路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説】:骨太方針 財源論議の先送り改めよ

2023-06-18 06:01:00 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【社説】:骨太方針 財源論議の先送り改めよ

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:骨太方針 財源論議の先送り改めよ

 国民負担の議論から逃げてばかりではないか。岸田文雄首相は重要政策に必要な財源の先送りを改めるべきだ。  

 巨額の借金を抱える日本の財政は主要国で最悪である。必要なときには増税を含む財源確保策を国民に示し、広く理解を求めるのが政治の責任であるはずだ。

 政府は当面の経済財政運営の指針となる骨太方針をまとめた。多額の予算を必要とする施策が並んでいるものの、実現の裏付けとなる財源がはっきりしない。

 少子化対策はその典型だ。首相は年頭の記者会見で、子ども関連予算の倍増に向け、骨太方針の決定までに大枠を示すと表明していた。

 今月公表した「こども未来戦略方針」は、2024年度から3年間に年3兆円台半ばを費やし、児童手当を拡充することなどを打ち出した。財源は歳出改革や新設する支援金制度が挙がる。  歳出改革は防衛費増額の財源でもあるが、何を削るのかは明らかでない。支援金制度にしても、社会保険料の上乗せが想定されるだけで規模は判然としない。

 いずれも現時点では安定財源と呼べない。  

 一方で首相は消費税を含む増税をきっぱりと否定する。少子化対策を発表した先日の記者会見でも「国民に実質的な追加負担を求めることなく進める」と強調した。衆院解散を視野に、国民に負担増を求めるのは得策ではないと判断したようにみえる。

 経済界は社会保障財源として、消費税を含む新たな税負担の検討を求めている。消費税は年金、社会保障、少子化の政策経費に充てると法律に明記されている。

 歳出改革を進めるのは当然だが、それだけでまとまった財源を確保できるのか。賛否両論があっても、増税を選択肢から外すのは早計だろう。  

 政府の全世代型社会保障構築会議は、昨年12月の報告書で「恒久的な施策には恒久的な財源が必要」と記した。少子化対策や社会保障には、やはり安定財源が欠かせない。

 財源が不透明なのは、5年間で総額約43兆円に増やす防衛費も同じである。  

 予算の一部は増税で賄う。その時期は24年以降としていたが、自民党の提案を受けて25年以降への先送りをにじませる書きぶりに変わった。

 骨太方針には他にも気がかりな記述がある。  「予算の単年度主義の弊害是正」を名目に、多年度にわたる重要政策課題に基金で対応するという。基金を活用した事業は監視の目が届きにくく、無駄遣いが繰り返されてきた。安易な歳出拡大を防ぐ手だてが必要だ。

 財政健全化については「これまでの健全化目標に取り組む」としたものの、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を25年度に黒字化する政府目標の記載は見送った。

 危機的財政を立て直す決意は伝わってこない。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【社説】  2023年06月18日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:首相の解散権 党利党略でもてあそぶな

2023-06-18 06:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【社説】:首相の解散権 党利党略でもてあそぶな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:首相の解散権 党利党略でもてあそぶな 

 永田町に吹く解散風をあおり、自ら収束させたのは、解散権を握る岸田文雄首相だった。全衆院議員の身分を奪う権力をもてあそぶに等しい。

 政府、与党が最重要法案と位置付ける防衛財源確保法が成立し、今国会はヤマ場を越えた。会期末が近づくにつれて、野党の内閣不信任案提出を「大義」とする衆院解散説がしきりと流れた。

 自民党内では、5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)後の早期解散論が早くからささやかれていた。首相長男の公邸忘年会やマイナンバーカードの問題が相次いだことも「野党の選挙準備が整わないうちに」というムードを広げた。

 首相は13日に「今は考えていない」とする決まり文句を変え、「情勢を見極めたい」と解散に含みを持たせた。抵抗姿勢を強めていた野党をけん制する意図は明白だ。

 その2日後、会期内解散を明確に否定した。これも異例だ。狙いが当たり、法案処理のめどが立ったからだろう。

 政治に駆け引きは付きものだ。それにしても、解散を露骨ににおわせて主導権を握ろうとするのはいかがなものか。

 本当に解散するなら、首相は有権者の判断を仰ぐ材料を示さなければならない。

 だが、防衛力の抜本的強化は具体的な内容を国会や記者会見でいくら問われても答えず、国民の痛みを伴う財源論議は先送りした。少子化対策も同様だ。

 岸田政権の評価に不可欠な政策論議を抜きに、政権にとって有利なタイミングを見計らって解散するようでは、党利党略のそしりは免れまい。

 4年の任期を折り返してもいないのに議員が選挙準備に浮足立っていては、国政課題への対応がおろそかになるばかりか、有権者の不興を買うことは口に出せなくなる。これこそが解散風の弊害だ。

 解散・総選挙を重ねて長期政権の基盤を固めた安倍晋三政権以降、国会に対する内閣の優位や与党内の「政高党低」が強まっている。国会の監視機能の低下も指摘される。

 解散権の乱用がもたらす選挙至上主義は、この国の政治を確実に劣化させる。首相は自覚すべきだ。

 政治家は「解散は首相の専権事項」とよく口にするが、憲法が規定しているのは天皇の国事行為(7条)と、内閣不信任決議案可決などを受けた場合(69条)だけだ。首相が好きな時に解散してよいとはどこにも書いていない。

 解散は政権が国民に信を問うためのものであり、権力維持の手段ではない。乱用に歯止めをかける手だてを、次の総選挙までに各党、政党間で議論を深めてはどうか。争点に値する。

 解散・総選挙は国民にとっても重大事だ。メディアが報道に力を入れるのは当然であるとはいえ、政治家の片言隻句に踊らされてはならない。不毛な駆け引きに加担しないよう自戒したい。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【社説】  2023年06月17日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:LGBT法修正 当事者は置き去りなのか

2023-06-18 06:00:20 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【社説】:LGBT法修正 当事者は置き去りなのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:LGBT法修正 当事者は置き去りなのか

 性的少数者への差別、偏見をなくすための法整備ではなかったのか。原点に戻って検討し直すべきだ。

 議員立法によるLGBT理解増進法案は、参院での審議が大詰めを迎えている。

 衆院と参院の委員会審議はともに数時間だけだった。参院が当事者を参考人として招いたものの、問題点は多く残っている。あまりに拙速だ。

 法案は衆院で審議を始める直前に、与党が日本維新の会と国民民主党の案をほぼ丸のみして修正した。

 超党派の議員連盟が一昨年にまとめた法案は「差別は許されない」と明記したが、与党案は「不当な差別はあってはならない」に弱めていた。

 修正によって改まるどころか、さらに後退したと言っていい。特に問題なのは、関連施策を実施する場合に「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」との条項が加わったことだ。

 かえって多様性への理解を阻害し、少数者を排除することにつながらないか。当の性的少数者は落胆している。

 追加された条項は、法整備に疑念を抱く人への「配慮」と捉えられる。自民党の保守派などは「法が成立すれば、女性と自称する男性が女湯や女性トイレに入れるようになる」と主張していた。

 そもそも理解増進法は理念法で、新たな権利を認めるものではない。

 公衆浴場法や混浴可能年齢を制限する条例は既にある。与党案を提出した自民党議員もこうした点に触れ、保守派が言うような行為は認められないと法案審議で明言した。

 性被害の不安を覚える人への配慮が必要とはいえ、いたずらに不安をあおり、性的少数者への偏見を助長する言動は厳に慎むべきだ。

 修正案は自分の性認識を指す言葉を「ジェンダーアイデンティティ」と表記した。超党派案の性自認、与党案の性同一性の英訳である。

 定義が曖昧で、国民に分かりにくい。法の目的である理解増進にマイナスだ。

 学校で教育や啓発を行う際に、家庭や地域住民、関係者の協力を得ることも追加された。LGBT教育に慎重論もある現状に照らせば、自治体や教育委員会が反対運動を恐れて萎縮しかねない。

 法案の修正は岸田文雄首相の指示で加速した。先月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳声明は性的少数者の権利保護を盛り込んだ。議長国として他国より遅れている法整備を急ぐのは当然としても、当事者を置き去りにするのは本末転倒である。

 同性婚が認められない現状に対し、違憲、違憲状態と断じる司法判断が続く。性的少数者の権利保護、暮らしやすい社会づくりへ政治がやるべきことは山積している。

 理解増進法はゴールではなく、始まりに過ぎない。まずは、法案審議の過程であらわになった政界と社会の意識差を早急に埋めるべきだ。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【社説】  2023年06月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【自民党】:石破茂氏「37年やっているがこういうのは珍しい」衆院解散めぐる岸田首相の発信に言及

2023-06-18 00:10:50 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【自民党】:石破茂氏「37年やっているがこういうのは珍しい」衆院解散めぐる岸田首相の発信に言及

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民党】:石破茂氏「37年やっているがこういうのは珍しい」衆院解散めぐる岸田首相の発信に言及 

 自民党の石破茂元幹事長は16日夜、大手動画サービス「ニコニコ」の報道番組に電話生出演し、岸田文雄首相による衆院解散見送り表明をめぐる動きについて「37年(国会議員を)やっているが、こういうのは珍しい。解散はスリルに満ちたものだが、今回みたいに、総理自身がやるとかやらないとか発信してというのは、感じとして初めて」と、感想を述べた。

自民党・石破茂元幹事長(2023年4月13日撮影)自民党・石破茂元幹事長(2023年4月13日撮影)

 石破氏はまた同日、自身のブログを更新。岸田首相が今の通常国会での衆院解散を見送った判断に関して、自民党本部による衆院選に向けた情勢調査の内容が「推測ですが、かなり厳しいものだったのではないか」との分析をつづった。

 石破氏は「自民党本部が行う選挙区ごとの世論調査はサンプルを多く採り、極めて精密に分析がなされるもの。その結果は間違いなく総理・総裁に報告されているはずです」と、指摘。報道各社の調査を念頭にしながら「無党派層が増大しているのが直近の特徴。現状においてこの層が自民党に投票する比率はかなり低いと思わざるを得ず、これが接戦区においては大きく効いてくると考えられる」と、現状は無党派層からの支持を十分得られていないのではないかと指摘した。

 さらに「公明党からの支援が全面的に得られない選挙区がある程度存在するとすれば、あくまで推測ですが、調査結果はかなり厳しいものだったのではないでしょうか」と記した。

 解散する場合に求められる「大義」にも言及。「大義などという大仰なものではなくても、衆議院において不信任案を否決するのに十分な多数を持ちながら国民に審判を仰ぐからには、有権者に問うべきテーマが必要なのは当然」とした上で「防衛費増額および少子化対策の内容と予算・財源こそがそれであるべきでしょう。『徹底した歳出削減』についても、何をどれだけ削減するのかを明確にしなければ、単なるスローガンや決意との批判を免れません」と記した。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・自民党】  2023年06月17日  11:20:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2023年06月16日 今日は?】:「U字工事」益子卓郎、誕生

2023-06-18 00:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2023年06月16日 今日は?】:「U字工事」益子卓郎、誕生

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2023年06月16日 今日は?】:「U字工事」益子卓郎、誕生

 ◆6月16日=今日はどんな日

  新潟県沖で大地震発生。昭和石油のタンク爆発など大きな被害(1964)

大きく傾いた県営川岸町アパート
昭和石油の火災(1964年6月17日)

 ◆出来事

  ▼俳優鶴田浩二さんが62歳で死去(1987)▼政府が天皇陛下の退位を実現する特例法を公布(2017)

つるた こうじ
鶴田 浩二
鶴田 浩二
天皇の退位等に関する皇室典範特例法
日本国政府国章(準)
日本の法令

  第125代天皇 明仁
  第126代天皇 徳仁

 ◆誕生日

  ▼山本晋也(39年=映画監督)▼ねじめ正一(48年=作家)▼Char(55年=ギタリスト)▼池井戸潤(63年=作家)▼ほんこん(63年=芸人)▼益子卓郎(78年=U字工事)

U字工事・益子卓郎(2022年9月撮影)U字工事・益子卓郎(2022年9月撮影)

 ▼前田希美(93年=モデル)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2023年06月16日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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