【政界地獄耳・11.08】:戦勝国になりかねない北朝鮮のウクライナ派兵
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・11.08】:戦勝国になりかねない北朝鮮のウクライナ派兵
★5日、ウクライナのゼレンスキー大統領は北朝鮮兵とウクライナ軍が初めて交戦したと明らかにしたが、同日、米紙ニューヨーク・タイムズも米国とウクライナの高官の話として北朝鮮兵士がロシア西部クルスク州で戦うウクライナ軍と交戦したと報じた。北朝鮮特殊部隊1500人が派兵されたとされるうち、ロシアの第810独立海軍歩兵旅団に40人程度参加し全滅したという情報もある。先月29日、韓国の国会情報委員会国政監査では「派兵された北朝鮮軍はロシア軍事用語の教育を受けているが意思疎通に困難をきたしている」という報告もある。6日、韓国大統領室は「ウクライナとロシアに派兵された北朝鮮軍との間で本格的な戦闘はまだ始まっていない」と情報を否定した。
★北朝鮮軍のウクライナ派兵情報をいち早く世界に示したのは韓国政府だった。韓国にとっては北朝鮮がロシアへの派兵で韓国の安全保障の脅威は高まる。その兵のレベルがいかほどかに強い興味があるのは当然だろう。ただ交戦を認めれば“対処”しなくてはならず、総合的な情報を必要としている時期だろう。興味深いのはロシアも米国もこの問題に関して沈黙を守っていることだ。
★ゼレンスキーから見れば、北朝鮮軍の参戦は西側に脅威を伝える材料となるだろうから喧伝(けんでん)したい情報となる。米ロ韓はその情報を確認することで事態の新局面を迎え、どんな対応をすべきか、これによって東アジアの安全保障が不安定になり、何らかの影響はないかと脅威のリスクの分析を始めるだろう。だがこの北朝鮮兵派兵・参戦情報のタイミングにはいささか政治的な匂いがする。米大統領選挙の日程と極めて密接なことだ。早々にトランプの再選が決まったが、新大統領の存在を無視してこの軍事行動は発動されなかったのではないか。次期大統領ドナルド・トランプはかねて「戦争を終わらせる」としているが、そのシナリオに組み込まれているならば北朝鮮は戦勝国になりかねない。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません4。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年11月08日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます