パスタを食べないと死んでしまうんだ。
友人にそう言われて『ならとっとと死ね』と即座に答えられるほど、俺は人ではない。
故に理由を聞いてみると、先日友人がイタリア旅行から戻った際、どうも地元の幽霊を連れ帰ってしまったのが原因らしい。
「だからパスタを」
「そう言うことだな」
友人に憑いてきてしまった幽霊は、何だかいかにもイタリア男という感じの軽薄そうな若者で、悪霊でもなければ大した影響力もない、いわゆる普通の幽霊らしいのだが、とにかく友人の耳元でパスタが食べたいパスタが食べたいと囁き続けて非常に煩いのだそうだ。
「お陰で旅行から帰ってきてから米の飯が食えない」
「それは大変だな」
何とか本国にお帰り頂く方法はないかと聞かれて、俺は極めて適当に頭に浮かんだことを口にした。つまり、和風パスタだけ食ってたらどうだと。
こちらとしては冗談のつもりだったのだが友人によると効果は抜群で、イタリア男の幽霊はいたく憤慨してどこかに行ってしまったらしい。例え本国に帰れなかったとしても、この辺りには本格イタリア料理店が何軒か有るので何とかなるだろう。と言うか、自分で何とかして欲しい。
それが一年前の話で、懲りもせずにイタリアを再度訪れた友人は、今度は小太りの、いかにもイタリアのマンマという感じの中年女性に憑かれてきた。
「だからピッツァを」
「一人で勝手に寿司ピザでも食ってこい」
友人にそう言われて『ならとっとと死ね』と即座に答えられるほど、俺は人ではない。
故に理由を聞いてみると、先日友人がイタリア旅行から戻った際、どうも地元の幽霊を連れ帰ってしまったのが原因らしい。
「だからパスタを」
「そう言うことだな」
友人に憑いてきてしまった幽霊は、何だかいかにもイタリア男という感じの軽薄そうな若者で、悪霊でもなければ大した影響力もない、いわゆる普通の幽霊らしいのだが、とにかく友人の耳元でパスタが食べたいパスタが食べたいと囁き続けて非常に煩いのだそうだ。
「お陰で旅行から帰ってきてから米の飯が食えない」
「それは大変だな」
何とか本国にお帰り頂く方法はないかと聞かれて、俺は極めて適当に頭に浮かんだことを口にした。つまり、和風パスタだけ食ってたらどうだと。
こちらとしては冗談のつもりだったのだが友人によると効果は抜群で、イタリア男の幽霊はいたく憤慨してどこかに行ってしまったらしい。例え本国に帰れなかったとしても、この辺りには本格イタリア料理店が何軒か有るので何とかなるだろう。と言うか、自分で何とかして欲しい。
それが一年前の話で、懲りもせずにイタリアを再度訪れた友人は、今度は小太りの、いかにもイタリアのマンマという感じの中年女性に憑かれてきた。
「だからピッツァを」
「一人で勝手に寿司ピザでも食ってこい」