【兵庫県知事選】:候補者インタビュー 全候補編
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県知事選】:【兵庫県知事選】:候補者インタビュー 全候補編
兵庫県知事選挙が10月31日告示し、立候補した7人が舌戦を繰り広げている。立候補者それぞれに出馬の動機や、告発文書問題に対する見解、斎藤県政への評価などを聞いた。(届け出順)
◆清水 貴之氏 (無・新) 五国の特色で活性化
清水氏
―出馬の動機は
兵庫県が悪い印象を与えてしまうニュースが広がった。これを払しょくし、兵庫ってこんなに素晴らしい所だと伝えたい、と出馬を決意した。「ひょうごリスタート」をキャッチコピーにし、「五国創生」も掲げる。五国それぞれの特色を生かし、兵庫全体が活性化していくようにしたい。
―告発文書問題について見解は
初期対応や議会とのやり取りによってあつれきが生じた。どこに問題があったのかを考え、うまく着地できていたら、職員が亡くなることも防げたと思う。百条委員会などが続いているので、しっかりと原因を究明し、再発防止をすることが大事。
―斎藤県政をどう評価する
行政改革や子育て世代の支援など方向性は同じだが、職員や議会、県民とのコミュニケーションに大きな課題があった。私ならもっといろんな人の意見を聞いて集約していく。
―維新を離党し、無所属での出馬
兵庫を新しく作り直してほしいという声を形にすることが目的で、政党の選挙をする場合ではない。また議会から、幅広くサポートを頂くためにも無所属を選んだ。ただ、広い兵庫。維新から推薦を受けることはないが、仲間の支援はもらって選挙を進めたい。
◆稲村 和美氏 (無・新) 多様な声届く県政に
稲村氏
―出馬の動機は
政治家になった原点は阪神淡路大震災でのボランティア。30年の節目を迎えようとする時に、兵庫の悪いニュースが駆け巡った。歯がゆい思いが募る中、多くの人に声をかけていただいた。「対話と信頼なくして改革なし」。皆さんと一緒なら新しい兵庫をつくっていけると決断した。
―告発文書問題について見解は
問題は当事者が告発者探しをしたことで、客観的な調査をすべきだった。私が知事になれたら、職員には知事や上司ではなく県民の方を向いて仕事ができる人事評価を取り入れたい。ハラスメント防止条例も作りたい。
―斎藤県政をどう評価する
県の将来負担費比率は全国ワーストで改革が必要な中、私も3年前の新知事誕生に期待した。が、この混乱と停滞。不妊治療助成や県立大の無償化など新しい取り組みはされたが、問われるのはリーダーの資質だと思う。
―尼崎市長を経験した
尼崎でも改革を進めたが住民や議会、職員との信頼関係がなければできなかった。その信頼が今の県政にはないので、多様な声が届く県政をつくりたい。市長をしたからこそ、市町との連携が不可欠だと思う。広域の課題は県として進め、兵庫五国さまざまな個性と課題に応じた取り組みを現場と一緒に行いたい。
◆斎藤 元彦氏 (無・前) 改革止めない即戦力
斎藤氏
―3年間の県政を振り返って
就任直後はコロナ禍に忙殺されたが、県政改革を行い、県立大の無償化や不妊治療助成など若者への支援に取り組んだ。万博に向けた取り組みも行い、各地のいろんな人に集っていただいたことが思い出深い。
―告発文書問題の対応を問題視された
県政に停滞を招き、心から県民に申し訳ないと思っている。ただ、当時の県の立場としては法的にもきちっと対応した。その上でまた知事になれたら、直接知事にものが言えて、自分も歩み寄って耳が痛いことも聞けるような職場の風土に改善したい。百条委員会などでの調査が進んでいるため、真摯に協力したい。
―道義的責任について考えは
日本は江戸時代から藩や家で何か問題があれば、切腹して話を収めるなど、責任を取って辞めてきた。私は辞めるだけじゃなくて、間違っていたところを改めて改善していくことも責任の果たし方だと思っている。
―再出馬への思いは
責任がある者として、自ら県政を立て直したい。間違っていたことは反省し、失敗した者だからこそ新たなチャレンジができると思う。これまで進めてきた改革を止めたくないし、その即戦力は斎藤元彦だと考える。「兵庫の躍動を止めない」というテーマを県民に分かっていただきたい。
◆大澤 芳清氏 (無・新、共推薦) 当たり前の生活維持
大澤氏
―出馬の動機は
きっかけはコロナ禍。私の病院でも、患者の搬送を保健所にお願いしたが断られた。保健所が悪いのではなく、そういう状況に追い込まれていた。他にも研修医の定員を決める権限を県知事が持っており、県政に関わる必要があると感じた。
―告発文書問題について見解は
補助金に関する問題などは法律違反の可能性があり、究明しなければならない。また、県庁の仕組みとして、安心してものが言える環境がなかったのではないか。それが今回明らかになったと思っている。
―斎藤県政をどう評価する
県立大の無償化は良いが対象が少なく、私は全員が対象になるようにしたいし、高校も無償にしたい。県庁舎の建て替えについては耐震の問題で必要だが、いろんな意見を聞いて災害拠点にもなるような庁舎を考えたい。また、高規格道路や高校の統廃合は止めたい。
―地域医療の問題について見解は
病院がなくなるとその地域で暮らせなくなるが、民間に任せると不採算の部門をやらないため、公が介入する必要がある。医師である私の強みは行政経験がないこと。蛇口をひねったら水が出るように、当たり前を維持し、支えるのが県の仕事。県民が安心できる暮らしにしたい。
◆福本 繁幸氏(無・新) 兵庫から日本変える
福本氏
―出馬の動機は
斎藤前知事は私にとって100点満点の知事だったが、どんどんマイナスになり、ついにゼロになった。しかし、斎藤さんの改革が無駄になってはいけない。後継者として、修正すべきことも考えながらの県政運営ができればと決意した。
―告発文書問題について見解は
斎藤さんはそれほど悪い人ではないと思うが、初動は問題があったし、頑固になり過ぎた。この状態で斎藤さんがまた知事になれば混乱する。一度引いて問題の対応に集中してもらいたい。亡くなられた方もあり、こうならない県政づくりをしなければならない。
―斎藤県政をどう評価する
少子化対策は全体的な平均値を達成している。すごいと思ったのは、65歳以上の県職員の天下りを止めたこと。人が手を付けていないところに対して、平然とやっていた。ただ敵を作る結果にもなった。斎藤さんが残されたことの良いことは継承していきたい。
―東京都知事選にも出馬した
「若者がこれからの日本を変えるんだ。だから投票に行こう」と呼びかけてきた。それは兵庫も同じ。日本の中心にある兵庫からも日本を変えていくことはできる。与えられた時間に思いつく限りのことをするのが使命だと思っている。
◆立花 孝志氏 (無・新) 社会正義通す立候補
立花氏
―出馬の動機は
噂を基にした事実ではない情報が拡散されており、斎藤前知事には犯罪行為もなく、違法行為もない。このまま前知事の改革が止まるようなことがあってはならない。発信力のある私がしっかりと選挙戦で訴えることで合法的に斎藤さんのサポートをしていきたいと考えた。
―告発文書問題について見解は
伝聞や証拠がないことをいきなり外部に出すことは名誉棄損に当たる。私に寄せられる情報で内部告発の名のもとに知事を蹴落としたという結論に至った。私も内部告発をしたことがあるため、それを政争の具にしたことに憤っている。
―斎藤県政をどう評価する
庁舎建て替えを見直したことなども賛成しているし、やろうとしたことは全て認めているが、最終的には実行していく能力が問われる。斎藤前知事は4年の任期の中で急いだ部分があるかもしれない。もう少しゆっくりとしたペースでもよかった。
―当選を考えていないとしている
選挙は当選するために行うものだと思い込まれているが、公選法にはどこにも当選を目指さないといけないと書いていない。社会正義を通すために立候補することもありだということをお知らせしたい。
◆木島 洋嗣氏 (無・新) 4大市構想で活性化
木島氏
―出馬の動機は
斎藤前知事の路線は評価しているが、出馬を予定している人の発言から路線を引き継ぐ人がいないと感じた。また今回は、斎藤前知事は出馬すべきでないと考えるため、自身の出馬を決めた。
―告発文書問題について見解は
第三者委員会が調査すべきで、前副知事らが直接調査したことは問題があり、慎重であるべきだった。コミュニケーションに課題があったと思うが、私は中小企業を経営していたので、社員とのコミュニケーションは当たり前。企業での当たり前を行えば全て解決する。
―斎藤県政をどう評価する
県立大の無償化や県庁の建て替えをいったん停止して考えるなど賛成することが多く、基本的に路線を引き継ぎたい。
―関西州や播磨・丹波・但馬・淡路での4大市構想を掲げた
兵庫と大阪を合併する関西州構想は、実現すれば東京に並ぶ経済圏ができ、一極集中を是正できる。4大市はそれぞれの地域の特性や課題に合った行政運営をすべきという考え。権限と財源を県から市に移し、それを受けられる規模の自治体にまとまってもらうために4大市への合併を促していくもの。このくらいインパクトのあることこそ兵庫大阪を活性化できると考える。
【関連記事】
元稿:丹波新聞社 主要ニュース 社会 【話題・選挙・兵庫県知事選】 2024年11月06日 18:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。