ドアを開けると、そこは文字通りの修羅場だった。
何だか良く判らないが、僕も呼ばれたオフ会の会場でメンバーの何人かが血まみれになって転がっている。後の何人かは呆然と座り込み、他の何人かは引きつったような悲鳴を上げ続け、最後の一人が酷く事務的な表情と口調で携帯で何かを話していた。
取りあえず僕はドアを閉め、本日予約していたホテルに向かった。
※ ※ ※
初めは単なる悪戯だった。けれども仕掛けられた相手は本気で嫌がり、その態度を面白がった相手は更に相手に対しての嫌がらせを続けた。そろそろヤバイと相手方を宥めても『ノリの悪い奴』で片付けられ、どうしたものかと悩み始めた矢先に仕掛けられた相手が暴発した。
ビール瓶が殺傷用の兇器になる場面を、生まれてはじめて見た。
※ ※ ※
面白かったから、つい悪ノリした。やがて気弱に笑っていた向こうの顔から表情が消え、代わりに刺すような輝きがオレに向けられ始めた直後。さすがにヤバイと思ってそろそろ冗談で済ませようとした直後。獣のような雄叫びと共に視界が真っ赤に染まった。後は覚えていない。
※ ※ ※
ひとつ、ふたつと数えているうちに限界を超えた。止めろと相手が本気で言っているのに気付かない連中が悪い。瓶を振り下ろしているときは奇妙に頭が冴え渡っていて、執拗に相手に向かって瓶を振り下ろす自分を見下ろす、これからどうなるんだろうとばかりに無責任に見物しているもう一人の自分を感じていた。とりあえず、結果がどうなるかは考えなかった。
※ ※ ※
何の関係もないのに巻き込まれた。嫌がらせが始まって場の雰囲気が悪くなったと思っていたら突然の暴力沙汰。今日は楽しく趣味の話をするために集まったはずなのに、もうオフ会なんか二度と参加しない。
※ ※ ※
結果として重軽傷者三人を出し、会場になった店の個室を滅茶苦茶にしたオフ会は、しかし、それ故に遅刻者が持ち込んで参加者全員に飲ませようとした猛毒入りビールの使用を阻んだ。
何だか良く判らないが、僕も呼ばれたオフ会の会場でメンバーの何人かが血まみれになって転がっている。後の何人かは呆然と座り込み、他の何人かは引きつったような悲鳴を上げ続け、最後の一人が酷く事務的な表情と口調で携帯で何かを話していた。
取りあえず僕はドアを閉め、本日予約していたホテルに向かった。
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初めは単なる悪戯だった。けれども仕掛けられた相手は本気で嫌がり、その態度を面白がった相手は更に相手に対しての嫌がらせを続けた。そろそろヤバイと相手方を宥めても『ノリの悪い奴』で片付けられ、どうしたものかと悩み始めた矢先に仕掛けられた相手が暴発した。
ビール瓶が殺傷用の兇器になる場面を、生まれてはじめて見た。
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面白かったから、つい悪ノリした。やがて気弱に笑っていた向こうの顔から表情が消え、代わりに刺すような輝きがオレに向けられ始めた直後。さすがにヤバイと思ってそろそろ冗談で済ませようとした直後。獣のような雄叫びと共に視界が真っ赤に染まった。後は覚えていない。
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ひとつ、ふたつと数えているうちに限界を超えた。止めろと相手が本気で言っているのに気付かない連中が悪い。瓶を振り下ろしているときは奇妙に頭が冴え渡っていて、執拗に相手に向かって瓶を振り下ろす自分を見下ろす、これからどうなるんだろうとばかりに無責任に見物しているもう一人の自分を感じていた。とりあえず、結果がどうなるかは考えなかった。
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何の関係もないのに巻き込まれた。嫌がらせが始まって場の雰囲気が悪くなったと思っていたら突然の暴力沙汰。今日は楽しく趣味の話をするために集まったはずなのに、もうオフ会なんか二度と参加しない。
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結果として重軽傷者三人を出し、会場になった店の個室を滅茶苦茶にしたオフ会は、しかし、それ故に遅刻者が持ち込んで参加者全員に飲ませようとした猛毒入りビールの使用を阻んだ。