「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       恥知らずの野田対中外交 なぜ抗議しないのか

2012-08-30 05:53:04 | Weblog
野田佳彦内閣に対する問責決議案が昨日参院本会議で可決された。これで野田内閣が退陣するわけではないが、終末期に近ずいたのは確かだ。このところの「尖閣」「竹島」問題をめぐる外交だけをとっても十分問責に値する。史上まれにみる軟弱外交である。一国の大使が襲撃され、国旗が強奪されたのに、なぜ抗議をしないのか。国家としての恥を忘れてしまったのか。

北京駐在の丹羽宇一郎全権大使の乗った公用車が先日、路上で襲撃を受け、車についていた日の丸が強奪された。前代未聞の事件だが,当の大使は”きわめて遺憾である”と言っているだけで正式に抗議したという報道はない。中国政府の公式な謝罪もな。野田総理は事件後外務副大臣に新書をもたせて尖閣問題を沈静化しようと呼びかけたそうだが、政府として抗議していない。

野田総理や丹羽大使は長崎の国旗事件を知らないか、忘れてしまったに違いない。昭和33年(1958年)長崎市のデパートで開催中の日中友好協会主催のイベント会場で、日本の青年が天井から吊るされていた中国の国旗を引きずり下ろし毀損した事件である。当時わが国と中国との間には正式な国交はなく、政府は犯人の青年を微罪で釈放した。しかし、中国の陳毅副総理.外交部長は猛然と抗議し、対日貿易を2年半にわたって中止する擧にでた。

テレビの画面で丹羽大使と中日友好協会会長の唐家旋(王偏)とのシンボジュームでの対談をみた。唐家旋会長は今回の事件について謝罪していたが、今は政府の関係者ではない。一方、丹羽大使は、日本の全権を担う大使である。事件直後のこの時期、問題が解決していないのに、この種の会に顔を出すのは不見識ではないのだろうか。それとも野田親書でこれで事件の幕を引けと提案したのだろうか。”国民が幸せになれば日本は中国の属国になってもよい”と言ったという丹羽大使である。国旗は国のシンボルである。すこし恥をしったらどうか。