【政界地獄耳・11.01】:自民と政策協議、国民民主の“詭弁”は有権者に通じるか
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・11.01】:自民と政策協議、国民民主の“詭弁”は有権者に通じるか
★せっかく総選挙で自公過半数割れにまで追い込んだものの、野党はひとつにまとまれず、首相・石破茂の首相指名は確実視され始めた。秋波を送られていた国民民主党代表・玉木雄一郎は「我々はやっぱり、国民民主党に期待してくれた民意に一番沿う形で投票行動するということであれば、1回目も2回目も玉木雄一郎と書くのが一番、我々に託してくれた民意にかなうものだと」と筋の通った発言に聞こえるが、無言の石破首相指名のサポートに他ならない。

★メディアは国民民主党の政策が合致しているとか、いろいろ理屈をつけているが、玉木は元財務官僚。財政健全化など眼中にないバラまき派に自民党は本当に乗れるのか。背景には第2次岸田内閣の時に受諾した首相補佐官(賃金・雇用担当)を務める矢田稚子の存在が大きい。矢田は参院議員1期を務めたことがあり、元国民民主党副代表兼両院議員総会長。矢田がその仲介を果たして石破再選の道筋をつけたのではないかと政界ではもっぱらだ。「手取りを増やす」というスローガン的な政策で躍進した国民民主はわかりやすいが政策的には自民党に極めて近く、今までもさまざまな方法で自民党に秋波を送ってきた。矢田は連合会長・芳野友子とも近く、今までは良好な関係を送ってきたが芳野の立場は国民が与党、立憲民主党が野党の立場になれば連合自体がまた裂き状態になり空中分解しかねず、それは避けたい。そこで微妙な調整が必要で矢田が間に入ったとみられる。
★国民民主党幹事長・榛葉賀津也は「野田氏の名前は書けない」というが、玉木と書いて石破再選なら石破と書いたも同然。「手取りを増やす」はわかるが政治とカネには目をつぶるのかと誰もが思う。結局国民が自民党と政策協議に入れば政治とカネを野党はとがめないというメッセージになれば自民党の思うつぼでもある。それを有権者が許してくれるのなら自民党はここまで負けない。政治とカネの議論に決着をつけねば前に進めない。それが少数与党・自民党の現実だ。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません4。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年11月01日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。