【金口木舌・12.19】:危うい筋書き
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.19】:危うい筋書き
石破茂首相の言う日米地位協定の改定とは何か。考えているうちに怖い話を聞いた。ジャーナリストの布施祐仁さんが首相の意中を読み解いている
▼石破首相は以前、こう発言していた。「米国領土に自衛隊の基地を置くことも考えるべきだ」。話はここから。駐留に伴って浮上するのが地位協定の締結。この締結交渉で「初めて『同一、対等』の地位協定を結び合うことができる」というのが首相が描く筋書き
▼大方の人が求める改定は不平等な裁判権や環境面での基地立ち入り権限のはず。随分と切り口は違う。「軍事的対等」を成し遂げた上で裁判権などはその後ということか。端から無理筋な感もある
▼怖いのは仮に軍事的に対等となってグアムに自衛隊が駐留した場合だ。布施さんいわく。「日米安保条約の範囲がさらに西太平洋へ広がって南シナ海で米国と中国の戦闘が起きたら日本も加わることになる」。自動参戦のリスクもある
▼米軍にとって地位協定の改定は特権を失う損な話のはずだが、首相は「同盟の強化」と言い切る。釣り合わない話だと思っていたが、裏にこういう筋書きがあったか。これは危うい。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年12月19日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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