「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

    ”八方美人”野田総理の”八方ふさがり”打開へのカケ

2012-08-09 04:34:22 | Weblog
消費増税関連法案の成立をめぐって野田総理の退陣の確約を得たいとする自民党の谷垣総裁と野田総理との党首会談は、結局、退陣の時期を”近い将来”から”近いうちに”と表現を変えるだけで意見の一致をみた。公明党の山口代表もこれに合意したので、法案は早ければ10日中には成立する。これによって、自民党が要求していた内閣不信任案や首相問責決議案の提出は見送られる。野田総理にとって一応危機は回避できたが、これで大勢の”離党予備軍”を抱える党内をまとめることが出来るのだろうか。

野田総理は前から”八方美人”的なところがある。”八方美人”とは「だれからもよく思われるよう相手に会わせて自分の意見や態度を無節操に変え、何事によらず人と対抗しなくなるようにする”(三省堂慣用句辞典)である。昨日の自公野党党首との合意は、野田総理の”八方美人”的政治の一片なのだろうか。僕はそうとは思わない。野田総理に敬意を表して、総理は相当な決意をもって、この合意に達したものと思う。

だけど、野田総理にとって今の政局はまさに”八方塞がり”である。上記慣用句辞典によると、”八方塞がり”とは「どの方角に向かって事を行っても不吉な結果を招く状態。行き詰まりを打開しようとしても種々の障害に妨げられてどうにもならなく、動きが取れない状態」と定義されている。政治生命をかけた野田総理は、この”八方塞がり”を打開するには、ぎりぎり、解散の時期を”近いうちに”という表現で、野党の了解をとりつけなければならなかった。民主党内の”離党予備軍”との決別を覚悟しての決断、カケと僕はみる。消費増税関連法案成立則国会解散、総選挙とみるが、どうだろうか。公約違反の民主党である。国の政治にとって解散、総選挙は早いほうがよい。