【政界地獄耳】:中国への外交ボイコット問題 日本はしばらくのらりくらりか/12.09
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:中国への外交ボイコット問題 日本はしばらくのらりくらりか/12.09
★年の瀬にまた世界がきな臭くなってきた。6日の米国の決定に続いて8日、オーストラリアのモリソン首相も中国政府は人権侵害などオーストラリアが提起した複数の問題についてまだ対応しようとしていないと指摘し、「そのため、豪政府高官が五輪のために中国に行かないのは驚くべきことではない」と来年の北京冬季五輪に政府高官を派遣しないとした。この動きに英国が第3の外交ボイコット国になるのではないかとささやかれる。既に英下院では7月に外交ボイコットを求める非拘束決議が採択されている。
★カナダ外務省は6日、「中国の人権侵害に関する報道を深く憂慮しており、この問題について同盟国と議論を続ける」と検討課題であることを告げている。ドイツのショルツ新政権は外相に中国の人権問題に厳しい緑の党の共同代表・アンナレーナ・ベーアボックが就任。外交ボイコットどころか選手団も送らないかもしれない。一方、イタリア、ギリシャ、フランスは参加に前向きともとれる。インドのジャイシャンカル外相は「スポーツと政治は別だ」との考えに沿うようだ。世界は米国追従ばかりでもない。ただ「中国との貿易が強化されている国は政治的判断だけでは決められない要素がある」(自民党議員)と水面下ではさまざまな外交判断があることをのぞかせる。日本はしばらくのらりくらりか。
★他方、ロシアがウクライナとの国境地帯に9万人超とされる大規模な軍隊を集結させており、ウクライナ侵攻が懸念される。7日にはバイデン米大統領とプーチン露大統領がオンラインで2時間協議したが議論は平行線だった。同日バイデンは英国、仏、独、伊各国首脳と電話で協議。この深刻な問題が重大な局面を迎えれば北京冬季五輪どころではなくなりかねない。日本の国会は10万円をクーポンか現金か、どう払うかで忙しい。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2021年12月09日 08:38:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。