「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         なぜ"慰安婦”の"鎖”を許すのか?

2011-12-15 07:11:55 | Weblog
"従軍慰安婦”に対する謝罪と補償を求めて毎週水曜日在ソウル日本大使館前で反日デモを行っている連中が昨日デモ開始1千回を記念して大使館前の歩道に慰安婦をモデルとした少女像の除幕式を行った。まったく外交儀礼に反した無礼な話である。日本政府は外交ルートを通じて少女像の撤去を求めるといっているが、口先だけで本当にやる気があるのか疑わしい。

この千回記念に呼応して東京の外務省を取り囲むように支持者たちが"人間の鎖”の暴挙に出た。わが家で読んでいる新聞は一行もこのことを伝えていないが、テレビでこれを見て僕は治安当局は何をやっているのかー怒りを感じた。ネットでは、数日前から"人間の鎖"の参加者を呼びかけていた。当然、治安当局もこれを知っていたはずだ。にもかかわらず、これを許したのは、かって"水曜デモ”に参加した岡崎トミ子元国家公安委員長の一声があったのであろうか。

玄葉外務大臣も言っているように"従軍慰安婦"問題は、1965年の日韓国家協定で韓国側が一切の請求権を放棄したことで解決している。それが今なお尾を引いているのは、93年のいわゆる「河野談話」が原因している。河野洋平官房長官(当時)がありもしない日本軍による強制連行を認める発言したからだ。韓国側は自国の最高裁の判決に従って韓国政府が日本に謝罪と補償を求めないのは違法としているが、これは韓国内の法律である。

どうして日本の外交はこうも"事なかれ主義”になってしまったのであろうか。日本の領土内、しかも外務省前での反日デモ計画があるのが事前に判っているのならば、何故中止させなかったのか。テレビの画面を見ていると、警察は逆に"人間の鎖”に反対する側を取り締まっている。28日に韓国の李明博大統領が来日するので、これに遠慮したのであろう。とても慰安婦像の撤去を本当に求めているとは思えない。