「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        後期高齢者医療制度はどうなった!

2010-02-08 06:32:11 | Weblog
わが国の医療制度は果たしてこのままで大丈夫なのだろうかー。先週、僕は膀胱ガン
の再発手術で一週間、国立の医療施設のお世話になったが、その体験で感じたのは、
少子高齢化の進行で、現行の医療制度を放置しておけば、早晩、わが国の医療制度
は破綻してしまう、のではないかという危惧である。

民主党は選挙公約の一つに後期高齢者医療制度の廃止を掲げていたが、一向に実施
しないし、その代案も明示しない。鳩山総理は、先日の国会答弁で、この夏までに改革
案の”骨格”について”中間”発表すると述べていたが、改革案の"骨格”さえ出来ておら
ず、夏になっても"中間発表”しか出来ないのである。公約は完全に年寄りだまし、絵に
描いた餅だったのだ。

僕は改めて日本の医療費の現実を体験した。僕の場合は後期高齢者医療保険で、三割
自己負担だが、一週間の入院で病院に支払った額は129,300円。年金生活中心の後期
高齢者にとっては、経済的に大きな負担である。しかし、実際にかかった医療費はこんな
ものではない。恐らく100万円を越えているのではないか。

僕の病室は一般の4人部屋だったが、全員後期高齢者で、うち二人が認知症。そのうちの
1人は見舞いにきた区役所の職員の会話から身寄りのない生活保護費による入院だった。
まるで日本の社会の縮図をみるようであった。

政権について民主党は初めて日本の医療の現実が解ったののだろう。後期高齢者医療制
度の廃止どころではない。抜本的な日本の医療制度全体の改革に乗り出さなければ、国
は医療費の破綻で沈没してしまうのではないか。