路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.12】:藤井7冠、この師匠にしてこの愛弟子あり 新幹線ミニ将棋講座

2023-06-20 08:01:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.12】:藤井7冠、この師匠にしてこの愛弟子あり 新幹線ミニ将棋講座

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.12】:藤井7冠、この師匠にしてこの愛弟子あり 新幹線ミニ将棋講座 

 先週の「ひるおび」(TBS系)の控室。さっそくゲストの棋士、杉本昌隆八段に「先日はありがとうございました」のごあいさつから始まった。愛弟子の藤井聡太さんが20歳10カ月で史上最年少の新名人、そして7冠となった翌2日。そう、あの大豪雨の日。東京で「ひるおび」に出演された杉本さんを、私は名古屋の東海テレビでお待ちしていた。

 ところがせっかく組んだ特番開始の約50分前の午後3時過ぎ、「新幹線が掛川駅で止まったままです」と局に厳しい声の電話。いま動いたとしても番組には間に合わない。スタッフは肩を落とし、割られるはずのくす玉が寂しくぶら下がっている。

 だがその時、杉本さんは「電話でやりましょう」。番組開始から10分近く、藤井新7冠とはこれからゆっくり電話で話すこと。タイトルが念願だった愛知の将棋界に7つも冠を持ってきてくれたこと。最後尾16号車のデッキから話し続け、最後の言葉は、なんと「すごい雨です。どうか視聴者のみなさんも気をつけて」。

 その豪雨の日から4日後。「師匠、あのあとどうされたんですか?」「ハイ、掛川駅で、ずっと車内に」「ええっ、あのままだったんですか?」

 聞けば翌朝5時過ぎに動き出すまで14時間、新幹線車内に缶詰めだったという。配られたのは水とサプリメントだけ。「でもね、名人戦の長野からの帰りというファンに見つかって、午前2時から新幹線ミニ将棋講座。楽しかったですよ~」。

 折にふれて「万里一空」(困難があっても、まっすぐ目標に向かうこと)と揮毫(きごう)する藤井7冠。この師匠にして、この愛弟子あり。梅雨の雲間に、やわらかな日の光を見た思いだった。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年06月12日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.05】:防弾チョッキどころか拳銃も…長野県中野市立てこもり事件

2023-06-20 08:01:30 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.05】:防弾チョッキどころか拳銃も…長野県中野市立てこもり事件

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.05】:防弾チョッキどころか拳銃も…長野県中野市立てこもり事件 

 長い間、事件取材を続けてきて、「防ぎようがなかった」としか言いようのないときがある。長野県中野市で31歳の男が刃物や銃で女性2人と警察官2人を殺害、自宅に立てこもった事件もそのひとつだった。だがその後、状況がいささか違ってきて、通信社からコメントを求められた。

 亡くなった警官は、いずれも防刃チョッキは着けていたが、防弾チョッキどころか拳銃も持っていなかったことが明らかになった。

 長野県警の説明によると、110番通報を受けての出動ではなく、静かな田園地帯の巡回中に連絡がきて現場に急行したため、拳銃は携行していなかったという。

 たしかに、神経を使う拳銃の携行にはこれまでも議論があった。私服で初動捜査に当たる機動捜査隊からは機敏な動きができないといった声が度々あがったが、今回のような立てこもりや暴力団の抗争もあるということで、常に重い拳銃を私服のベルトにつけている。

 警ら(巡回)や交番の警官は、保管庫への収納、キーの管理、実弾の数、拳銃にはいつもピリピリしているという。

 ある閣僚が保養先でSPに温泉をすすめたところ、「拳銃をタオルで包んで頭に載せるので、とても温泉気分には…」と返されたという。拳銃を持つということは、それほど厳しいものなのだ。

 だけど市民は警官が駆けつけてくるときは拳銃を持っているものと信じている。とりわけ銃所持に厳しい日本で、銃器を持った暴漢に立ち向かえるのは警官しかいない。

 任官した警察官がピリッと身の引き締まる思いになるのは拳銃を貸与されたときだという。それは善良な市民からの「信頼」の貸与でもあるのだ。 

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年06月05日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.29】:千葉・浦安で相次ぐ不審火 思い出す10年前の類似事件

2023-06-20 08:01:20 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.29】:千葉・浦安で相次ぐ不審火 思い出す10年前の類似事件

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.29】:千葉・浦安で相次ぐ不審火 思い出す10年前の類似事件 

 千葉県浦安市で放火とみられる不審火が相次いでいる。大型連休中からマンションの駐輪場でバイクなどが燃やされる事件が3件立て続けに起きた。

 私が出演しているTBS系「ひるおび」でも5月16日に事件を取り上げたが、2日後の18日、第3現場と同じ駐輪場で不審火が起き、さらに21日深夜には約500メートル離れた別のマンション駐輪場でバイクと自転車が焼かれる5件目が起きた。

 市民にとって、夜間、どこに火をつけられるかわからない放火事件への不安は大変なストレスになる。

 そんなとき、2013年、愛知県安城市で23件も起きた連続放火事件と、当時の東海テレビ取材班の見事なスクープを思い出した。

 10年前の3月、県営団地を取り囲むようにして連続放火事件が発生。最初は稲わらなどだったが、やがて民家に及び、4月半ばには事件現場のまん中に当たる県営団地の駐輪場が夜間、相次いで放火された。

 私も取材班と一緒に現地に足を運んだが、現場の記者の感触は、民家などに放火した犯人がついに団地に入り込んだのではなく、団地内にいる犯人が周辺の町内会の警戒が厳しくなったため、犯行直後に自室に戻れる団地内に放火したのではないかというものだった。

 そこで取材班が自治会の夜警団に密着すると、1週間後、団地の踊り場で古タイヤが燃え、直後に警官が団地の一室に逃げ込んだ男を逮捕。取材班の見事なスクープとなった。警察も同じ見立てをしていたのだ。

 浦安の犯人もまた、犯行直後に逃げ込める部屋がある当初のマンションにいるのではないか。ふと、そんな思いがわいてくる。 

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

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 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年05月29日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.22】:29歳の吉川友梨さんへ「絶対に諦めないからな」

2023-06-20 08:01:10 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.22】:29歳の吉川友梨さんへ「絶対に諦めないからな」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.22

】:29歳の吉川友梨さんへ「絶対に諦めないからな」

 5月20日は大阪府熊取町で小学4年生の吉川友梨さん(当時9)が行方不明になって20年。私は何度も現場を取材したが、下校時、友だちと別れて自宅まで400メートル。こつぜんと姿が消えたまま、手がかりはない。

 発生日に合わせて大阪の毎日新聞などは改めて直前まで一緒だった3人の同級生を現場で取材。私も「少しでもお役に立つなら」と、長時間、事件への思いをお話しし、紙面では〈犯人に対して「諦めていないぞ」というメッセージを送り続けることが大切〉とコメントさせてもらった。

 言葉は短いが、私はそこに1つの思いを込めたつもりだ。友梨さんのご両親もそうだが、こうした未解決事件では発生日に合わせて現場や駅前で警察官とともにビラを配り、協力を呼びかける。だが年月とともに、「いまさら手がかりと言われても」という声が聞こえてくるのも事実だ。

  そんなとき私が思い起こす事件がある。2014年、埼玉の女子中学生が千葉の大学生に誘拐された。男は少女を「親から見放された」とだまして中野のアパートに監禁していたが、2年後の2016年、男の留守中に少女は部屋を飛び出して親に電話、警察に保護された。

  駆けつけた署員によると、少女は隙を見て男のパソコンで自分の名前を検索。ネット上に駅前で少女の名を必死で叫んでいる父親の映像を見つけ、以来、公衆電話をかける際の小銭をいつも持っていたという。

  29歳になった友梨さんの目に、ぜひともいまのご両親、そして同級生の姿が届いてほしい。加えて、われわれメディアからも犯人にひと言。

  「絶対に諦めないからな」 

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年05月22日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2023年06月18日 今日は?】:日本からの移民781人を乗せた笠戸丸がブラジル・サントス港に到着

2023-06-20 00:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2023年06月18日 今日は?】:日本からの移民781人を乗せた笠戸丸がブラジル・サントス港に到着

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2023年06月18日 今日は?】:日本からの移民781人を乗せた笠戸丸がブラジル・サントス港に到着

 ◆6月18日=今日はどんな日

  日本からの移民781人を乗せた笠戸丸がブラジル・サントス港に到着(1908)

【画像】

ブラジルのサントス港に停泊する移民船のぶらじる丸。約23万人がこの港から南米に入った。

【画像】

サントス港での下船風景。船上で入国検査が行われ、その後税関検査場へ行く。

【画像】

ブラジルに渡った女性のトランク。「荷物は少なく」と言われ、身の回りのものだけを詰めた。役立ったのは子ども用浣腸器や裁縫道具だったという。

 ◆出来事

  ▼悪徳商法で摘発された豊田商事の永野一男会長を2人組の男が自宅で刺殺(1985)▼指揮者の山本直純さんが69歳で死去(2002)

 ◆誕生日

  ▼藤真利子(55年=女優)▼タージン(62年=タレント)▼後藤輝基(74年=フットボールアワー)▼細川直美(74年=女優)▼谷村美月(90年=女優)▼岡本玲(91年=女優)▼三吉彩花(96年=女優)▼矢吹奈子(01年=タレント)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2023年06月18日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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