私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

元旦の化女沼シジュウカラガン飛び出しは、飛び出す頃に目が覚め、なし。明日はないので、3日頃にでも行くかな。

ハシボソミズナギドリとハイイロミズナギドリの識別その1

2010年02月08日 | 観察図鑑
■2008/5/4(日)9:38-9:40,15:55-16:04【天気】晴れ
【場所】金華山航路
【種名】オオミズナギドリ++,ハイイロミズナギドリ,ハシボソミズナギドリ+(1科3種)
【メモ】ハイイロミズナギドリとハシボソミズナギドリについて,これまでの観察記録や写真から両種の野外での識別点について考察してみた。結論から言えば,それまでハシボソミズナギドリだと思っていたのは,そのほとんどがハイイロミズナギドリだったということだ。以前ハイイロミズナギドリを至近距離で見る機会があり,改めてこれまで観察・撮影した個体を見ると,例えば,次の記事に掲載予定の2005年7月21日の気仙沼沖から大船渡沖の近海で観察した群れや,7月24日に気仙沼大島沖から金華山沖にかけて観察した群れは,全部ハイイロミズナギドリであったこと。また6,7月にフェリーで仙台・苫小牧を往復した際に観察した個体のほとんどがやはりハイイロミズナギドリだったということ。それではハシボソミズナギドリの観察と写真はというと,確実なのはここに再掲した2008年5月4日の鮎川・金華山航路の群れであった。ただし,過去に金華山・女川航路で,午後遅くの船で海が荒れた時など,船のすぐ近くを飛んでいた黒褐色のずんぐりむっくりしたミズナギドリは,ほぼ間違いなくハシボソミズナギドリであったと考えられる。
そこで,写真判定での自分なりの識別点を考えてみた。
(1)嘴峰:管鼻の比 
『増補改訂版 日本鳥類大図鑑Ⅲ』清棲幸保 講談社 昭和53年によれば,ハイイロミズナギドリの嘴峰は38-47.5mm,ハシボソミズナギドリのそれは31.5-34.5でハイイロミズナギドリの方が長い。管鼻の長さはデータがないのでわからないが,写真で大きく両種の嘴部分を比べ,前述した比を比べると,ハイイロミズナギドリは4.5~5:1,ハシボソミズナギドリは3:1ほどの比になる。しかし,これは海上で遠くを飛んでいる場合はわからない。嘴の太さと長さについては近くで見れば明らかにハイイロは長く,ハシボソはやや短くて細い。
(2)頭の形
図鑑などでは「なだらか」と「おでこ」とあり,近くで見たり,真横から見れば確かにそうだが,船などに追われて船の進行方向に逃げていく時のハイイロミズナギドリの頭は,角度の関係でおでこというよりは絶壁に近く見えるので,写真で絶壁だから,ハシボソとは全然ならない。むしろそれくらいの距離であれば嘴の形状を見ると,ハイイロミズナギドリの場合は,かなり長く途中湾曲しているのがわかる。ということで,私のレベルからすると,船と平行して飛んで真横であれば,まさになだらかとおでこなので違うことは違うし,真横に浮かんでいればこれも識別はできる。
(3)翼下面
これは,近くでハイイロミズナギドリを見て,どの羽が白もしくは灰色なのかわかったが,遠くを飛んでいるのを見てもよほど,条件がよくない限り,識別のポイントにはならない感じがする。
(4)飛翔時の体型
ハイイロミズナギドリはハシボソミズナギドリよりも頭が小さく見える。ハシボソがずんぐりでハイイロはややスマートな感じがする。

というようなわけで,何とも頼りない識別ポイントだが,これを機会にとにかくカモメ類同様,スタンダードをいっぱい見るしかないので,いろんな条件で観察して総合的にこれだというしかないというのが現在のレベルだ。また当然のことながら,幼羽~成鳥羽というのもあるし,観察される時期によってまた違ってくるだろう。
【写真】
  
■ハシボソミズナギドリの飛翔
  
■右の写真及び下の左端の写真は体型からハイイロミズナギドリのように思われるが,わからない。
  
■真ん中は不明。右端は嘴と管鼻の比からハシボソか。
  
■左端は不明,他はハシボソミズナギドリ
  
■これは近かった個体で,ハシボソミズナギドリ。


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ハイイロミズナギドリとハシボソミズナギドリの識別その2

2010年02月08日 | 観察図鑑
■2005/7/21(木)16:37-16:48,7/24(日)5:46-10:30【天気】晴れ
【場所】気仙沼大島沖,大船渡~石巻港
【種名】オオミズナギドリ,ハイイロミズナギドリ,クロアシアホウドリ(2科3種)
【メモ】2005年7月の石巻港~函館港往復の海上で観察されたミズナギドリ類について,改めて写真を見ると,ハシボソと記載したミズナギドリはすべて,ハイイロミズナギドリだった。明らかにハイイロミズナギドリだとわかる個体は真横から見て嘴が長く,頭がなだらかで,翼下面が白っぽく見える場合だが,斜め後ろから見ると,真横から見るより,頭や嘴はかなり特徴的というか,とても同じ個体とは思えない感じに見える。嘴は下の嘴はほぼまっすぐだが,上の嘴は釣り針のように曲がっていて管鼻の長さが嘴に比して短いので,管鼻の先から上嘴が少し曲がっているように見えるのが特徴である。それから,翼下面の羽が白いのは初列中雨覆,大雨覆,それに初列風切の一部だが,先端部分は白くない。また次列風切も初列に近い方が部分的に白くなっている。前縁雨覆も部分的に白い。多くの個体を見ると,明らかに成鳥羽と思われる個体と,第何回~と思われる個体がいる。腹部のパターンも個体差があってまだらのようになっているものや,比較的一様なもあっとした感じのもいるので,年齢差かもしれないが,よくわからない。
こうした知見をもって,4月あたりから海に出て観察すれば,ミズナギドリ類はカモメに劣らず奥が深いと言えよう。
【写真】
  
■左端,水平に飛んでいるシルエットは,ずんぐりでハシボソミズナギドリとそれほど変わらないように見える。
  
■ハイイロミズナギドリ
  
■ハイイロミズナギドリ


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2010年2月7日(日)庭に来る鳥

2010年02月08日 | 庭に来る鳥
■2010/2/7(日)8:47-8:58【天気】晴れ・曇り
【場所】自宅
【種名】キジバトペア,ヒヨドリ2,ヤマガラ1,シジュウカラ1,メジロペア+1,カワラヒワ12,シメ1,スズメ40+(6科8種)
【メモ】昨日の雪が庭にまだまだ積もっていた。朝から雪の中からカワラヒワやスズメたちが餌を探していた。キジバトペアは,いつものお気に入りの枝で2羽で並んで,餌が蒔かれるのを待っている風情だった。果物をいつもより多めにキウイの枝にさしてやった。キジバトは別として(平和主義者なので),ヒヨドリより他の小鳥が逃げるのはシメのようだ。今日は,まだサッシのガラス越しだが,シメは逃げないで餌台でしきりにヒマワリの種をついばんでいた。だいぶ慣れてきたようだ。キジバトペアは手前が♀で,奥が♂である。頭がやや細く角張っているのがこの個体の識別点。♀の頭はなだらかな感じ。手前の♀がしきりに餌をついばんでいる横で,時々周りを警戒したり♀を上からのぞき込んだり,ほほえましいのである。ただし,周りの鳥がぱっと何か危険を感じていなくなっても,堂々といつまでも食べているのは♂である。
【写真】
  
■キジバト,シメ,メジロ。3種ともほぼ同じ距離から(ガラス越しに)撮影した。大きさがよくわかる。
  
■シメとメジロ。


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