聴者にとっては意外かもしれないが、『バイキング』はこの間、他のワイドショーがさわらない安倍政権菅政権の不正を取り上げ、坂上自身も徹底的に政権を批判してきた。

 政治に対する坂上のスタンスがよくわかったのが、安倍政権の最大の負の遺産ともいえる2015年の安保法制が強行採決に持ち込まれそうになっていた時期だった。

 このとき、坂上は「(安保法案は)僕、大反対なんですね」「武器持たないで憲法9条持ってりゃいいんじゃないの? だって、被爆国なんだから。被爆国にしかできないことあるわけで、いまだからこそ、武器持たない日本でいてほしいなっていうのが強い想いですかね。どちらかと言うと」ときっぱり発言したのである。

 当然、森友学園問題や加計学園問題でも、徹底して安倍首相を批判していた。加計問題を扱った放送では、安倍首相を擁護する評論家の八幡和郎氏に対して、坂上が「八幡さんが着目してるところと国民が着目しているとことはズレてる! 国民が知りたいのは本当かどうかだよ!」「“ご意向”があったのかどうかだよ!」などと発言して口論となり、ネットニュースとして取り上げられることもしばしばだった。 

 また、取り上げるニュースを坂上自身が決めていたためか、『バイキング』では、杉田水脈・衆院議員のLGBT差別発言や伊藤詩織さんの名誉毀損裁判、安倍政権のコロナ対応や黒川弘務・東京高検検事長の定年延長問題、河井克行・案里夫妻の選挙買収問題など、他のワイドショーがあまり取り上げたがらない政権やその周辺の不祥事も積極的に取り上げてきた。

 とくに、河井夫妻の選挙不正問題では独自取材もおこなって真相を追及。どのワイドショー、ニュース番組よりもしつこく追っていたし、黒川検事長の賭け麻雀問題では、同じフジサンケイグループの産経新聞の対応を「個人的には」とエクスキューズつけながら朝日新聞の対応と比較し厳しく批判したこともある。

 また、森友公文書改ざん問題で自殺に追い込まれた赤木俊夫さんの遺書と手記が公開された際には、「各局、新型コロナウイルスのニュースばかりで、ただ、森友問題しかり、再調査しないと。こちらの問題も埋もれちゃいけないんですよね」と発言。実際、その数日後には赤木さんの遺書と手記をスクープした元NHK記者の相澤冬樹氏をゲストに招き、赤木さんの妻・雅子さんも番組中に相澤氏へのLINEを通してメッセージを発信。坂上は「やましいところがないのであれば、真実を明らかにしていただきたいというのが多くの国民の声」と安倍首相の責任に言及した。

 ◆坂上忍『バイキング』は圧力に屈せず最後まで東京五輪批判を貫いた唯一の番組

 なかでも特筆すべきは、東京オリンピックをめぐる報道だろう。

 ワイドショーのなかで唯一、いや、『報道ステーション』(テレビ朝日)のようなニュース番組や大手新聞も含めて、最後まで五輪礼賛に流れることなく五輪批判をしつづけたのは、はっきり言って『バイキング』だけ。それも坂上自身が「反五輪」の立場を旗幟鮮明にしていた。

 実際、坂上は『バイキング』で開会式直前まで東京五輪の開催を批判し再延期を訴え、「五輪選手の活躍を伝えて、次のコーナーでコロナの死者を伝えるなんてできない」と繰り返し発言。五輪期間に入ると、コロナ感染拡大が深刻な局面を迎えているにもかかわらずテレビは完全に東京五輪一色となり、NHKも民放も「金メダルラッシュ」だの「明日の見どころ」だのと総オリンピック特番状態で五輪礼賛に終始していたが、『バイキング』だけは五輪・金メダル礼賛報道をおこなわなかった。

 また、坂上は開会式がおこなわれた7月23日の放送を最後に夏休みで番組を休み、8月4日放送から復帰したのだが、復帰早々、菅政権や東京都のコロナ対応と五輪強行開催を厳しく批判しつづけた。

 「菅総理がずっと繰り返していた安全・安心なオリパラ開催っていうのは、僕は、ある意味、医療従事者の方々がお仕事をする合間にテレビを付けるなりして、応援する物理的な時間と、あとは応援する気持ちになるっていうその状態がある意味、安全・安心なオリパラ開催。もはや、この状況でどうしてくれるんだ?っていう気持ちしか僕にはない」
 「僕がすごく許せないことは、菅総理も小池都知事もオリパラに直接的な原因がないからといって、でも、間接的な要因であることは間違いないはずなんです。なんだけれど、いまの感染爆発状況とオリパラをまったく結びつけようとしない。あの誠意のない答え方をいつまで続けるんだって。一番腹立たしい」

 五輪の開催とともに夏休みに入ったため、一部では「逃げた」などとも揶揄されていた坂上だが、五輪反対の意思は固く、その立場を貫いたのだ。

 しかも、元JOC参与の春日良一氏がラジオ番組で暴露したところによると、『バイキング』のプロデューサーは坂上に対し、オリンピック開始1週間前くらいに「五輪開催反対でなく、中庸でいくように」という方針を示していたが、坂上が徹底抗戦してこの方針をはねつけたのだという。

 ◆維新・松井一郎大阪市長を「上から目線」「権力持たせたらロクなことがない」と批判

 「上の意向」に従うこともなく、五輪礼賛ムードに流されることもなく政権批判をつづけた坂上──。実はつい最近も、こうした姿勢がよくわかった放送回があった。

 日本維新の会代表である松井一郎大阪市長の“30人宴会”問題について他のワイドショーが取り上げないなか、『バイキング』だけがこの問題を取り上げ、松井市長と維新を厳しく批判したのだ。

 維新の“30人宴会”については本サイトでも先日報じたとおり、大阪府は府民に対して「同一テーブル4人以内、2時間程度以内での飲食」を要請しているにもかかわらず、松井市長と維新議員30人が「衆院選の反省会」という名目で“2時間半以上にもおよぶ大人数会食”をおこなっていたことが判明。10日発売の「フライデー」(講談社)がスクープしたものだが、同誌から取材を受けた松井市長は先手を打って9日定例会見でこの問題について明かしていた。

 だが、それも反省どころか逆ギレと開き直りの噴飯ものの会見だったのだが、この問題を報じた新聞やテレビは当初、松井氏の開き直り発言をスルーし、ほとんどのワイドショーは取り上げようともしなかった。

 そんななか、10日放送の『バイキング』では、「大人数はルール内やから」「人数の上限アッパーはない」などと抗弁したり開き直った傍若無人な松井市長の会見の模様、会場となった店や参加者への取材、大阪市民からの批判の声などをVTRやパネルで紹介し、坂上は「会見見ると、『打ち上げじゃない反省会だ』って、そういう問題なのか」などと批判。コーナーの最後にはこうも述べた。

 「いま維新はイケイケだから調子に乗っちゃったのかな」
 「会見見てると、松井さんが、やっぱ会見て記者の人とも顔なじみになるのはわかるんだけど、上から目線というか、なあなあがもうあからさまなんだよ。ああいう関係になると、どこかで勘違いするというか、素直に謝れなくなっちゃうのかなって。そういう姿を見ると、やっぱり同じ人にひとつところで権力持たせたらロクなことがないなって俺は思っちゃいました」

 つまり坂上は、この宴会問題に限らず、松井氏の独善性や記者に対する高圧的な物言い、記者の追及の甘さなども指摘したのだ。

 ◆政権忖度しない坂上忍をコントロールするため投入された“フジのスシロー”平井文夫とも大ゲンカ

 だが、このように時の政権だろうと勢いのある政党の代表だろうと「忖度しない」坂上の姿勢は、フジテレビ上層部から睨まれつづけてきた。

 前述したように、昨秋には「週刊文春」(文藝春秋)に「『なんでできねえ!』坂上忍パワハラ”に『もう限界』フジ内部調査」と題した記事が掲載され、坂上にパワハラ疑惑が持ち上がったが、このとき「文春」が報じたフジのパワハラ内部調査はそもそも坂上潰しが目的で、9月改編での打ち切りを狙って6月ごろから複数のマスコミに盛んにリークされていた。

 実際、「坂上によるパワハラ」とされたものの多くは、番組内容をめぐる対立で相手もADや下請け制作会社社員などではなく、プロデューサーやディレクターなどの責任者で、坂上とどちらが「優越的な立場」にあるのか微妙なところだった。しかも、坂上が激昂した理由は、番組内容が圧力で変更になったことなどに対して坂上が抵抗したというものだった。このとき坂上は調査に徹底抗戦し、結果パワハラ認定されることはなく、昨年9月での番組打ち切りは頓挫。むしろ番組は2時間から2時間40分に拡大され、番組名も『バイキングMORE』へとリニューアルした。

 しかも、フジの上層部は坂上の政権批判を厭わない姿勢に対し、安倍応援団を投入することで番組内容をコントロールしようとしたこともあった。

 『バイキング』は過去に竹田恒泰有本香といったネトウヨ安倍応援団も出演してきたが、『ひるおび!』の田崎史郎のように恒常的に出演することはほとんどなかった。または、前述した八幡氏の場合がそうだったように、坂上と論争となって番組に呼ばれなくなるといったこともあった。ところが、坂上の政権批判がコントロールできないため、政権に近いフジの上層部や報道局から番組サイドにクレームが相次いだせいか、コロナ下の失政続きもあり番組の安倍政権批判がより一層勢いを増していた2020年5月半ばくらいからは露骨な安倍応援団ぶりで知られる“フジのスシロー”こと平井文夫解説委員を投入。平井解説委員は田崎史郎でもしないようなデマまがいの無理やりすぎる政権擁護をたびたび展開したのだ。

 だが、坂上は平井解説委員の政権擁護に対しても番組中に反論。たとえば昨年の「GoToキャンペーン」強行について、坂上やコメンテーターらは厳しく批判したのに対し、平井解説委員が批判を封じるようなコメントをしたところ、坂上は平井氏に対して「言論封殺」「まるで政府の一員の方のような意見」と強い調子で反論し、平井氏の政権御用ぶりを批判した。

 その後、平井氏は昨年10月に菅政権の「日本学術会議」任命拒否問題をめぐって完全なデマ発言をし、後日番組は訂正・謝罪をおこなった。それを最後に平井氏は番組から消えたが、いかにフジ上層部が『バイキング』における坂上の司会ぶりを疎ましく見ていたかがわかるだろう。

 しかし、フジ上層部が坂上を厄介払いした背景には、自民党への忖度だけではなく、ネトウヨらによる抗議も影響を与えたはずだ。実際、坂上が安倍政権の批判を繰り出していた2017年には、ネット上では「坂上消えて欲しい」「偏向報道」などといったディスが溢れ返り、さすがの坂上も「結構、僕らだってね、なんかこうやっていつも政権に対してブーブー文句を言ってるとね……自民党さんを応援してないのかって? とんでもないことであって! いまのこの状況考えたら、ちょっと、まあ消去法じゃないけど、しょうがねーなって思ってる人多いと思うんですよ」などとエクスキューズをしたこともあった。

 いずれにしても、こうした自民党政権批判を嫌がったフジ上層部が坂上を切るために、『バイキング』そのものを終わらせたのんである。

 はっきり言って、いまのメディア状況のなかで、『バイキング』がなくなる損失は大きいと言わざるを得ない。

 もちろん、『バイキング』および坂上は、眞子内親王の結婚をめぐる小室圭さんへの度を越したバッシングや、パワハラや女性蔑視に対する意識の低さ、大手芸能事務所への忖度など問題も数々あったことは事実だ。だが、政権批判にかんしては他のワイドショーとは一線を画していたし、前述したように他のワイドショーが取り上げないような政権の不祥事にかんする批判的報道もこまめにやってきた。実際、政権に批判的だとされてきた『羽鳥眞一モーニングショー』(テレビ朝日)でも扱わず『バイキング』だけが取り上げるという問題も少なくなかった。

 だが、いまやその『モーニングショー』も忖度せずに政権批判をおこなう青木理らのコメンテーターが外されたことで明らかにパワーダウン、真正面から政権批判をおこなえるワイドショーは『バイキング』だけの状況だった。しかし、その『バイキング』と坂上が消えるとなれば、もはやワイドショーは死に体に等しい。

 坂上はそのパワハラ気質のせいか左右関係なく嫌われていたため、ネット上では番組終了の報に快哉を叫ぶ意見ばかりが目立つ。だが、こうしてまともな政権批判がおこなえる番組が、またひとつ消えてしまうのだ。これはけっして喜ぶことはできない現実だろう。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 芸能・エンタメ 【テレビ】  2021年12月13日  11:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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