私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

アカアシシギ幼羽4羽。キアシとアオアシもいたが、そろわず恒例の信号写真にならなかった。

2009年7月18日(土)養老牛温泉

2009年07月30日 | 北海道
■2009/7/18(土)20:00-0:30【天気】曇り,小雨
【場所】養老牛温泉藤や裏庭一帯
【種名】シマフクロウ 緑足輪右足・左足装着個体計2羽(1科1種)
【メモ】エトピリカ以外は見るものを見,「明日は雨なら来ません。今日は本当にありがとうございました。」とご挨拶して,宿泊地の養老牛温泉に向かった。国後国道R335を標津町に向けて約30分あまり走ると釧標国道R272の交差点に出るが,その少し前で曲がって川北中の前を通った方が中標津空港の横を通るので,養老牛温泉に近い。しばらく牧草地や牧場を道の両側に見ながら行くと,今走っているR150とR505の交差点(信号はないが)に出る。右折してしばらく走ると道は少しずつ山側へ進んでいく。さらに進むと牧草地はなくなり,山地へと入っていく。標津町からは約1時間の行程だ。
養老牛温泉には3軒の温泉宿があり,橋の手前がここもシマフクロウが見られる「湯宿だいいち」。橋を渡ってホテル風の建物が「ホテル養老牛」,その斜め奥向かいが今回連泊した旅館「藤や」だ。4月の時点で一番よく見える1階の部屋を予約した。1ヶ月前くらいから毎日ホームページのライブカメラを見ていたが,時々,シマフクロウが突っ立っていたり,キタキツネがいたり,1週間前にはほぼ毎日出ていて時間帯は8時から8時30分が多かった。ある時は,ライブカメラのすぐ近くにいたらしく,やたら大写しの時があった。事前にメールでやりとりし,「3羽同時に見れたらいいですね」と言われ,わくわくしながら旅館に着いた。玄関先の木にオオルリ♂やゴジュウカラがいた。雨も降っていたし,特に撮影する気もなかったので旅館に入った。ここは映画「釣りバカ日誌ファイナル」のロケ地で,ロケの様子や有名な出演者と旅館の方とのスナップがたくさん壁に貼ってあった。
さて,1階の新館の部屋に通され,窓の外を見ると,ライブカメラでおなじみの生け簀がすぐ近くにあった。シマフクロウの大きさで,この距離なら十分大きく撮影できると確信した。川のすぐ側にある露天風呂はとても気持ちがよく,6時には夕食に行った。ダイニングは自分の宿泊する部屋の1つ隣で,外にはベランダがあり,雨でなければビールで乾杯という場所で,生け簀はさらに近い。大きい花咲ガニを食べながら,ボリュームたっぷりの食事を食べ,午後8時近くになり,シマフクロウがやってくる時間が迫ってきたので,部屋に戻ってビデオとカメラをセットした。部屋の明かりは消し,カーテンを引いて,椅子に座ってシマフクロウがやって来るのを待った。明かりはダイニングの近くに外灯(蛍光灯)があるが,とにかくぼーっと見える程度だ。冬は雪があってかなり明るいし,満月はもっと明るいですよと言われたが,何しろ小雨交じりの暗い夜である。
しかし,待つまもなくシマフクロウはすぐにやってきた。身長70cmの巨大な猫というのが第一印象で,生け簀のイワナを狙っている。フクロウなんかとは全く存在感の異なる動物。しかし,とても可愛くもある。おんぶして散歩してみたい感じ。八木山動物園のフクちゃんというフクロウは,撫でてあげると羽毛がとても柔らかく,気持ちよさそうに首をまわすが,シマフクロウもきっとふわふわしていい感じだろう。しかし,その存在感がすごい。双眼鏡で見ていて斜めに構えた時など,思わず身震いするような迫力がある。これが昼間大樹にとまっているのを見ることができたら,本当にすごいだろう。
このシマフクロウは両足の白リングの他,左足に緑のリングをしていた。10分くらいいて,イワナを捕らえ,川近くの木の塀に止まり,そこでイワナを食べ始めた。カワウやウミウなら,もっとずっと大きい魚を瞬間芸で丸呑みできるが,シマフクロウは30分以上かけて,引きちぎって食べていた。それから飛び去ったのだが,たぶんまた来るだろうと部屋のモニターを見ながら布団に横になって,現れるのを待った。11時を過ぎてキタキツネがやってきた。イワナを2匹ゲットして,そのうち何かに驚いたように去っていった。ふと窓越しに目の前の生け簀を見るとぼーっと白いものが立っていた。シマフクロウがやってきたのだ。しばらくいて何も捕らずにいたところ,新館2階の宿泊客が懐中電灯で照らしたので,シマフクロウは先ほどの木塀に止まった。今度は右足に緑のリングで先ほどとは別の個体だ。ペアと幼鳥がいるといっていたので,どちらかが♂成鳥で一方が♀成鳥だ。懐中電灯で照らしたおかげで,距離的には遠かったが,何とか撮影できたが,ちょっと複雑な気持ちだ。しかし,わずかな光があれば撮影できることがわかった。
写真の方だが,初めは窓を開けずに2重ガラス越しに撮影したので,掲載したとおり,解像度が良くない。ピントも合わない。北海道に来る前にヨドバシでレリーズを購入しようと行ったのだが,カメラには2秒のタイマーがあるし,これでいいやと思って買わなかった。ほとんど暗い状況で,ビデオもほとんど見えないし,期待していたライブビューは何も映らん!という状況。ISOを最初800にしたら,シャッタースピードが4秒,後半1250にあげ開放で2秒ちょっとだった。ピントは当然マニュアルで,この日はあまりうまくは撮れなかった。
雨が降ると川で魚が捕れず,生け簀に来る確率が高くなると旅館の方が言うので,明日の晩もあるさと,1時には就寝した。ちなみに朝は7時頃まで寝ていた。写真は結局56枚しか撮らなかった。
【写真】
  
■音は聞こえなかったが(窓を閉めていたし),バフバフという感じで舞い降りてきたシマフクロウ
  
■イワナを捕まえたキタキツネ。塀に止まった緑の足輪が右側にある個体


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