路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:刑法改正案が衆院可決…性犯罪処罰のハードルは上がったのか、下がったのか?

2023-06-02 07:48:50 | 【法務省・法制審議会・検察庁・地検・保護司・刑法・刑罰・死刑制度】

【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:刑法改正案が衆院可決…性犯罪処罰のハードルは上がったのか、下がったのか?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:刑法改正案が衆院可決…性犯罪処罰のハードルは上がったのか、下がったのか?

 『(性行為を)同意しない意思を形成、表明、若しくは全うすることが困難な状態に陥ったことが、この罪の成立には必要ですので、これらが認められなければ成立しないことに成ります。』(松下裕子・法務省刑事局長)

<picture>法務省(C)日刊ゲンダイ</picture>

          法務省(C)日刊ゲンダイ

                ◇  ◇  ◇

 これは、5月24日の衆議院法務委員会での、「被害者は同意しない意思の形成、表明、全うな困難はなく、最初から同意しないと言い続けているのに、相手が暴行も脅迫も使わずただひたすら進んで、そして終わってしまったら不同意性交等罪に該当しますか?」、という質問に対する法務省刑事局長の答弁だ。

 わけがわからん。そもそも不同意性交等罪を作りたかった声の大きな人たちは、その理由を、

『嫌だといってる相手に無理やりしたらレイプ。法で罰すべきだ』

 といっておった。

 当たり前じゃ。あたしもそれには賛成よ。

 だけど、今回の新法はそうなっていないんじゃない? その条文に、『嫌だと言ったら』ということが書かれてないから、逆に『嫌だと言っても』、その上に『困難』である事情が認められないと、法律上レイプと認定されないことが出てくるかもしれない。

 これでは、性犯罪処罰のハードルが上がったのか、下がったのか? 

 どうして、こんなことになったのか? 法制審議会の議事録に書かれてあった。

 簡単にいうと、

『嫌ですって言ったら犯罪です、という法律を創ったら、被害者に嫌だと言う義務を課すこと、になってしまうから適当でない』

 からなんだって。

 結局さ、『嫌だと言えない人を含め、すべての人を救おう』とするあまり、『嫌だといえる多くの被害者を救えない』ことになったわけ。

 もう一度いう。どうしてこんなことになったのか? 自称・政治に影響力のある口うるさいフェミニストたち、そのフェミと仲良くやってる政治家たち、ちょこっと頭悪いかも。

室井佑月
著者のコラム一覧
 ■室井佑月 作家

 1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載・「室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」」】  2023年06月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:SHELLYさん、5%って「20人に1人は冤罪」つーことだよ 彼女を代理戦争に突っ込ませたのは誰だ?

2023-06-02 07:48:40 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:SHELLYさん、5%って「20人に1人は冤罪」つーことだよ 彼女を代理戦争に突っ込ませたのは誰だ?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:SHELLYさん、5%って「20人に1人は冤罪」つーことだよ 彼女を代理戦争に突っ込ませたのは誰だ?

 『性被害に対して、人は嘘はつかないんです』(SHELLY・タレント)

  ◇  ◇  ◇

 5月16日、タレントのSHELLYさんが、国会に参考人として呼ばれた。なんでも彼女は、ライフワークで性教育問題に取り組んでいるという。YouTubeで性教育の番組をしているようで。

<picture>SHELLY(C)日刊ゲンダイ</picture>

        SHELLY(C)日刊ゲンダイ

 彼女はロサンゼルス市警が2014年に行った調査を挙げ、「虚偽と証明された事件では、届出をされたレイプ事件の約5%未満。これは国際的な調査と一貫性が取れている。世界的に性犯罪の虚偽申請は5%未満。つまり、性被害に対して、人は嘘はつかない」

 と言い切った。5%って、20人に1人は冤罪つーことだよ。それを0と認識していいわけないじゃん。つか、SHELLYさん、草津の冤罪事件を知ってる?

 誰ですか? 彼女を国会に呼んだのは? てか、何も知らない彼女を代理戦争に突っ込ませているのは? それは、前半に出た彼女のこの話にヒントがある。

 彼女は自分のYouTubeに寄せられた声、

 「政治家たちが本気でそういう恋愛もあると主張しているの、本気で気持ち悪い」

 と読み上げた。

 「……私の言葉じゃないんで(気持ち悪いは)」

 と訂正しながら。

 それって、元衆議院議員であった立憲の本多平直さんのことディスってる? 間違えた情報で。

 本多さんは性に関する会議で、市民を縛る法の話をした。それが仕事だ、当たり前だ。しかしそのことを歪曲させ、本多さんがスケベオヤジのようにメディアに流した人間がいる。その新法をごり押ししたかった側の。

 SHELLYさんの話、未成年を性加害から守れというのは本当にその通りだと思う。が、今、問題はもうそこを超えている。市民を守る法を厳守したいものと、カルト的な性犯罪に、思想を広めたいものとの戦いになっている。後者の方は、違う意見があるとすぐ「アンフェ」「性業者側」とレッテルを張るならず者だ。

室井佑月
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 ■室井佑月 作家

 1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 芸能 【芸能・エンタメニュース・連載・「室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」」】  2023年05月26日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:蓮舫さん、自分とこのボスでしょ。なんで、そこまでして虐めるんだよ。

2023-06-02 07:48:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:蓮舫さん、自分とこのボスでしょ。なんで、そこまでして虐めるんだよ。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:蓮舫さん、自分とこのボスでしょ。なんで、そこまでして虐めるんだよ。

 『なぜ同じ党の仲間であり、幹部経験者でもあるのに、こんな投稿をツイッターでされるのですか? やめませんか』(泉健太立憲民主党代表)

 そうだ、そういうことはやめろよ、蓮舫

 あ、呼び捨てしちゃった。ヤベェヤベェ。

 でもさ、今回の蓮舫さんのやり方について、あたしも嫌な感じがした。

<picture>蓮舫参院議員(C)日刊ゲンダイ</picture>

        蓮舫参院議員(C)日刊ゲンダイ

 なんのことかというとですね。泉さんは10日、両院議員懇談会で、仲間から(蓮舫さんもその中心人物)突き上げをくらった。そして、

 「立憲民主党は政権を目指していく政党なので150議席は必達目標だ。それができなければ辞任するのは自分なりの覚悟だ」と発言した。

 今の立憲がそんなに議席取れる? とか意地悪な人もたくさんいたけど、野党を応援しているあたしは、

 「そのやる気は大事」

 と思った。

 しかし、そのことがニュースでさんざん報じられると、泉さんはツイッターで、できなかったら辞任ということではない、と気弱なことをいいだした。それに対し蓮舫さんが、「こういう弁明はどうなの?」とネチネチ追い討ちをかけたんだ。

 自分とこのボスでしょ。なんで、そこまでして虐めるんだよ。

 あんたらが追い詰めなきゃならんのは、自民党。それが満足にできてないのに、なんで仲間を打つんだよ。

 思い返せば2016年の民進党の代表選、蓮舫氏と争ったのは、前原誠司氏と玉木雄一郎氏だった。

 その最中、涙ぐんだ玉木さんに向かって、蓮舫さんが、

「玉木くん、男が泣くな」

 とのたまった。

 これはあたしの感想だが、それから蓮舫さんと一緒に代表選に出て、「君」づけでカツをいれられた玉木くんと前原くんが、とても小粒に見えるようになった。

 こういうの、さげまん効果っていうんじゃね? そう密かに、実は思ってる。

室井佑月
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 ■室井佑月 作家

 1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載・「室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」」】  2023年05月19日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:学術会議の意味ないじゃん 会員選考めぐる世耕さんの言葉はまるで恫喝

2023-06-02 07:48:10 | 【学術・文化・文芸・芸術・芸能・小説・文化の担い手である著作権】

【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:学術会議の意味ないじゃん 会員選考めぐる世耕さんの言葉はまるで恫喝

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:学術会議の意味ないじゃん 会員選考めぐる世耕さんの言葉はまるで恫喝

 「(改正案が)のめないのであれば、組織形態を根本から変える。国のお金に頼らない自立的民間的組織としてやっていく方を選択されるのかを問う期間になる」(世耕弘成参院幹事長・自民党

 これは4月21日付の『朝日新聞DIGITAL』『学術会議「改正案のめなければ民間的組織に」自民・世耕氏譲歩迫る』という記事の中に出てきた世耕さんの言葉。

<picture>世耕弘成参院幹事長・自民党(C)日刊ゲンダイ</picture>

  世耕弘成参院幹事長・自民党(C)日刊ゲンダイ

 日本学術会議の会員選考に、政府の委員が口を出せるようにする学術会議法改正案について、政府は今国会への提出見送りを決めた。そのことについて会見での世耕氏の発言だ。

 今国会で政府は見送りを決めたけど、全然諦めていない様子。自分らのいうことを聞かないなら10億円の予算は払わないからな、といっておる。学術会議は、民間組織になって自分達で資金集めをしろ、と言う恫喝だ。

 そもそもは、2020年10月、当時の菅総理が、政府に批判的な学者を学術会議会員に任命しなかったのが発端だ。安保法制や共謀罪、特定秘密保護法について、専門的見地からは反対となり、そんな耳が痛い提言なぞ聞きたくないという子供っぽい理由だった。で、政府は学術会議の会員の選任に口を出す今回の改正案を作った。

 それに対し、学術会議側が猛反発。当たり前だ。だって、政府のいってることを通したら学術会議の意味ないじゃん。

 この世耕氏の発言に、ネトウヨ風味な人たちが、「国の意見を聞けないなら税金を出さないのは当然!」などといっているが、頭がおかしい。学術会議が民間組織になれば、運営費をスポンサーから得なければならず、スポンサーである大企業の意見を無視できなくなる。それじゃ、大所高所から学術的意見をいう学術会議の意味がないがな。

 人間、誰もが間違う。だから、賢い人ほど、自分の間違いを指摘してくれる専門家に、あえてお金を払う。国家も同じ。日本は賢くない国家?

室井佑月
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 ■室井佑月 作家

 1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載・「室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」」】  2023年04月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:「戦える自衛隊に変えていかないと」と麻生さん…あのね、自衛隊はもう戦っている

2023-06-02 07:48:00 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・核兵器・武装・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:「戦える自衛隊に変えていかないと」と麻生さん…あのね、自衛隊はもう戦っている

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:「戦える自衛隊に変えていかないと」と麻生さん…あのね、自衛隊はもう戦っている

 『今までの状況と違う。戦える自衛隊に変えていかないとわれわれの存立が危なくなる』(麻生太郎自民党副総裁)

 これは4月17日、麻生さんが福岡市で行った講演で述べた言葉。同日の『KYODO』の『麻生氏「戦える自衛隊に」安保環境の変化踏まえ』という記事の中の。

<picture>戦える自衛隊にというが…(自民党の麻生太郎副総裁)/(C)日刊ゲンダイ</picture>

 戦える自衛隊にというが…(自民党の麻生太郎副総裁)/(C)日刊ゲンダイ

 なんでも麻生さんは、『北朝鮮の弾道ミサイル発射や、台湾有事の可能性といった日本を取り巻く安全保障環境の変化に触れ』、冒頭の発言をしたのだとか。

 そういや、「国難を突破する!」といって解散ぶっこいた時もあったなぁ。超少子高齢化や北朝鮮のことなど、なにひとつ急な出来事はなかったというのに。 

 麻生さんのいう、「我々の存立が危なくなる」という言葉の「我々」とは、なにを指しているのか。

 日本であるというなら、憲法を勝手に解釈したりしない。そして、その理由を、あたしたちにきちんと説明しない、なんてことしない。あたしたちが日本なのだ。

 冒頭の麻生発言の『我々』とは、憲法改正が悲願の一部の人のことなのか? いいや、それも違うかも。悲願の仲間ということでもなく、それらを選挙に利用する極少数の政治家が麻生氏にとっての『我々』なのだろう。

 よって、自衛隊も仲間じゃない。ただの駒のような扱いだ。

 あのね、自衛隊は、もう戦っている。米国から武器を大人買いはするけれど、現場の人には金をかけない政府のせいで、トイレットペーパーをケチらなければならない劣悪な環境下の元、一生懸命、私たちを守ってくれている。

 地震や台風が起これば、真っ先に駆けつけてくれる。

 下水道が溢れる不潔な水の中であっても、底が見えず釘などが飛び出てそうな瓦礫がたまってそうな所であっても、彼らは躊躇せず、私たちを助けるため前に進んできた。常に笑顔で。
 
室井佑月
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 ■室井佑月 作家

 1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載・「室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」」】  2023年04月21日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田政権】:姑息な「増税隠し総選挙」本命は7.23に…少子化財源先送りで早期解散説が再燃

2023-06-02 07:47:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【岸田政権】:姑息な「増税隠し総選挙」本命は7.23に…少子化財源先送りで早期解散説が再燃

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権】:姑息な「増税隠し総選挙」本命は7.23に…少子化財源先送りで早期解散説が再燃

 「やはり、早期解散に踏み切るつもりか」──。そんな臆測が永田町で広がっている。

 岸田首相は5月31日、異次元の少子化対策に関して、3年間の集中的な取り組み期間の予算を3兆円から「3兆円台半ば」に引き上げるよう指示。その一方で、具体的な財源については議論を先送りすることを決めたからだ。

<picture>かりゆしを選んでご機嫌な岸田首相(C)日刊ゲンダイ</picture>

  かりゆしを選んでご機嫌な岸田首相(C)日刊ゲンダイ

 1日開催の「こども未来戦略会議」で示した方針案には「具体的な内容、予算、財源を一体的に検討した上で、年末までに結論を出し、『こども未来戦略』を策定する」と書かれている。年末の予算編成過程まで先送りするのだ。

 「本来は、6月中に閣議決定する『経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)』に具体的な財源を書き込む必要がある。それを先送りするのは一種の“禁じ手”ですが、有権者からの反発を恐れたのでしょう。社会保険料の負担増か、増税は不可避ということです。骨太の方針では、高等教育の支援拡充など有権者が喜びそうな政策を華々しくブチ上げ、選挙で信任された後に負担増の話をしたいのだと感じました。財源論の先送りによって、総理は年末まで解散のフリーハンドを得た形です」(自民党幹部)

 岸田首相は「骨太」の原案を今月7日までにまとめるよう調整を急がせているという。解散戦略に影響するからだろうが、通常国会会期末の6月21日が近づく中で参院での審議日程が窮屈になっているのも事実だ。

 ■2週間の会期延長か

 「入管法改正案は今週がヤマ。防衛力強化のための財源確保法案は、鈴木財務相の不信任などで、衆院通過が当初の予定より2週間ほど遅れてしまった。解散を視野に入れると、会期内の成立は微妙なところ。逆に言えば、会期延長なら今国会で解散の可能性が高まる」(自民国対関係者)

 2週間程度の会期延長なら、6月末解散で7月投開票という日程感が考えられる。有力なのは6月30日解散、7月23日投開票だ。6月30日は大安で、7月の大安の日曜日は23日だけ。しかも、この日は最強開運日とされる「一粒万倍日」でもある。

 問題は、公示日が7月11日になること。岸田首相は昨年に続きNATO首脳会議に参加する方針だが、今年は7月11、12日にリトアニアで開催される。

 「公示日の第一声を済ませた足でリトアニアに飛んでNATO首脳会議に臨む“ウルトラC”も囁かれている。サプライズ好きで体力自慢の岸田首相ならやりかねません」(野党ベテラン議員)

 外交アピールで増税隠しの選挙とは姑息。それで勝たせたら、待っているのは異次元の負担増だ。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・政局・次期衆院選挙】  2023年06月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【政界地獄耳・05.26】:身内に甘い維新は「安倍政治の申し子」か

2023-06-02 07:40:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳・05.26】:身内に甘い維新は「安倍政治の申し子」か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・05.26】:身内に甘い維新は「安倍政治の申し子」か 

 ★「ふざけんなや」「こっちこいや」といった言葉は普通の社会でも、先輩が後輩の女性になかなか使わない言葉だ。ましてそれが大阪府議大阪維新の会大阪府議団代表・笹川理が同党市議に向けたSNSでの発言だというから恐れ入る。維新の議員は地方議員から国会議員まで国民の代表として模範を示すほどの人格品格は問われない。また維新支持者や有権者も、容認してきたが不祥事絶えない。ことの重大さを感じない維新神経相当なものだ。維新身を切る改革というが身内には甘い

 ★15年、笹川に被害を受けた女性市議が党に訴えると、当時幹事長だった前大阪市長・松井一郎笹川やめろ指導していた。今回も笹川謝罪決着していたが、突如府議団長を辞任した。思えばコロナ禍で国民全体が協力、自粛していた時にも松井自身が「2時間程度以内、1テーブル原則4人以内」と市民に指針を示しながら、飲食店に党関係者や議員などを集め30人で2時間半以上にわたり「反省会」を開いた。松井は「人数の上限はないもん。だからやった。問題あります」と言い放った。ほかにも東京都港区議が女子高生3人に下半身を露出して逮捕。大阪市議が街宣車の運動員に報酬を払い公職選挙法違反逮捕。大阪府松原市の市議は議会を体調不良で欠席し妻と沖縄旅行。江戸川区議はひき逃げで道路交通法違反と自動車運転死傷処罰法違反容疑で書類送検。政治家の前に倫理観欠如といえる。

 ★無論、他党にも不祥事はある。だが短期間にこれほどの事態異例だ。在阪メディア維新に寛容だということもある。問題は社会も政界もこの程度のことと高をくくり、いちいちとがめなくなった。あえて言えば、安倍政権時代から超法規的に文書を改ざん、虚偽答弁も悪い事とか恥ずかしい事と当事者が感じず、国民の倫理観がずれ、このくらいなら良いのかなと事態見くびる状況続いたからではないか。維新安倍政治申し子か。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年05月26日  08:37:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:同性婚否定「違憲」判決 一刻も早く国は法整備を

2023-06-02 07:00:35 | 【LGBTQ+=レズ、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダ...

【社説】:同性婚否定「違憲」判決 一刻も早く国は法整備を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:同性婚否定「違憲」判決 一刻も早く国は法整備を

 婚姻の平等へ道を開こうと促す司法の強いメッセージだ。

 同性婚を認めない民法や戸籍法の規定が憲法に違反すると、名古屋地裁が判決を出した。5地裁で起こされた同種の訴訟のうち4件目で、「違憲」は札幌地裁に続き2例目となった。

 自ら選択や修正の余地がない性的指向を理由に婚姻に制約を課す実態は、法の下の平等を定めた憲法14条に違反するとした。つまり同性カップルへの差別的な扱いだとの指摘である。

 とりわけ画期的なのは、婚姻の自由を定めた憲法24条2項にも違反するとし、札幌地裁より踏み込む判断を示した点だ。

 2項は、結婚や家族に関する法律は「個人の尊厳」に立脚すべきだと規定する。これを起点に、同性カップルが重大な法的利益のある法律婚から一切排除された現状を放置することは、合理性を欠くとした。

 少数者に寄り添う、まっとうな判断だ。少数者は差別を受けやすく、偏見の対象にもなりやすい。その救済は司法の責務との姿勢を感じ、うなずける。国は重く受け止め、一刻も早く法整備に着手すべきである。

 判決は、多くの同性カップルが法律婚が認められずに大きな不利益を被っていると、繰り返し言及した。原告の男性カップルは購入したマンションを共同名義にできず、パートナーがかかった病院で家族として扱われるか不安がる。異性カップルとの格差が、いかに理不尽か。今回の判決後、当事者たちが上げた「生きていく勇気をもらった」との言葉ににじみ出る。

 判決は違憲と判断した大きな理由として、社会情勢や国民意識の変化を挙げた。

 現行制度は伝統的な家族観に根差し、子を産み育てることに婚姻の意義を見いだす人は依然として少なくない。そうした現状を認めつつ「近年家族の多様化が指摘され、伝統的な家族観が唯一絶対のものではなくなっている」とした。共同通信社が今春実施した世論調査でも同性婚を認める人は7割を超えた。市民感覚に近い判決と言える。

 同性婚を認めない現状を「立法裁量を超えている」とした指摘に国会議員は耳が痛いはずだ。同性婚を認めても国民に不利益は生じず、「伝統的な価値観を重視する国民との間でも共存する道を探ることはできる」と促した点も見逃せない。世論の溝を埋める議論をし、時代に応じて国民の権利を保護する手だてを示すことこそ、国会がやるべき仕事ではないだろうか。

 LGBTを含む性的少数者への理解増進法案を巡っても与野党の協議は停滞する。当初は超党派で2年前にまとめた法案を土台に議論したが、与党は「差別は許されない」との文言を後退させた修正案を提出。結局、与党案、2年前の法案をそのまま出した立憲民主党・共産党・社民党の案、日本維新の会と国民民主党の案の計3案が並び、審議入りは見通せない。

 国民の意識と与党案の乖離(かいり)は明らかだ。特に保守派の意向を優先する自民党は司法のメッセージを重く受け止めるべきだ。

 先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の首脳声明は「あらゆる人々が性自認や性的指向に関係なく、差別のない人生を享受できる社会を実現する」とうたう。まとめた議長国として実行する責任がある。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年06月02日  07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:北朝鮮の「軍事衛星」 再度の打ち上げ、食い止めよ

2023-06-02 07:00:25 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【社説】:北朝鮮の「軍事衛星」 再度の打ち上げ、食い止めよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:北朝鮮の「軍事衛星」 再度の打ち上げ、食い止めよ 

 北朝鮮がミサイルを発射したもよう―。全国瞬時警報システム(Jアラート)が早朝に速報された沖縄県をはじめ、またかと身を震わせた人も多かろう。幸い日本上空に飛来せず、朝鮮半島西方の海上に落下した。

 北朝鮮は今月11日までの間に人工衛星を打ち上げると予告していた。事実上の長距離弾道ミサイルとみられ、いかなる目的であれ国連安全保障理事会の決議に違反する。国際社会への挑戦であり、許されない。

 一方で北朝鮮の狙いを正確に読み解く必要もあるだろう。

 この発射は、これまでとは様相が異なる。「軍事偵察衛星」のロケットだと、北朝鮮が初めて発表したからだ。北朝鮮が衛星打ち上げと称する発射は過去に繰り返し行われてきたが、ミサイル技術を高める口実と考えられていた。しかし今回の衛星は米国などの軍事行動を追跡、監視、判別するものだと事前の声明に明記している。

 米本土を射程に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験、米韓軍事演習などに抗する矢継ぎ早のミサイル発射。これまでの北朝鮮の暴挙は、あからさまな威嚇に思えた。

 きのうの発射は周到に戦略を練った、軍事作戦上の行動とみていい。「偵察情報収集能力の確保」は朝鮮労働党の5カ年計画に盛り込まれ、偵察衛星1号機の完成が伝えられていた。しかも即座に発射の失敗と墜落海域のほか、新型エンジンシステムの安定性など推定される事故原因まで明らかにし、早期の2回目の発射を表明した。

 体面より実行を優先したとも言え、むしろ自信があるように見える。仮に北朝鮮が偵察衛星を手にすればデータを地上に送って正確に目標を攻撃することが可能になり、軍事的脅威のレベルは上がる。再度の打ち上げは中止させなければならない。

 日本も飛来するミサイルの動きに即応するのに加え、こうした現実を踏まえた対応が必要となる。どう歯止めを講じればいいのか。経済制裁の強化には限界があり、ウクライナの戦争で国連安保理は機能不全だ。それでも中国なども含めた国際社会と幅広く連携していく努力は、惜しむべきではない。

 米韓両国は4月、北朝鮮に対して核抑止力の強化や弾道ミサイル搭載可能な原子力潜水艦の韓国派遣などで合意した。冷え込んでいた日韓の防衛協力も首脳のシャトル外交復活で関係が修復されつつある。先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の場も利用して「日米韓」による包囲網は強まった。

 ただ米国の「核の傘」を誇示し、軍事的圧力を強化するばかりでは、相手に核・ミサイル開発を加速させる口実を与えかねない。「核には核」という発想には明るい未来はない。

 岸田文雄首相は北朝鮮の打ち上げ通告の前に、かねて条件なしで臨みたいとする日朝首脳会談に向け、「私直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」と述べていた。北朝鮮の外務次官も条件付きながら「両国が会えない理由はない」として日朝協議の可能性に言及した。

 相手の真意はいまだ読めず、糸口があると考えるのは早計だろう。ただ日朝交渉の原点に立ち返れば、圧力とともに対話の窓口を開け、硬軟織り交ぜて向き合う姿勢は欠かせない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年06月01日  07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:首相の長男秘書官 公私混同、更迭は当然だ

2023-06-02 07:00:15 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【社説】:首相の長男秘書官 公私混同、更迭は当然だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:首相の長男秘書官 公私混同、更迭は当然だ 

 岸田文雄首相は、あす61日付で長男の翔太郎・政務秘書官を交代させる。

 翔太郎氏は首相公邸で親族と忘年会を開き、公的スペースで非常識と思える記念撮影までしていた。「政務秘書官として不適切であり、けじめをつける」のが理由だと首相は説明した。事実上の更迭である。

 特別職の国家公務員という役職を考えると、目に余る公私混同で、更迭は当然だ。そもそもなぜ秘書官に起用したのか。国会議員の世襲を念頭に置いていたとしたら、有権者をばかにしていると言えよう。

 首相公邸は、執務の場である官邸に対し、住居である。今は首相父子が住んでいる。ただ、海外の首脳と会談する部屋や、晩さん会で国内外の要人をもてなす大ホールなどもある。万全の警備体制を敷き、維持管理費は年約16千万円という。

 その公邸で、翔太郎氏は昨年12月末、親族と忘年会を開き、赤じゅうたんの敷かれた階段に約10人が並び、組閣時をまねしたような記念撮影をしていた。昨年8月の内閣改造時に新閣僚の撮影が行われた所だ。親族の誰も、おかしいと感じたり、止めたりしなかったのだろうか。

 忘年会について、首相が会見で用いる演説台で男女がポーズを取っている写真などと共に週刊文春が先週、報じていた。

 「公邸の私物化だ」「秘書官として不適格」…。野党の批判を浴び、与党内からも苦言を呈する声が出ていた。首相は当初「誠に遺憾。私から厳しく注意した」と述べるにとどまった。自身も忘年会に顔を出していたというから、処分できなかったのかもしれない。

 なぜもっと早く決断できなかったのか。ようやく更迭したのは、衆院解散後の総選挙を有利にしたいからではないか。

 地元広島市で開いた先進7カ国首脳会議(G7サミット)を無事に終え、内閣支持率は上向いた。この問題が発覚すると一転、風向きが逆になった。このままでは政権の足を引っ張りかねないと判断したのだろう。

 翔太郎氏の不適切な行動は今年1月にも指摘されていた。首相の欧米歴訪に同行した際、公用車を使って観光名所を回ったり買い物をしたりなどしたと、週刊新潮が報じたからだ。

 閣僚らへの土産の購入が目的だったなどと首相は説明。政府も「個人的な観光を動機にした行動は一切なかった」と、かばい続けた。とはいえ、翔太郎氏の撮影した写真を政府は使っておらず、土産代の原資は首相のポケットマネーだったという。これでは公務と言い切れまい。

 首相の政務秘書官に身内を充てるケースはさほどなく、通常は個人事務所からベテランの秘書らが就くことが多いという。「適材適所」と岸田首相は強調していたが、「身内びいき」との批判も強かった。本人のこれまでの言動から考えると、無理筋だったと言わざるを得ない。

 自身の責任について首相は「先送りできない課題に一つ一つ答えを出し、まい進することで職責を果たす」と述べた。

 少子化対策や格差是正など、山積する課題の解決には国民の理解が欠かせない。その前提となる、政治や政権への信頼を回復するためにも、長男の秘書官起用が正しかったか、首相は謙虚に反省すべきである。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年05月31日  07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政治部記者座談会】:①襲撃事件を深刻に受け止めなかった首相“マッチョな岸田”アピールの好機だったのか

2023-06-02 00:04:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政治部記者座談会】:①襲撃事件を深刻に受け止めなかった首相“マッチョな岸田”アピールの好機だったのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政治部記者座談会】:①襲撃事件を深刻に受け止めなかった首相“マッチョな岸田”アピールの好機だったのか

 現役総理が襲撃されるという事件の裏で何が起きていたのか。昨年起きた安倍晋三・元首相の暗殺事件を彷彿とさせる凶行に誰もが危機感を募らせるなか、最も変わらなかったのが岸田文雄・首相その人だった。もっとも間近で見ている記者たちは、岸田首相の「ある特性」に気づいたという──。<button class="sc-izhPXJ diavUp" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-izhPXJ diavUp" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">間近で見ている記者たちは、岸田文雄・首相の「ある特性」に気づいたという(時事通信フォト)</button>

間近で見ている記者たちは、岸田文雄・首相の「ある特性」に気づいたという(時事通信フォト)(NEWSポストセブン)

  【写真5枚】“単独訪米”した裕子夫人。他には長男の翔太郎氏、従兄弟の宮沢洋一氏なども

 元稿:小学館 主要出版物 週刊ポスト 【NEWSポストセブン】 2023年04月25日 16:12:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政治部記者座談会】:②「外交経験ほぼゼロ」の岸田裕子夫人が単独渡米 岸田首相が見せた“安倍昭恵氏への対抗心”

2023-06-02 00:03:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政治部記者座談会】:②「外交経験ほぼゼロ」の岸田裕子夫人が単独渡米 岸田首相が見せた“安倍昭恵氏への対抗心”

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政治部記者座談会】:②「外交経験ほぼゼロ」の岸田裕子夫人が単独渡米 岸田首相が見せた“安倍昭恵氏への対抗心” 

 現役総理が襲撃されるという事件の裏で何が起きていたのか。昨年起きた安倍晋三・元首相の暗殺事件を彷彿とさせる凶行に誰もが危機感を募らせるなか、最も変わらなかったのが岸田文雄・首相その人だった。もっとも間近で見ている記者たちは、岸田首相の「鈍感力」に気づいたという。本誌・週刊ポストは覆面座談会を緊急開催。メンバーは政治部キャップクラスのベテラン記者A氏とB氏、第一線で取材する若手のC氏とD氏だ。【全3回の第2回。第1回から読む

              * * *

 司会(編集部):襲撃事件の翌日、ファーストレディの岸田裕子夫人が米国訪問に出発した。ジル・バイデン大統領夫人の招待とはいえ、首相夫人が“サミットの根回し”に訪米するなど前代未聞だ。

“単独訪米”した裕子夫人(写真/AFP=時事)

          “単独訪米”した裕子夫人(写真/AFP=時事)

 記者D:出発前に「夫のことは心配だけれども訪米することにしました」くらいのコメントが出されるかと思っていたけど、ありませんでしたね。裕子夫人は外交経験ほとんどゼロ。バイデン大統領来日時の夕食会で茶の湯の点前を披露したくらい。招待を受けて“どうして私ひとりで”と戸惑っていたのを岸田さんが“行け行け”と背中を押したそうです。だから出発前は相当緊張していたんだと思います。

 記者C:外遊好きで知られたアッキー(安倍昭恵夫人)でも、ファーストレディとしてひとりで訪米したことはなかった。岸田さんとしては、対抗心で裕子夫人を派手に外交デビューさせたかったのではないですか。

“若者ノリ”が目立つ岸田文雄・首相の公式インスタグラム

 “若者ノリ”が目立つ岸田文雄・首相の公式インスタグラム

 記者B:夫の見栄(笑)。

 記者D:裕子夫人は“家庭内野党”と言われたアッキーとは対照的に、地元を守る昔ながらの“政治家の妻”タイプで、選挙区を熱心に回っているとか。岸田派の議員は「地元では総理より人気がある」と言っていました。

 記者A:どうなのかな。夫人は広島の三次市出身で、地元で造酒業や銀行業を営んでいた旧家のご令嬢。首相夫人となって初めての前回総選挙(2021年10月)の時には、その実家のある三次市(広島6区)に応援に入って大歓迎を受ける映像がニュースで流れたが、自民党候補は落選した。聞けば、大観衆が集まったのは動員をかけたからだとか。政治家の妻らしくないと言われたアッキーのほうが地元では票を持っているかもしれない。

 記者B:それならなおのこと夫人を目立たせたいんじゃないか。岸田総理はソフトに見えても中身はすごく頑固で見栄っ張り。それに身内びいきが強い。安倍さんは“お友達人事”と批判されたが、実弟の岸信夫氏を大臣にはしなかった。岸氏が防衛大臣になったのは菅義偉内閣に代わってからだ。

 しかし、岸田総理はあれだけ批判を浴びても長男の翔太郎氏を「適材適所」と言い張って総理秘書官に起用した。霞が関の官僚人事でも、岸田さんは自分が総理になれば義弟(妹の夫)の可部哲生・元国税庁長官を財務事務次官に起用するつもりだったとされる。しかし、2020年の総裁選で菅前首相に敗れたため、可部次官の芽はつぶれた。それでもブレーンの少ない岸田総理は今も可部氏を相談相手として頼っているそうだ。本当はファミリーしか信用していない。

 記者D:ファミリーしか信用していないのはよくわかります。岸田さんが「聞く力」をアピールしているのは、周囲から“もっと人の意見を聞け”と忠告されたから戒めにしているわけで、もともと人の話をよく聞く人ではない。最側近といわれる木原誠二・官房副長官さえ、「総理は全然聞いてくれない。オレはもう知らない」とよく愚痴をこぼしています。

 記者C:翔太郎氏は先日の総理のインド訪問に同行した時はさすがに「お土産」の買い物はしなかったようですが(笑)、最近は岸田さんのインスタグラムの動画につけられた〈チラッ〉〈はわわ〉〈ドキドキ〉といったテロップが“寒すぎる”と密かに話題です。総理はSNSでの情報発信を翔太郎氏に担当させると言っており、若者向けのPRのつもりでしょうが、記者の間では“税金で高額な秘書官給料もらって、している仕事がこれか”という声も。(第3回につづく

 ※週刊ポスト2023年5月5・12日号

 元稿:小学館 主要出版物 週刊ポスト 【NEWSポストセブン】 2023年04月25日 15:58:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政治部記者座談会】:③岸田首相の“ファミリー政治”「本当に信用しているのは息子と嶋田隆・総理秘書官くらい」

2023-06-02 00:03:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政治部記者座談会】:③岸田首相の“ファミリー政治”「本当に信用しているのは息子と嶋田隆・総理秘書官くらい」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政治部記者座談会】:③岸田首相の“ファミリー政治”「本当に信用しているのは息子と嶋田隆・総理秘書官くらい」

 現役総理が襲撃されるという事件の裏で何が起きていたのか。昨年起きた安倍晋三・元首相の暗殺事件を彷彿とさせる凶行に誰もが危機感を募らせるなか、最も変わらなかったのが岸田文雄・首相その人だった。もっとも間近で見ている記者たちは、岸田首相の「鈍感力」に気づいたという。本誌・週刊ポストは覆面座談会を緊急開催。メンバーは政治部キャップクラスのベテラン記者A氏とB氏、第一線で取材する若手のC氏とD氏だ。【全3回の第3回。第1回から読む

岸田文雄・首相が頼りにしているのはやっぱり身内か(長男の翔太郎氏/時事通信フォト)

 

岸田文雄・首相が頼りにしているのは身内ばかり?(写真は長男の翔太郎氏/時事通信フォト)

 

                * * *

 司会(編集部):安倍元首相には側近とまで呼ばれた記者や評論家が何人もいた。岸田首相には食い込んでいる記者はいるのか。

 記者A:現役の記者が政治家に取り込まれてスポークスマンのようになるのは問題だが、政治家が信頼する記者の話に耳を傾けるのは、国民の関心や政策への評価といった最新の民意を汲み上げるひとつの手段でもある。歴代総理はメディアに人脈を持っていた。しかし、岸田総理にアドバイスしたり、腹を割って話せる記者がいるという話は聞いたことがない。

 記者C:岸田さんは若い番記者にも、つきあいの長いベテラン記者にも同じ話しかしません。よく言えば公平な対応ですが、記者に壁をつくって誰も信用しないから何を聞いてものらりくらりで決して本音は言わない。

 官邸内でも、総理が本当に信用しているのは翔太郎氏と身内同然の嶋田隆・総理秘書官くらいでしょう。

 記者B:政策面でも総理が頼りにしているのはやっぱり身内。父方の従兄弟の宮沢洋一・参院議員です。宮沢氏が自民党税調会長として防衛増税のレールを敷き、岸田総理はそれに丸乗りした。総理のサプライズ人事といわれた植田和男・日銀総裁や稲葉延雄・NHK新会長(元日銀理事)の起用も、宮沢氏の助言とされている。

 記者A:稲葉会長は宮沢氏の中学・高校の同級生、植田氏は宮沢氏の大蔵官僚時代に同省に出向していた経験があり、同時期に米国留学していた知己といわれる。総理自身はふたりとほとんど接点がなかったが、ノーマークの人物を起用して“総理主導”を印象づけたかったから、信頼する従兄弟の宮沢さんに勧められて飛びついたという。

 いまや岸田政権の重要事項は嶋田秘書官と宮沢氏で決めているとさえいわれる。まさに岸田ファミリー政治だね。

               * * *

 外交は素人の裕子夫人を前面に立て、政権の宣伝担当は長男・翔太郎氏がプロデュース、そして国民への増税など重要政策は従兄弟の宮沢氏が仕切る。この国の政治は岸田ファミリーに“私物化”されているかのようだ。(了。第1回から読む

 ※週刊ポスト2023年5月5・12日号

 元稿:小学館 主要出版物 週刊ポスト 【NEWSポストセブン】 2023年04月25日 15:59:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政治部記者座談会】:①放送法内部文書は「亡くなった総務省職員」から託されたものか

2023-06-02 00:03:30 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【政治部記者座談会】:①放送法内部文書は「亡くなった総務省職員」から託されたものか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政治部記者座談会】:①放送法内部文書は「亡くなった総務省職員」から託されたものか

 安倍政権時代の放送法に関する内部文書の流出で大紛糾している今国会。それは岸田文雄・首相にとっても“地雷”となり得るものだった。国外に目を転じても、いまだ実現できていないウクライナ訪問や、国内外から大批判を浴びた林芳正・外相のG20欠席問題など多くの課題を抱える。番記者たちが見た裏側とは──。【全3回の第1回】

【写真】青いネクタイ、紺のスーツで会見する岸田文雄・首相

 ◆党内の保守派に配慮

窮地に立たされている高市早苗氏(時事通信フォト)(NEWSポストセブン)

 元稿:小学館 主要出版物 週刊ポスト 【NEWSポストセブン】 2023年03月10日 07:12:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政治部記者座談会】:②安倍政権より圧倒的に取材しやすくても“情報漏れすぎ”な岸田政権

2023-06-02 00:03:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政治部記者座談会】:②安倍政権より圧倒的に取材しやすくても“情報漏れすぎ”な岸田政権

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政治部記者座談会】:②安倍政権より圧倒的に取材しやすくても“情報漏れすぎ”な岸田政権

 安倍政権時代の放送法に関する内部文書の流出で大紛糾している今国会。それは岸田文雄・首相にとっても“地雷”となり得るものだった。国外に目を転じても、いまだ実現できていないウクライナ訪問や、国内外から大批判を浴びた林芳正・外相のG20欠席問題など多くの課題を抱える。番記者たちが見た裏側とは──。

“情報漏れすぎ”な岸田政権を記者たちはどう見ている?(時事通信フォト)

“情報漏れすぎ”な岸田政権を記者たちはどう見ている?(時事通信フォト)
 
 週刊ポストでは、前号(2023年3月10・17日号)につづいて、政治部記者覆面座談会を開催。今回は、外交では戦火のウクライナ訪問、内政では“第2の森友問題”で火だるまになっている岸田政権の内憂外患がテーマになった。メンバーは前回同様、官邸詰めや自民党担当の政治記者4人、記者AとBはキャップクラスのベテラン、記者CとDは第一線で取材している若手だ。【全3回の第2回。第1回から読む

             * * *

 記者B:岸田政権は安倍政権より圧倒的に取材はしやすい。安倍政権時代は自民党幹部も官邸官僚も口が堅く、安倍さんを裏切れないというムードだったが、今は情報が漏れてくる。

 司会(編集部):情報が漏れすぎではないか。岸田首相のキーウ極秘訪問計画も、読売のスクープ【※注】で幻となったと言われている。

 【※注/読売新聞が1月22日付の朝刊で、岸田首相が2月中にウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と首脳会談を行なう方向で本格的な検討に入ったと報じた件】

 記者B:官邸は「外務省から漏れた」と言い、外務省は「行かせたくない官邸のリーク」と、責任のなすりあいをしている。

 記者C:読売が最初ではないんです。そもそも岸田総理はこの間ずっとキーウに行きたいと言っていて、昨年末に一度計画が立てられたが、この時は民放が報じて、岸田総理が「なぜ漏れたんだ」と怒った。次は国会が始まる前の今年1月の欧米歴訪のタイミング。

 しかし、総理がバイデン大統領との首脳会談を優先させたから日程が取れなかった。その次が、読売が報じた今年2月22~24日の日程です。総理はロシアのウクライナ侵攻1周年(2月24日)までに絶対行きたいと考えていて、外務省、官邸がこの日程で調整していたことは官邸の記者は誰でも知っていましたが、読売が書いてポシャりました。

 記者B:官邸詰めの若い記者が皆知ってる極秘日程なんて、政権の情報管理の杜撰さを象徴してる。

 記者D:総理側近は「ほら(情報が)出るじゃん。だから日本の総理が行くのは無理なんだよ」と行けない口実にしてました。

 記者C:外務省も似たようなものです。バイデン大統領がキーウを極秘訪問した時、外務省の幹部は「あそこまで機密扱いでやりきったのはすごい」と感動していました。感動している場合じゃないだろうと思いましたね。 

安倍晋三・元首相(時事通信フォト)

安倍晋三・元首相(時事通信フォト)
 

 記者A:イタリアのメローニ首相がキーウを訪問した時は事前にメディアに報じられていた。事前に情報が漏れるから行けないというのは言い訳だろう。むしろ、日本のほうがメディアと組んで訪問を実現させるのは容易だと思う。報道解禁日を指定して事前の報道はしないとの報道協定を結び、新聞テレビの全社の記者を連れて行く。国会への事前報告も、野党は首相がウクライナに行くなら事後報告でいいと言っている。結局は岸田さんの周囲がビビっているだけ。

 記者D:でも総理は5月のサミット前に何としても行くつもりのようです。

 記者B:岸田さんが最も恐れているのは習近平に先にキーウを訪問されること。中国は一応、和平案なるものを提案しているし、ウクライナのゼレンスキー大統領も習主席と会いたいと言っている。先を越されたら面目丸つぶれになる。

 (第3回に続く第1回から読む

 ※週刊ポスト2023年3月24日号

 元稿:小学館 主要出版物 週刊ポスト 【NEWSポストセブン】 2023年03月10日 06:58:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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