私はもう死にますと、病床の妻は言った。
だから、許してくださいと。
貴方とお金目当てで結婚したことも、
ろくに家事をしなかったことも、
実は大嫌いだった子供を作ることを頑なに拒んだことも、
浮気とすら思わずに複数の男性と付き合いを続けたことも、
優しかった貴方のお母さんを苛め抜いたことも、
何もかも、許してくださいと。
だから、僕は答えた。
昔の話だと。
だから、全て忘れようと。
妻は言った。
有難う、貴方が私の夫でいてくれて本当に良かったと。
そして、間もなく言葉通りに亡くなった。
死に顔は、穏やかだった。
そして、僕は言葉通りに全て忘れることにした。
妻と結婚した経緯も、過ごした日々も。
家事をしない妻に代わって料理を作っていた僕が、
日々、妻の食事にだけ毒を盛っていたことも。
生命保険会社から支払われた保険金は、結構な額になった。
だから、許してくださいと。
貴方とお金目当てで結婚したことも、
ろくに家事をしなかったことも、
実は大嫌いだった子供を作ることを頑なに拒んだことも、
浮気とすら思わずに複数の男性と付き合いを続けたことも、
優しかった貴方のお母さんを苛め抜いたことも、
何もかも、許してくださいと。
だから、僕は答えた。
昔の話だと。
だから、全て忘れようと。
妻は言った。
有難う、貴方が私の夫でいてくれて本当に良かったと。
そして、間もなく言葉通りに亡くなった。
死に顔は、穏やかだった。
そして、僕は言葉通りに全て忘れることにした。
妻と結婚した経緯も、過ごした日々も。
家事をしない妻に代わって料理を作っていた僕が、
日々、妻の食事にだけ毒を盛っていたことも。
生命保険会社から支払われた保険金は、結構な額になった。