「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

   歴代二人の総理も出席 UAEの建国40周年パーティ

2011-12-03 07:54:10 | Weblog
昨夕、東京の帝国ホテルで開かれたUAE(アラブ首長国連邦)の建国40周年記念パーティに招かれて出席した。会場の大広間は招待された約500人の人で一杯、日本アラブ首長国連邦議員連盟会長の福田康夫元首相と安倍信三元首相も出席祝辞を述べた。歴代二人の総理が一国の建国記念日でお祝いの言葉を述べることは極めて異例だ。

もう49年前、半世紀も以前のことだ。僕は当時勤めてていた新聞社の新年企画「アラビアン・ナイトは生きている」という記事の取材で、まだ独立前のUAEに1週間滞在した。当時UAEは「休戦海岸」(Trucial States)といい、英国の保護領であった。僕と同僚のカメラマンは「休戦海岸」の一角、シャージャ土侯国(当時そう呼ばれていた)の砂漠の中の飛行場から入り、主としてドバイ土侯国を取材した。その頃のドバイは今のドバイからは想像もつかない、まさに"アラビアン・ナイト"の世界だった。

僕らは2008年と09年の2回、同僚のカメラマンが当時撮った写真が機縁で、UAEの初代副大統領兼首相の故シェーク、ラシード殿下(ドバイ首長)の義弟、アハマード・エミーレーッ航空会長の招待でUAEを訪れたが、UAEの地は超高層ビルが林立していて、もはや「アラビアン・ナイト」の世界はなかった。

半世紀前、僕らはバーレーンへ行く途中、現在UAEの首都になっているアブダビにも飛行機の給油のため立ち寄ったが、一面の砂漠で小さな管制塔の建物があるだけだった。今でも僕は覚えているのだが、僕らが降りると、英国の若い外交官が駆け寄ってきて”こんな文化果てるところにいて”と涙ながらに窮状を訴えてきた。昨夕の建国40周年記念パーティの大盛会からは考えられないことだ。(写真は会場に飾られた7人の首長を模るお祝いの氷柱)