路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部③】:「兵庫県知事側近の“牛タン倶楽部”は3人離脱」■自死した告発職員を「保護対象として扱う必要なし」

2024-11-05 00:05:30 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部③】:「兵庫県知事側近の“牛タン倶楽部”は3人離脱」■自死した告発職員を「保護対象として扱う必要なし」「居酒屋などで聞いた噂話を信じて文書を作成」県の担当弁護士を直撃すると…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部③】:「兵庫県知事側近の“牛タン倶楽部”は3人離脱」■自死した告発職員を「保護対象として扱う必要なし」「居酒屋などで聞いた噂話を信じて文書を作成」県の担当弁護士を直撃すると…

 兵庫県が今年5月、斎藤元彦知事らの疑惑を文書で告発した元西播磨県民局長、Aさん(60)。兵庫県がAさんに懲戒処分を出した際、調査に加わった弁護士がAさんの告発内容を「居酒屋の噂話を信じて作成した文書」と断定し、公益通報者として保護する必要はないと県に伝えていたことがわかった。一方、知事側近の3人が職場を離脱し、県議会調査委員会には疑惑に絡む“通報”が殺到している。斎藤知事の証人尋問も決まり、包囲網が狭まっている。

 ◆Aさんは公益通報者としての保護を求めたが…

 県中枢は7月下旬から大混乱に陥っている。

 「片山安孝副知事は7月末に辞職しました。さらに県ナンバー4の小橋浩一理事が体調不良だとして降格を願い出て認められました。

 これに加え、片山氏退任後に最も力を持つとみられていた井ノ本知明総務部長も体調不良を理由に出勤しなくなりました。いずれも“4人組”、“牛タン倶楽部”と言われた知事側近グループです」(県関係者)

 8月2日午前には、Aさんの告発文書に書かれた7つの疑惑を調べる県議会調査委員会(百条委)が開かれた。そこで県職員を対象に7月31日に情報提供を求めるアンケートを開始したところわずか2日間で3500件超の回答が寄せられたことが報告された。

 「新たな疑惑の告発がある可能性もあり、調査範囲はさらに拡大するでしょう」と県議の一人は話す。百条委ではAさんへの県の懲戒が妥当だったのかも問われることが確実視されているが、そこで解明の足掛かりになる文書の存在が今回明らかになった。 

 その前に一連の騒動を振り返る。

 3月12日にAさんが作成した告発文書では、斎藤知事や4人組によるパワハラやたかり疑惑のほかに、昨秋のプロ野球阪神・オリックスの優勝パレードの費用を捻出するため県が信用金庫に補助金を増額し、それをキックバックで寄付させたなどとする深刻な疑惑も書かれていた。

斎藤元彦知事(右)と、片山安孝副知事(左)(写真/共同通信社)
 
斎藤元彦知事(右)と、片山安孝副知事(左)(写真/共同通信社)

 3月25日に片山副知事らがAさんからパソコンを取り上げ、中から告発文書のデータを発見。2日後の27日、斎藤知事が会見で文書は「嘘八百」だと言い放つ。

 知事のパワハラや、“牛タン倶楽部”の一員である原田剛治・産業労働部長が企業から商品の供与を受けた不正が徐々に明るみに出て、Aさんの行動が内部告発であることが今でははっきりしている。

 だが斎藤知事は3月27日の会見で「ありもしないことを縷々(るる)並べたような内容を作ったっていうことを(Aさん)本人も認めてますから」と発言。Aさんが嘘を書いたと認めたかのような印象操作を行なった上、Aさんは「不満」を抱えて文書を書いたのだと、動機をでっち上げてメディアに広報していた。(♯4

 これを聞いたAさんは公益通報者としての保護を求め、4月4日に県の通報窓口で手続きを取っている。

 しかし、県人事課は、Aさんらから聴き取りを行なった上で、5月2日の綱紀委員会の議論を受け、停職3ヶ月にするとの「決裁書・報告書」を作成。斎藤知事が承認し、処分は5月7日に記者会見で発表された。そしてAさんは7月7日に自死した。

 ◆告発を「居酒屋で聞いた噂話」と断じた弁護士を直撃 

 今回、兵庫県明石市の辻本達也市議が県に公文書公開請求を行い開示された「決裁書・報告書」を入手。その中に、県がAさんを公益通報者保護法上の保護対象として扱う必要がないと判断した根拠とみられる「弁護士意見」が書かれていた。

 そこには「誹謗中傷文書を作成・配布する行為」との小見出しがあり、告発を「誹謗中傷」と規定。さらに以下のように書かれている。

 「作成した文書を10人に配って、その中にマスコミ関係者がいたということは、報道してほしいという意図しか考えられない。マスコミは仕事柄知ってしまった以上書かざるを得ないから広がることを期待していたと評価されても仕方なく、流布したという認定は可能。

 居酒屋などで聞いた単なる噂話を信じて作成した文書は、その内容が真実であると信じるにつき相当な理由にはならず、告発者の利益を守る対象ではない」 

辻本達也・明石市議が兵庫県から開示を受けた、Aさん処分に至る決裁文書(撮影/集英社オンライン)
辻本達也・明石市議が兵庫県から開示を受けた、Aさん処分に至る決裁文書(撮影/集英社オンライン)

 公益通報者保護法はメディアへの情報提供も公益通報とみなし、通報者の詮索や、通報者に不利益を与えることを禁じている。Aさんは文書を発送したときから保護対象になるとの見方が強いが、弁護士意見は真っ向からこれを否定している。
 
 辻本市議もこの点に注目し、「法律の専門家が“居酒屋”という表現も使って告発内容を一刀両断しており、驚きました。県にもAさんを公益通報者とする観点が見当たらない」と話す。

 県人事課は、この弁護士が5月7日の処分発表の記者会見に「兵庫県特別弁護士」の肩書で同席した藤原正広氏だと認めた。そこで藤原氏に2度にわたって電話で尋ねた。

 ――文書に書かれたことを話した記憶はありますか?

 「何とも申し上げようがないですね」

 ―-決済文書に「弁護士意見」と書かれています。

 「『真実であると信じる相当な理由があるか』というところは当然問題になっていたところではあるんだと思います」

 ――告発文書には真実であると信じる相当な理由はないという判断をしたのですか?

 「多分そう…、正確にはどう言ったかというのは覚えていない。多分そういう方向での話にはなってたとは思いますが」

 ――「居酒屋で聞いた話」という言葉は、Aさんがそう言ったのですか?

 「事情聴取の発言内容は今のところオープンにはできないということなんで、コメントはできないです」

 ――Aさんは公益通報者保護法の保護対象ではないかという検討は、調査でなされましたか?

 「私としては見解は示している」

 ――その結果が記載内容ですか?

 「いや、それがどういう受け止め方をされたかは存じ上げない」

 ――県に示した見解というのは、Aさんを保護の対象とすべきとの考えですか?

 「内容についてはちょっと申し上げられない」

処分の決裁文書にある「弁護士意見」(撮影/集英社オンライン)
処分の決裁文書にある「弁護士意見」(撮影/集英社オンライン)

 弁護士意見の核心は、告発文書には「真実であると信じるにつき相当な理由がない」と断定し「告発者の利益を守る対象ではない」と言い切っていることだ。この文言について、県人事課担当者は、公益通報者保護法を検討した末の藤原弁護士の判断だと説明した。

 ――弁護士の発言の主旨を県が変えたことはないですか?

 「(「弁護士意見」の記載は)一言一句そのままではないですけど、こちらで先生(藤原弁護士)からうかがったお話をまとめて記載しているということです」

 ――「告発者の利益を守る対象ではない」という文言があります。これは公益通報者保護法を検討した結果、こういった意見が出たのですか?

 「はい。そうですね」

 ――公益通報者保護法の対象に(Aさんが)なるかもしれないという検討はしましたか?

 「そうですね」

 ――弁護士はこのような意見を出し、結果あのような処分になったと?

 「そうですね」

 ◆弁護士意見の開示は知事と側近を追い込みたい勢力の仕業か

 一方、弁護士意見にある「マスコミは仕事柄知ってしまった以上書かざるを得ない」との記述も荒唐無稽だとの指摘が出ている。雑誌記者は「メディアに情報を寄せても裏付けが取れなければ記事にはなりません。タレコミがすぐ記事になるというのは妄想ですね」とあきれる。

 告発を「居酒屋の噂話」と一方的に断定した上、メディアへの情報提供についての理解も足りない弁護士意見は、開示された文書の中で処分が妥当だと主張している唯一の部分だ。

 この記述によって処分に必要な客観的な意見を得たように装った県はAさんの処分を決行したが、公益通報者保護法が当時どう扱われていたのかが開示であらわになった。

 Aさんをなぜ当初から公益通報者として扱わなかったのか、は重大な焦点に浮上している。

 斎藤知事は7月24日の会見で、「(Aさんが4月4日に手続きを取った)公益通報の前に今回の文書が配布されました。内容が真実ではない。核心的なところに虚偽の内容が入っていた。人事課もそこは問題だということで、懲戒処分の対象になるということで調査を進めたということです」と主張し処分手続きを中断しなかったことを正当化。

 その根拠に「当時の弁護士さんも、後から公益通報の手続きをとってもそれ以前に配布したことが保護される対象にはならないと発言をされています」と述べ、藤原弁護士がこの主張の根拠を与えたことも隠さなかった。

 

しかし、7月30日の記者会見では一転し、県の対応は「時系列を整理した上で説明したい」と説明を拒むようになった。

県関係者は「対応がまずかったため余計なことを言うなと誰かからアドバイスを受け、知事は態度を変えた印象を受けます」と話す。

7月30日の記者会見で話す斎藤知事(兵庫県運用チャンネルより)
7月30日の記者会見で話す斎藤知事(兵庫県運用チャンネルより)
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 口を閉ざしはじめた斎藤知事には、多くの問題をはらむとみられる弁護士意見の開示は痛手になると考えられる。

 これが黒塗りにされず表に出たのは、当時の処分が不当であることを明らかにして、斎藤知事や4人組を窮地に追い込みたい県庁内勢力の思惑があるのではないか、との見方まで出ている。

 8月2日の百条委は、8月30日に斎藤知事に対して証人尋問を行うことも決めた。調べの対象になった知事と一斉に姿を消した側近たち。兵庫県庁の混迷は深まっている。

 ※「集英社オンライン」では、今回の問題について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。

 メールアドレス:shueisha.online.news@gmail.com

 X(Twitter):@shuon_news 

 ■取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

 元稿:集英社 オンライン 主要ニュース 政治・行政 【地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事らの疑惑を文書で告発した元西播磨県民局長、Aさん(60)・阪神・オリックスの優勝祝賀パレードの資金集めに追われて、パレードへの協賛金の寄付を県から求められていた複数の信用金庫に対する補助金予算が、1億円から4億円に突然引き上げられた問題】  2024年08月02日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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