「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         インド洋上の中東難民の悲劇

2011-12-20 08:10:31 | Weblog
ジャワ島(インドネシア)南東部400㌔のインド洋を航海中の漁船が転覆して200人以上が行方不明となっている。定員100人の小さな舟に250人も乗っていたといわれる。そのほとんどがイラクやアフガニスタンからの難民だという。彼らはオーストラリア北西部のクリスマス島の難民申請収容所に向けて密航する途中だった。

アフガニスタンは1979年のソ連(当時)侵攻以来の政権不安で、すでに600万以上が隣国パキスタンやイランに亡命、さらにここから欧米諸国やオーストラリアなどにに難民として流れていっている。一方、イラクもUNHCR(国連難民救済機構)の推定では人口の七分の一が隣国シリアなどの中東諸国へ逃れ、さらにこれも欧米諸国へ拡散していると言われている。

今回、難民たちが密航をめざしたクリスマス島は、オーストラリア政府が密航防止のため2005年に、難民申請希望者のために一時的に建てた700人収容の建物施設だという。だという。ここで難民と認定されれば、オーストラリアへの入国が許可されれるが必ずしも全員認められると限らない。

クリスマス島は1643年12月25日のクリスマスの日にイギリス領東インド会社の舟が、この島を発見したことから命名されたのだが、リン鉱石採掘が朱産業で、ここで働くために連行さてきた中国人やマレー人の子孫約2000人が住んでいる。イラクやアフガニスタンも依然として政情は安定していない。難民たちはいつ祖国へ帰れるか、はっきりしたメドもない。クリスマスのこの時期に起きた悲劇である。