「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          女性ジャーナリストの死に思う

2012-08-22 06:36:50 | Weblog
シリアの内戦の銃撃戦に巻き込まれ亡くなられらた「ジャパン.プレス」所属のジャナーリスト、山本美香さん(45)が撮った最後の映像をネットで見た。一緒の取材クルーが撮った事件に遭遇される前の山本さんの元気な姿も映っており痛ましい。山本さんは2003年イラク戦争の時も、取材中の部屋の隣室が砲撃され九死に一生の体験をされており、その時の取材で、日本のジャーナリストには最高の勲章である「上田.ボーン賞」の特別賞を受賞している。

戦争中は従軍記者として僕らの先輩が、戦争の最前線を取材中沢山の方が亡くなっている。しかし、戦後は大手メディの新聞社やテレビ局に所属している記者が戦争の取材で死んだケースはない。僕の知る限りでは、亡くなった日本人のジャーナリストは、1970年ベトナム戦争の取材で亡くなった澤田教一さんもUPIのカメラマンであり、2007年ミャンマーの軍事政権抗議デモを取材中、銃撃され死亡した長井健司さんもフリーのカメラマンであった。

僕は戦争の取材をしたことはないが、死と向かい合っている取材だけに神経的に大変なようだ。ベトナム戦争中サイゴン(ホーチミン市)に駐在していた、わが社の二人の特派員は、僕より若いのに、すでにこの世にない。しかし、ジャーナリストして戦争取材は”記者魂”をかきたてるものはないようだ。45年前、夜間外出禁止令下のジャカルタで取材活動をしたことがあるが、戦塵の中で危険を忘れて、ついついつき走ってしまう気持ちはよく理解できる。しかし人間も終末期になると、やはり生命が第一だと思うようになる。山本美香さん安らかに永眠を。