アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

森下唯氏のペアレッスン

2016年05月21日 | ピアノ
コアなファン(ピアニートの? 森下唯の? アルカンの?)同士知り合うことができて勢いづいた私たちは、ついに森下唯氏をお呼びしてめるちゃんでレッスンをしてもらうというところに漕ぎつけたのであった。

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特にピアノに格別の関心はない家族たちも、ピアニートが弾く動画はニコニコでお馴染みで、特に巨人の星とかガンバスターの凄さはよくわかっているので…

この、カレンダーに書いてある、「森下唯レッスン」って何?? マジ?? 「生」森下?? うちに??

とハテナマークいっぱい飛ばしながら、「今日は会社休めない…」とか後ろ髪を引かれつつ学校に会社にと出かけていきました。いや、いてほしいって言ってないよ!! というか、私も森下唯氏の演奏は何度も聞いたけれどもレッスンは初めてで、どんなふうになるかまったくわからなかったから、初回からほかの人呼んでその面前でレッスンとか無理ムリ

というわけでひっそりと。聴講アリは次回からにします(←えぇ、次回あります)

ひっそり、とはいっても、お互いに相手のレッスンのときは聞いてるので、まぁ半公開レッスンのようなものです。めっさ緊張しましたわ…

しかし森下氏はごくふつうなことのように我が家までいらっしゃって、穏やかに和やかにレッスンしてお茶して帰りました。

私が見てもらったのは、アルカンのエスキスより「17. 3声の小さな前奏曲」と「18. 小リート」。

初めてなので、短くて、楽譜の黒くないやつってことで1ページものを選びましたが、まぁこれが弾きにくいのなんのって、よく考えれば私はシンフォニアのいっこも弾いたことないのにこの曲って無謀だったかもしれん。けど練習始めたらなんとなく転進しにくいというか、妙に心ひかれるんです。それでそのまま…

森下先生「これ(エスキスの中で)一番難しいですよ」

(汗)けど、黒いのもそれはそれでどうしようも弾けないんで。

まず、直されたのは指使い。3声のうち2声を右手で弾いていくんですがこのひっからまり具合が弾きにくくて、指使いはずいぶん試行錯誤したけど結局しっくりこないまま。それでうまくつながってないとことかあるのを指摘され
「黒鍵は極力1を使わない」
「指かえ(1音鳴らしている間に違う指で押さえる)を積極的に使う」
という方針で見直しいくつか

…うむ~確かに。つながりよくなりました。けど、レッスン中に直した指使いでさらっと弾けるほど器用じゃないんで、その後は混乱しばらく…

次いで、3声のフレーズそれぞれの、切れ目とかカタチとか(頂点はどこで、おさめるところがどこ、とか)の話。結局のところ、この曲はそれが「肝」で、しかし弦楽合奏と違ってそれを一人でオール担当しなきゃいけないところが「これ一番難しいですよ」になるんだと思いますが、それで先生のレクチャーは、「どうあるべきか」を考えることについては非常に明快、納得で、ただしそれをどう実現するかについては、「呼吸」を強調されていたところは具体的に理解できるものの、それ以外はあんまりよくわかりませんでした。

頭と手がウマクつながってない大人が身分不相応のややこしい曲に手ぇ出して格闘してるところのレッスンはそんなに慣れてないのかもしれません。

「18. 小リート」は、短い中にぎゅっと変化が詰まってて、弾いていてとても楽しく気持ちよい曲です。

「ドラマチック」と感じる中身には、曲の仕掛けとして多彩なものがあるわけですが、その解説はほんと「目うろこ」でおもしろかったです。こことここはどう似ててどう違うか、とか。

解説の中で、いろんな「用語」が出てきますが先生が「楽典って勉強されてますか?」と聞くのには「いーえ、ぜんぜん」と答えるしかない状況で、アレレですけど減七をキーポイントに自在に移っていく様子とか、体感的には知ってるので、(用語として知らなくても)説明されてみれば案外わかりやすく、たいへん興味深かったです。

ところで、私がそうやって一時間のレッスンを受けている間、ペアの方はなにやらずっと鉛筆を走らせているなーと思ったら、先生のアドバイスを詳細にメモしてくださってました。それをあとでコピーさせてもらって…たいへんトクした気分(^^)

交代してレッスンのとき、私もメモをとろうと努力はしたのですが、われながらノート取るの下手…途中で生協も来るし…ということで同じだけの貢献はできなかった、ゴメン

でもペアレッスンって、自分でレッスン受けるのとはまた違う発見がいろいろあっておもしろいよ。心臓ばくばくだけどお奨めです(^^;;

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「ミスタッチを恐れるな」というタイトルから

2016年05月19日 | ピアノ
書店でこんなタイトルの本を見かけたら
「ミスタッチを恐れるな」(ウィリアム・ウェストニー)
…ついつい手にとってしまいますよね。

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恐れるなっていわれてもー
日々、自分のミスタッチの多さにげんなりしてて…

いや、別にほかの人の演奏聞くときに、そんなミスタッチの多寡にばっかり集中して聞いたりはしてませんよ。
ミスなしで魅力もない演奏ってのもあると思いますし(とはいえピアノサークルではそんなにお目にかからないw)
ミスはけっこうあるけどそれが気にならなくてずしんと心に届く好演もありますしね。

ミスなし演奏といえば。この私も、実は子どものときというのがありまして、
子ども時代最後の発表会であるところの小学校三年生、曲目はお約束といいますか「エリーゼのために」。

このときの録音が、当時ですからカセットテープに残っていたものを大人になってから聞きましたが。
ミスタッチなく停滞なく拍どおりにそれはそれはもうカタカタと。
聞いていて心躍るところは一片もなく、別の意味で心に響く(ヒヤっとする)ミスもなく、
なんてつまんない演奏なんだろうって。

このあとすぐ、私は「ピアノやめたい」母は即「いいわよ」ってな話になるわけですが、母だってそりゃー本人やめるっていうなら止めないよなって思いました。このピアノじゃね。

言うまでもなく、人はアマチュアの演奏聞くときに、なにもカタカタとノーミスで曲再生するのを聞きたいと思ってるわけではなく、その人なりの表現というか心に届けたいもの、主張したいことに耳を傾けようとしているのですから…

だから、ミスの有無が問題だというわけではない。けれど、ものには限度というものがあるというか、あまりにガタガタしているとノリを壊して、何がいいたいのかさっぱりわからんということになるので、少ない練習時間と、衰えた目と頭という制約の中で、悩むのですね(^^;;

で、まぁ、この本のタイトルを見るとそんなこんなが頭をよぎりますが(前置き長っ)、期待に反してというか、そういう本(ミスを気にせずバーーンと行け、的な)ではありませんでした。

この本でいうところの、「ミスタッチを恐れるな」というのは、本番というより練習中、練習の仕方についての哲学なのですね。

つまり、単に不注意に雑に弾いてミスをしてもそりゃもう何の役にも立ちませんが、
集中して、かつリラックスして、大胆に生き生きと弾いてみて、その結果ミス(訳が適切かどうかわからないが、この本では「正直なミス」と呼ばれている)をするのであれば、
それは何かしらそのミスを生んだ原因というものがある。これは、さらなる前進のための宝となるはずだ。

取り組む部分を明確に定めて(たとえば、弾き始めてから、最初にミスをするところまで)、
問題個所をどうしたいのか詳細にイメージして、
やってみる。
そしてまた結果をしっかり観察する。

ミスは決してランダムに起こっているわけではなく、何か原因があって起こっているのだ(それが、不注意なミスでなく正直なミスであれば)。この「正直なミス」をしっかりとらえて、体と頭がコミュニケーションをすることによって、でたらめでなく真摯な改善ができるのだ。

と、まぁ、そんな趣旨でした。たぶん。たぶん、というのは、上記は私の理解を私の言葉でまとめてみたもので、本にある表現とはかなり違うからです。この本、翻訳が悪いのか元がまわりくどいのか知らないけど、とにかくまとまりが悪いし読みにくくてわかりにくいんです。

長くなっちゃったんで続きはまたこんど…あぁ前置きばっかり長かったせいで内容がないよう。

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対訳が好物です(フランス語)

2016年05月18日 | 生活
ラジオの「まいにちフランス語」と「テレビでフランス語」はすっかり私の中でラジオが主役、テレビはどうでもいい感じで定着しました。

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テレビのほうは、洗濯物畳むときとかついでがあれば見ますが、復習とかはしないで流しちゃいます。

まぁ週一(テレビは週一)で語学というのも無理がありますし、ラジオは週三回(応用編はその他に二回あるがそれは聞いていない)なのでなんとなくちょうどいいです。ラジオのほうはだいたいお昼を食べながら聞いてますが、それだけだとぼんやりしちゃうので、あとでルーズリーフに本文を写して自分なりのメモをつけたりします。なんかまじめな学生みたい。

というか、大学で第二外国語をやったときは授業の復習なんてしたことない…だから全部忘れちゃったんだろうねぇ(ドイツ語)

大学でやるのと違って期末テストとかもありませんし、特に綴りを覚えたいと思っているわけではないのですが、「読めればよい」といってもある程度は定着してないと読むにも困りますので、ただテキストを見てラジオを聞くだけではなくて、「書く」という動作はある程度必須かなと思います。人にもよるかもだけど。

そういう意味でいうと、公文のフランス語とかかなり興味あるんだけど、まぁお金も時間もかかるし、やる予定はないです。でもね…いいなぁ~と思うのは、「対訳」です。

対訳って、もちろんラジオテキストにもその日のスキットとその和訳とか載ってますけど、そんな不自然な電話の会話の断片みたいなのじゃなくて、ちゃんと書き文字としての「文章」、内容は物語でもエッセイでもニュースでもなんでもいいですけど、何かしら意味のまとまりのあるものを対訳で読みたいです。

現実、ふつうに考えればまだそんなレベルじゃないわけですけど(一か月半…)今くらいで読める文章でもいいから対訳が読みたい。たぶん公文ならやたら易しくリライトした文章の対訳が載ってるはずなんです(英語教材がそうなってるので)。

実は、こないだ図書館に行ったときに、無謀にも「フランス語で読もう 木を植えた男」を借りてみましたが、さすがに難しすぎて挫折。うーん、見開きページで対訳になってて、後ろには詳しい注釈つき、CD音声もあって内容も好みでばっちりなんだけど!! もう少しわかるようになったらもう一回借りるぞー(いつのことやら)

でも、いいものを見つけました。ラジオの「まいにちフランス語」の後ろのほうに、いろいろと放送内容とは関係ない付録的なものが載っていますが、その中に「La vie au Québec」というエッセイがあります。これは、ケベック在住の日本人が、「カナダの小学校低学年レベルのやさしいフランス語で」書いたもので、テキスト中、見開きページに対訳で載っています。

しかも!! 音声つきです。放送では取り上げないのですが、ネットで聞けるようになってます。すんばらしい。

易しいといっても私には難しいですが(そりゃそうだ)、訳をたよりにフランス語を解読し、不明点だけ辞書を引けば、そんなにのべつまくなしに辞書を引かなくてもいいですからね。

四月号のテーマはメープルシロップでした(あぁホットケーキ食べたくなった)。

たとえば
Ceux qui aiment cuisiner utilisent le sirop pour la préparation des tartes.
という文がありますが、これでシロップとかタルトはもちろんわかりますしutilなんとかいったら「使う」に関係するだろとか「préparation」だったら準備かなとかわかりますよね。「cuisiner」って知らないけどカタカナで「クイジーヌ」とか見たことあるからたぶん食べ物とか料理とか関係の言葉か…そのほか、quiはwhoのたぐいかなとか、冠詞(la, le, des)とか前置詞pourとかはもう出てきてますし、aimentは…知らないけど「ジュテーム」は知ってる(^^;; からこの「ーム」にあたるっぽいこれはきっと「好き」とかなんとかだろうたぶん。
(料理好きの人はタルト作りにメープルシロップを使います)

その程度のことがわかればあとは対訳と照らし合わせるとだいたいしっくり来るので、心配ならceuxだけ辞書引いとく。

そんな感じで仏和照らし合わせてだいたい納得したあと、日本語を頭に流しながら通してフランス語を読んでみる瞬間が好き。(←かなり変態っぽい)

当分、「まいにちフランス語」だけでも楽しみが十分あっていいわ(^^)

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Cメロ譜よめるかな

2016年05月17日 | ピアノ
いつぞやの発表会後、二次会会場に移るまでの隙間時間に楽譜やさんにダッシュ寄りして、500円のソプラノリコーダーとアニソン楽譜をゲット。

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そのとき買った楽譜はこれ→「ソプラノリコーダーでスタジオ・ジブリ アニメ・ベスト

ふつうにピアノ伴奏ついた楽譜は売ってなかったんですよそこでは。
リコーダーの譜面に、「Dm」とか「C」とかコードが書いてある楽譜をでごさんに押し付けて、
「これに沿って吹きますんで適当に伴奏してください」

そしたら適当というか適切にかっこよく伴奏してくださいました。さすが。

タワシさんに教えていただいたようにこれ(メロディーとコードが書いてある楽譜)は「Cメロ譜」っていうんですね。クラシック畑がちがちのピアノの人には馴染みがありませんが、ジャンルが違えばたいへん一般的なもの(らしいです)。

こんなサラリとした楽譜渡されて突然伴奏できたらそりゃかっこいいと思う(^^) 便利だし。

それで、「もののけ姫」吹いたあと棚につっこんだままになっていた楽譜を引っ張り出して弾いてみました。

Dm いうたら「レ」からおだんごの、マイナーなやつだから「レファラ」。
C いうたらそれはもちろん「ドミソ」。

Gm7 いうたら「ソシbレ」に「ファ」(7)足すんやな。
C7 いうたら「ドミソ」に「シb」(7)


考え考え、ゆっくりゆっくりで良ければ案外読めるもんだ(o_o)

っていうか、コードの読み方知ってた自分にびっくりだよ。今まで読もうと思ってなかったからただの飾りのような(笑)

Dsus4 ってあったのはわからなかったのでぐぐりました。「レファラ」の「ファ」を4にずらして「レソラ」ね。

まぁそうやって書いてあるとおりの和音を全音符で弾いていったら…いちおう伴奏だこれは…

一部の保育園の先生の伴奏よりはだいぶマシだよねこれでも
(注: メロディーがどこへ来ても「ドミソ」で通す先生とかいた!!)

けど、でごさんが弾いてくれたのみたいにかっこよくするには、分散和音にしたり、何か追加したりしないといけないわけだよね??

つまり、「Cメロ譜」が「読める」ということの中身は、単にコードの意味がわかるということではなくて、どう展開したり追加したりして弾くとイイカンジになるか知っていてそれをさっとできるということなんですね。

ということにようやく思い至りました (←イマココ)

そこで「Cメロ譜」でぐぐってみますと、こんなページがあり→Cメロ譜の弾き方

なるほどこうやって考えていくのか~(おぉ)
…けどこの「Cメロ譜の弾き方(4)」とかは何いってるかさっぱわかんないや(^^;;

なんかポピュラー曲も弾いてみたくなったな~

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英仏百年戦争といいつつその実態は

2016年05月16日 | 生活
元々、世界史(+フランス語)マイブームになったきっかけは、英語とフランス語の語彙が大量に被っていることに気が付いて疑問に思ったということでした。

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英語とフランス語ってそのルーツはかなり離れてるはず(ゲルマン系とラテン系?)
なのにいつの間にそんな大量共有してるの?

で、世界史に詳しい人に聞いてみるとそれはノルマン征服王朝といって、フランスから王様(を始めとする支配階級)が流入したことがあるためだということだったわけです。上流の方々はフランス語をしゃべり、下の人は英語をしゃべり…という状況からフランス語語彙が英語に大量注入された、と。

これで疑問点の中心部分は確かに氷解したし、共通語彙が英語→フランス語という向きでなくフランス語→英語という向きで流入したことも確認できた。まぁ、見た目からいっても、綴り規則が出鱈目な英語、綴りから発音がだいたい決まるフランス語ということで、逆ではないらしいことがわかりますけど。

世界史の参考書を見てわかることはこの程度なんですけど、そうするといろんな疑問が新たに生まれます。

ノルマンいうたら北のほうから来た人たちで、それっていつの間にフランス語ネイティブになってんの? とか
英語に含まれるフランス語由来の大量語彙は、要するに征服の歴史ってことだけど、それに対して英語圏の人たちは反発の気持ちってないの? とか

っていうかそもそも、よその国から王様が来る…それもよその国のある地域の長(ノルマンディー公)がかけもちという状況がさっぱりわかんない。

それで、先日図書館へ行ったときに「英仏百年戦争」という本が目に留まって借りてきました。

そしたらかなりばっちり私の疑問に思ってた領域をカバーする本でして…借りてきてよかったです。とはいえ、私はイラチなのでこんな微に入り細に渡った本を丁寧に読むことはできないので、気になるところ飛ばし読みですけどね。

それによればノルマンディー公家ですがこれは十世紀のロロという男を祖としており、とどのつまりはフランスを荒らしたヴァイキングの首領でした。ちなみにイングランドのほうを襲撃したデーン人というのもこのヴァイキングあたりなので似たようなものです。

けれど大陸のほうには(イングランドよりだいぶ)西フランク王という権威があって、速やかに懐柔され定住しキリスト教を受け入れフランス化(名前もフランス風に)したのですね。だから問題の時点でのノルマンディ公はギョーム二世。

この、ギョームってのが英語圏でいうとウィリアムってことになるらしいけど、どう呼ぼうがギョーム二世自身はフランス語ネイティブ。ということのようです。フランス化はやっ。。

当時の状況でいうと、産業の中心は農業ですし、するってぇとイングランドよりフランスのほうが広大で豊かなのは理の当然。フランスの一地方みたいな感覚でイングランドを征服し、国中の領主貴族をほとんど総入れ替えして外様なしで固めるなんてこともできてしまった。だからフランスにいる間留守しててもイングランドはちゃんと保持できて…しかも王様留守でも世の中が回るように、司法行政財政なんかのシステムも整えられていった。

なんだか不思議な状況だけれど、このころは「イングランド」「フランス」といっても今のイメージでいう「国」というほど輪郭のはっきりしたものではなくて、それぞれ貴族が領地を持っている、その寄せ集め的な雰囲気があるようです。

さてさてそんな状況ですから「英仏百年戦争」(この本のタイトルですが)といっても「英」の側がフランスの人ですから、仏仏みたいなものです。だいたい、当時の人がこの(一連の)戦争のことを「百年戦争」と呼んでいたわけはないので(いつまで続くかわからないのに)、そういうまとまりを持ってとらえられているわけではないですね。

その詳しいいきさつは、私がダイジェストしても不正確になるばかりなのでざっくり全部省略しますが、非常に大雑把にいうと途中までイングランドが押してたけどフランス側が押し返した(ジャンヌダルクとか出てきて)って言ってもいいですよね。でもイギリスの人たちはあんまり負けたと思っていなくて、途中の景気良かったところまでで一段落みたいな、イングランド勝って終わったみたいなイメージをわりと持ってる、それはシェイクスピアの戯曲の作ったイメージに寄るところが大きいとか。

ところで、上流と下流で違う言葉をしゃべってた状況はいつ終わりを告げたのかということだけど、この本で紹介されているシェークスピアの「ヘンリー五世」で、ヘンリー五世が婚約者カトリーヌ王女にカタコトのフランス語を混ぜてしゃべってる場面があります。ということでこのヘンリーさんは既にフランス語ネイティブじゃないようです。

このころから、「上の人」(王様)であっても気持ちがイングランド人になってきたらしく、また聖書が英訳されたとかシェークスピアなりチョーサー(カンタベリー物語)なりが英語で著作を行って文学界も脱ラテン語。というような感じでイングランドのほうも国のまとまりが出てきたのですね。

というわけで、細かいところよくわかってないけど、英仏百年戦争(と今呼んでいるもの)が終わるころには国というものの輪郭がはっきりしてきて、それで絶対王政の時代につながっていくのかなぁと、そんなふうに理解しました。それにしてもイギリスとフランスの関係なんて、めっさややこしいわ。近すぎると大変。ドーバー海峡泳いで渡る人がいるくらいだものね。

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