沖縄県名護市辺野古の新基地建設の賛否を問う県民投票条例を巡り、宜野湾市議会与党会派は、12月4日開会の定例会で、同条例に反対し、普天間飛行場の閉鎖・返還を求める意見書を提案する。県議会で、賛否以外の選択肢を持つ修正案も提出された経緯に触れ「条例は全会一致ではなく、多様な県民の意思を表すのに配慮が欠ける」としている。4日に議決され、与党多数のため可決の見通し。与党会派は、追加議案で執行部から上程される予算の否決も検討している。

名護市辺野古の新基地建設の賛否を問う県民投票に反対する意見書について議論する宜野湾市議会議会運営委員会=27日、宜野湾市議会

与党多数で可決の見通し

27日の議会運営委員会で意見書を諮ったが反対の委員が出たため、全会一致が原則の委員会提案には至らず、議員提案で本会議に提案する。野党会派はこれに対し、県民投票に賛成する意見書を提案する。

条例に反対する意見書文案では、条例に米軍普天間飛行場の危険性除去の明記がなく「宜野湾市民が置き去りにされ、県民の意思を示すものではない」としている。また、政府、県、宜野湾市で行う同飛行場の負担軽減推進会議と作業部会の再開を求めている。

与党市議の一人は「普天間を抱える地元としての立場がある。緑ヶ丘保育園、普天間第二小学校で事故もあった。一日も早く飛行場を返還したい。投票結果が普天間の固定化につながりかねない」と主張。

一方、ある野党市議は「民主主義の根幹を否定するもの。辺野古賛成の意思表示もつぶすもので普天間の危険性に触れていないからというのは筋違いだ」と反発した。

松川正則市長は、意見書について記者団に「全会一致なのか賛成反対に分かれるのか、注視したい」と述べた。(引用ここまで)

琉球新報 辺野古移設賛否問う県民投票、2月24日に 県、方針固める 保留4市の説得加速 2018年11月27日 05:00

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-839985.html

米軍キャンプ・シュワブ沿岸域の埋め立て区域の一部=10月18日午後、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸(小型無人機で撮影)

米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票について、県が投票日を来年2月24日に設定する方針を固めたことが26日、関係者への取材で分かった。近く玉城デニー知事が日程を公表する見通し。県は、投開票事務の協力を保留している石垣、糸満、うるま、宜野湾の4市への説得を加速させる。

関係者によると、既に県幹部が2月24日で最終調整していることを県政与党に伝達した。2月10日投開票という案もあったが、3連休の中日になって投票率が下がる恐れがあることや、豊見城市議選の日程と重なって投開票所の確保が難しいことを考慮した。また2月17日投開票とすると「おきなわマラソン」と同日になることから見送る。

それより前倒しして実施すると周知期間が短くなって投票率に影響する懸念があることや、年末年始に近くなるため投開票事務を行う市町村に配慮して回避することにした。3月に入ると年度末で市町村が多忙になることから、円滑な実施が難しいと判断した。

県民投票条例では公布から半年以内の県民投票実施が定められており、4月30日まで投票日を設定することは可能だ。しかし、年度をまたぐと予算の繰り越しなど事務作業も煩雑になることなどを加味し、県は2月24日が最適と判断した。

県民投票の日程が固まったことを受け、県政与党は連絡会を発足させるなど投票率の向上に向けた態勢の整備を急ぐ。

宜野湾市議会、反対へ/県民投票/与党が意見書提案方針

【宜野湾】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票を巡り、同飛行場を抱える宜野湾市の市議会与党会派は26日までに、実施に反対する意見書を本会議に提案する方針を固めた。「県民投票条例の条文に普天間の危険性除去の要素がない」ことなどを提案理由に挙げている。12月4日に開会する定例会に提案する。議会構成が与党多数のため、可決される見通し。与党会派は今後、県民投票に必要な補正予算案の否決も検討する。

与党市議からはそのほか「賛成、反対の2択では民意が反映されない」「県民投票は普天間飛行場の固定化につながりかねない」「知事選で知事が『民意が示された』と言っている中で5億5千万円もの経費を使って実施する必要があるのか」などの懸念や批判が上がっている。

絆クラブ、絆輝クラブの与党各会派は26日に会合を開き、意見書の文案を調整した。27日の議会運営委員会に諮る。県民投票を巡っては、松川正則宜野湾市長も与党会派と同様な理由で懸念を示している。補正予算案は議会に提出する見通しだが、議会が否決した場合に専決処分で実施するかについては、「議会と調整したい」と述べるにとどめている。 (長嶺真輝)