「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           英国の公務員ストに思う

2011-12-02 07:46:57 | Weblog
英国で官公庁公務員200万人が参加したストの模様をテレビの画面でみた。ここ30年間では最大規模だそうで、公立学校の四分の三が閉鎖され、ロンドン市内の観光地でもデモ行進が見られ逮捕者まで出た。公務員のストが法律で禁止されているわが国では考えられないものだが、好い悪いは別としてエネルギーを感じる。

ギリシャに端を発したユーロ圏の債務危機が心理的に影響しているのだろうか。ストの原因は政府の公務員の年金制度改革にあるようだ。詳しい改革案は知らないが、年金資格を得るための勤労年数の延長らしい。わが国でも社会保障にからんで年金改革が論議されているが、一向に進展をみない。厚生労働省が示した年金支給年齢68歳ー70歳は、世論の猛反対にあい廃案となった。

僕ら高齢者世代は、数十年先にはこの世にいないが、現役世代の老後の生活設計は現行の年金制度で安泰なのだろうか。野田総理は昨日の記者会見で社会保障と税の一本化改革に関連して消費増税の税率、時期について年内に明示することを約束した。年金改革を含む社会保障制度の改革は焦眉の急であり、そのためには財源として消費増税が必要なことは僕のような素人でも解かっている。

しかし、民主党内には小沢一郎・元幹事長を初め消費増税に反対派が多い。また野党の自民党も"消費増税はマニフェスト違反だ”という原則論にたって、社会保障改革をどうするのか国民にはっきり示していない。すでに事実上の国民年金の崩壊で、高齢者の生活が行きつまり、生活保護の申請者が急増していると聞く。社会保障の改革は待ったナシの問題である。決断が下せない政府に対して、国民はゼネストを行使してはどうか。